習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

「エンド・オブ・ステイツ』

2019-11-28 20:55:54 | 映画
疲れているから、こういう何も考えなくていいアクション映画を見たい気分だった。期待以上に楽しめる映画で見てよかった。疲れを癒すため、しばらくの時間何も考えなくていいのがうれしい。『エンド・オブ・ホワイトハウス』『エンド・オブ・キングダム』に続き、ジェラルド・バトラーがアメリカ大統領専属シークレットサービスのマイク・バニングを演じる人気アクションシリーズ第3弾、である。大統領はもちろん今回もちゃんとモ . . . 本文を読む
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『ライフ・イットセルフ 未来に続く物語』

2019-11-28 20:15:35 | 映画
  久々に心震える映画と出会えた。何の期待もせずに見た映画なのに、しかも、最初はこれはなんなんだ、と思いながら見たのに、その世界観に嵌まってしまい、ありえないような展開にあれよあれよと思う間に、どっぷりとこの映画に浸っている。ある夫婦のお話からスタートして、とんでもない不幸が彼を襲い、それに耐えられなくて、自殺する、なんていう暗いお話(もうありえない!)が始まるのだ。そこで、まず、おし . . . 本文を読む
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飛鳥井千砂『タイニー・タイニー・ハッピー』

2019-11-28 20:13:44 | その他
  久しぶりでこの小説を読んだ。ふだんは新刊ばかりを読んでいるけど、たまに少し古い本も読んで見たい。前向きになれないときは,特に。「小さな、小さな、幸せ」と題されたこの短編連作を読んでいると、なんだか、自分までそんな気分にさせられる。これは心のオアシスのような作品なのだ。しばらくここでまどろんでいたい。   東京郊外の大きなショッピングセンター、タイニー・タイニー・ハッピ . . . 本文を読む
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神原組プロデュース『わらわら草子 四の章』

2019-11-28 20:09:11 | 演劇
  今回で4作目となる。精力的に活動を続ける神原さんのシリーズものである。4年前の第一作は見たけど、それ以来となる。でも、なんだかずっと見ている気分だ。安心して見ていられるのは、4人の作家の競演である前に、まずこれが神原さんの世界だ、という前提があるからだ。圧倒的な求心力を持つ彼女の世界観が仲間である作家たち、役者たちに伝播して、何をやっても神原カラーに染まるという不思議な連帯感を持つ . . . 本文を読む
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劇団新人類人猿『人や銀河や修羅や海胆は』

2019-11-28 19:57:04 | 演劇
   金沢からやってきた劇団で、今回初めて見る。どんな世界を見せてくれるのかとても楽しみだった。普通の会話劇ではない。まるで一篇の美しい詩を見ているような作品だった。象徴的なパフォーマンスを、「これは何を意味するのか」と緊張しながら、目撃する。   こういうパフォーマンスで大事なのはストーリーではない。そんなことは重々わかっているのだけど、演劇としてこれを提示す . . . 本文を読む
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虚空旅団『愛の棲家』『三人虜』

2019-11-28 19:52:26 | 演劇
  とても丁寧に作られてある。テキストを大事にして忠実に作品世界を立ち上げた。大竹野戯曲は役者に当て書きしたものが多いし、稽古をしながら、書き足していくというパターンも多いので、演出は難しいはず。完成された台本というわけではない。でも、その未完成なところが魅力でもある。そんな彼の台本を高橋恵はテキスト重視で忠実に再現する。   まず、『愛の棲家』だが、45分の中編としてテ . . . 本文を読む
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浪花グランドロマン『愛の棲家 ~大竹野正典アンソロジー』

2019-11-13 20:34:36 | 演劇
  こんなアプローチもありなのか、と驚く。先日の万博設計『リボルバー』の驚きとはもちろん違うけど、このささやかな驚きは浦部さんらしい。身近なところからずっと大竹野を見てきた彼だからこそ、こういう大胆なアプローチも可能だったのだ。吃音を言葉遊びにして、ストーリーがわかりづらくなるのも承知の上で、延々と見せていく。言葉とリンクする身振りを通して、笑いに転化していく。そのバカバカしい行為を見 . . . 本文を読む
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くじら「本」会議『愛しのクマちゃん~くじらの日々~』

2019-11-13 20:25:45 | 演劇
  朗読劇と銘打つがほとんど芝居。簡単なリーディングスタイルを取りつつ、実は緻密な演劇のテイストを持つ。ドキュメンタリータッチを標榜し、ラフなスタイルで大竹野正典の評伝を作り上げた。とてもよく出来ている。大竹野正典没後10年企画の中で異彩を放つ。当然オフィスコットーネによる『埒もなく汚れなく』とは違う視点から大竹野を描く。大竹野の身内である小栗一紅による台本、演出は、事実をベースにしな . . . 本文を読む
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『ジェミニマン』

2019-11-13 20:19:23 | 映画
  アン・リーの新作なのだが、いくらなんでもこういう単純SFアクション映画をわざわざ彼が手掛けるのはなしだ、とも思う。でも、かつて『ハルク』も手掛けた彼である、どんな素材でも受け入れる、ということか。何を見せられるのか、ドキドキしながら劇場に入る。安易な映画ではあるまい。でも、職人技を求められそうな企画だ。では、なぜ、それを彼がやるのか。謎は深まるばかり。   でも、これ . . . 本文を読む
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『最初の晩餐』

2019-11-07 21:53:28 | 映画
  これも家族のお話。ふたつの家族がひとつになる。父親が再婚して、新しいお母さんとお兄ちゃんができる。3人家族だったところに2人がやってきて、新しい家族が始まる。その最初の晩餐。でも、映画は実は最後の晩餐の話だ。これは父親の通夜のお話。   通夜振る舞いは最初に父がこの家族のために作ってくれた目玉焼きから始まる。永瀬正敏の父。斉藤由貴の母。彼らの子どもたちは染谷将太、戸田 . . . 本文を読む
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BALBOLABO『恋する宇宙に人類は』

2019-11-07 21:45:03 | 演劇
  これはエビス堂大交響楽団の頃の作品なのだろう。とても懐かしい岡本邦彦作品だ。昔、このスピード感が凄いと思った。目まぐるしい展開に振り落とされそうになる。オカモト國ヒコは20年前の作品をあの頃のやり方のままで復活させる。だが、それは今見ても新鮮だ。全く古びないだけではなく、今の芝居になっている。ただ、今の時代にこのスピードは驚きにはならない。ということは、今後は更なる仕掛けが必要にな . . . 本文を読む
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『108~海馬五郎の復讐と冒険~』

2019-11-07 21:42:23 | 映画
  最近中山美穂はいろんなドラマや映画に脇役で出ているけど、なんだか納得がいかない。永遠のヒロインである彼女が歳を取って「おばさん」の役を演じるなんてなんだか嫌だ。彼女にはずっと綺麗でいてもらいたい。それが無理なら原節子のように引退して欲しい。せめて『Love Leter』のままでいて欲しいと願ったのは、松尾スズキも同じなのではないか。   竹中直人の『東京日和』から12 . . . 本文を読む
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青山七恵『私の家』

2019-11-07 21:40:04 | その他
  短編連作のスタイルで家族の肖像を描いていく11のお話が独立しながら絡み合い、3世代にわたる家族の物語を紡いでいく。これはどこにでもある4人家族の話だ。だけれども、それに「家」というものを中心に据えたとき、人と家との関係性から立ち上がる不思議なドラマが生まれる。父と母、姉と妹。姉は結婚して新しい家族を作っている。妹は東京から戻り、実家に寄生している。恋人と別れ、仕事もやめて何もせずブ . . . 本文を読む
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劇団三日月『雪解け』

2019-11-07 21:36:58 | 演劇
  今年もウイングカップが始まった。十年目となる今年は7劇団が参加する。昨年に続いて2年連続となるこの劇団三日月の公演を皮切りにして来年の1月まで続く。   さて、劇団三日月『雪解け』である。短いシーンで繋いでいくオープニングが心地よい。新婚家族に子どもが出来る。さらに2人目が生まれ4人家族となる。やがて子どもたちが成長していくまでを一気に見せる。そこから始まる物語は決し . . . 本文を読む
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