shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その5(最終)

2021-07-22 16:42:13 | 山行・旅行
常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その4からの続きです。

これまで書いていた紀行文では、下山のことはあまり書いていない。
しかし今回は違う。下山とその後こそが大変だったからだ。
何が大変だったかだが、その前に先ずは順を追って下山のことを書いていこう。

12時35分に蝶ヶ岳に到着し、山頂で写真を撮った後、すぐに三俣に向け下山を開始した。
指定のテント場はぎっしり埋まっていて、登山道の上にもテントが張られていた。


なだらかな道をしばらく下ると、大滝山との分岐となった。三俣方面へ進む。
この辺りでは足に違和感はなかったように思う。


標高2500m付近まで下ると、サクラソウの仲間が咲いていた。
帰って調べるとオオサクラソウ(別名:ミヤマサクラソウ、サクラソウ科サクラソウ属)のようだった。
ハクサンコザクラと比べると、花茎が長く、花数も多い豪華な花だ。




続いてスミレの仲間。
茎葉が接近してつき、3輪生状になっていることから、ミヤマキスミレ(スミレ科スミレ属)で良さそうだ。




この辺りから右足のつま先が痛くなってきた。ベンチに座って足を確かめる。


見たところ変化はなく、朝貼ったテーピングもそのままに靴紐を調整して歩くことにした。
今日履いてきた靴は足型をとって作ってもらったもので、左足より右足が少し大きくできている。
これまで筑波山などで慣らし、5月には伯耆大山にも履いていったものだ。しかし、重い荷物を背負って長距離を歩くのは初めてだった。

標高を下げていくと、オサバグサ(ケシ科オオバグサ属)の群生が次々と現れた。


この植物は根生の羽状複葉の葉に特徴がある。


そこから花茎が20~30cm伸びて、可憐な白花をたくさん咲かせる。


再びベンチがあったので、ここでも腰を下ろし靴紐を調整した。普段は下りでこれほど頻繁に休むことはない。
三俣まで4.7km、時刻は2時を回った。どんなにゆっくり歩いても、陽があるうちに着くだろう。
それに、食料も水も十分ある。


そこから30分ほど歩いて見晴らしの良いところに出た。常念岳が大きく見えた。嬉しかった。
しかし、まだまだ下らなければいけないことを実感した。


お花は幾分か足の痛みを癒してくれる。
モミジカラマツ(キンポウゲ科モミジカラマツ属)。


ゴゼンタチバナ(ミズキ科サンシュユ属)。


足の痛みは人差し指に留まらず、親指の先にも及んでいる。
次々と後ろから来る人に抜かれるが、意に介さずゆっくりと歩く。
それでも高度計(腕時計に付いている)を見る頻度が増えた。


三俣まで残り2.5kmほどまで来た。右足の親指は半ばしびれてきている。
靴紐を緩めると人差し指の先が痛む。ガーゼが付いた絆創膏を貼って、緩衝材とならないかやってみたが、あまり効果はなさそうだった。


残り1kmとなった。足先だけでなく、太ももの上部が痛み出した。きっと右足をかばって歩いているからだろうと思った。
幸い何とかゆっくり歩ける。日没までに時間もたっぷりある。


湧水が飲める力水まで来た。ここから三俣まで0.8kmだ。水筒の水を捨てて、冷たい湧水に入れ替えた。
もう少しだ。頑張ろう。


吊り橋を渡る。三俣までは400mほどだろうか。足の痛みに加えて太ももの刺すような痛みが激しい。
しかし、ゴールは目の前だ。頑張ろう。


三俣に着いた。昨日、ここから常念岳へ向かったところだ。
登山口まで50m。そこから駐車場まで800m。


登山口に着いた。やり遂げたという気持ちは全くない。なんとか痛みに耐えたというだけだ。
しかし、ここから駐車場まで800mある。


結局、駐車場には5時25分に着いた。蝶ヶ岳からの下りのコースタイムが3時間20分のところを、4時間50分かかった。

■ 今回歩いたルートと地理院地図
1日目: 三俣ゲート駐車場→三俣登山口→前常念岳→三俣への分岐→常念乗越(テント泊)
2日目: 常念乗越→常念岳→蝶槍→蝶ヶ岳→三俣登山口→三俣ゲート駐車場


ここからは怪我のことがでてきます。写真はありませんが、ご不快に思われる方は、ここで読むのをおやめください。

車で真っ先に向かったのは、日帰り温泉のほりでーゆ~四季の郷だ。
ズボンを脱いで、テーピングを剥がそうとして激痛が走った。右脚の太ももの皮膚が500円玉ほどの大きさで剥けていた。
皮膚の剥がれは他にもあり、大小合わせて9か所が剥けていた。初めて貼ったテーピングが合わなかったようだ。
温泉どころではなかった。水滴がつくだけで痛かった。何とか髪と脚以外の体を洗い、清潔な服に着替えた。

帰宅した日は日曜日で病院に行けず、月曜日から皮膚科通いをしている。
1日2回、患部を洗浄し薬を塗っており(1回は病院で、もう1回は自分で)、お陰様で快復に向かっている。
貴重な経験ができた。山で怪我をすると、この程度のことでも大変なことになる。今後の山行に活かしていきたいと思っている。
(完)
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常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その4

2021-07-21 23:01:27 | 山行・旅行
常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その3からの続きです。

常念山脈は、南北に槍・穂高連峰と平行して走っている。槍穂に近く標高差も少ないので、槍穂の展望台としてこれに勝るところはない。
そこで度々足を止めて槍穂の写真を撮ったが、似たような写真ばかりなので、先ずは縦走路の様子からご覧いただこうと思う。

常念岳から南に進むと蝶ヶ岳までの間に、2512m、2592m、2462m、2665m(蝶槍)、2625mと5つのピークが並ぶ。
蝶槍から先は緩やかな稜線歩きだが、それまでの4つのピークはアップダウンが厳しい。




最初のピークを越えると、これから進む蝶ヶ岳への縦走路が一望できる。
写真中央の尖がったピークが蝶槍である。蝶ヶ岳はそこから左に少し下ったのち、緩やかに登ったピークだ。
森林限界を越えて高山帯まで登り上げたのに、一旦こんもりと樹々が茂る樹林帯まで下る様子がご覧いただけるだろうか。


また、一つひとつのピークに特徴があり、岩場からお花畑まで様々だ。共通なのは、登るたびに疲れたこと。


さて、樹林帯の中の登山道は、こんな様子だ。


何はともあれ、高山帯から樹林帯まで、変化に富んだところを歩いたので、観られたお花も様々だった。
撮った順番に、ご覧いただきましょう。

岩陰に咲いていたこの花は、キバナノコマノツメ(スミレ科スミレ属)だと思う。


コイワカガミ(イワウメ科イワカガミ属)。


ウラジロナナカマド(バラ科ナナカマド属)は葉の裏側が白い。


コバイケイソウ(シュロソウ科シュロソウ属)の群落が見事だった。


すれ違いの登山者と、今年のコバイケイソウは見事だと話した。




ミヤマキスミレ(スミレ科スミレ属)だと思うが、自信はない。


シナノキンバイソウ(キンポウゲ科キンバイソウ属)が現われた。この花は、この後の縦走路脇でたくさん見られた。


シナノキンバイソウ(上)とミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科キンポウゲ属)。


モミジカラマツ(キンポウゲ科カラマツソウ属)。


ハクサンチドリ(ラン科ハクサンチドリ属)。


2952mのピークに着いた。山頂付近にお花畑が広がっていた。


草原の中にハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)が咲いていた。


コバイケイソウに混じって、ゼンテイカ(ニッコウキスゲ、ワスレグサ科キスゲ属)がきれいだった。


再びミヤマキンポウゲの群落。


再びハクサンフウロウ。


ヨツバシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属)がボツボツ咲いていた。


テガタチドリ(ラン科テガタチドリ属)のようだ。観たのは1ヶ所だけだった。


イブキトラノオ(タデ科イブキトラノオ属)が風に揺れて、撮るのが難しい。


下った先に小さな池が現われた。


初めて見る花だが、ミヤマタネツケバナ(アブラナ科タネツケバナ属)ではないだろうか。


ここから蝶槍までの登りが、今回最後の急登となる。


マイヅルソウ(キジカクシ科マイヅルソウ属)。近くにゴゼンタチバナも咲いていたが、撮り忘れた。


こちらはカニコウモリ(キク科コウモリソウ属)のつぼみのようだ。


森を抜けて見晴らしがよくなった。
立ち止まってコンデジで撮った槍・穂高連峰。


振り返っての常念岳。昨日登った岩の稜線がよく分かる。


ミヤマキンバイ(バラ科キジムシロ属)。


イワツメクサ(ナデシコ科ハコベ属)だろうか。


ここにもハクサンシャクナゲ(ツツジ科ツツジ属)が咲いていた。


蝶槍(標高2665m)に着いた。ここでザックを下ろして大休止とした。
蝶槍から観た、3000m級の山々の絶景を一気にご覧いただこう。
先ずは穂高連峰。


乗鞍岳。


御嶽山。


富士山。


槍ヶ岳。


北穂高岳。


涸沢岳。


奥穂高岳。


前穂高岳。


最後は標高2677mの蝶ヶ岳。人の多さでは一番かもしれない。


蝶槍から蝶ヶ岳に向か途中、目の前にイワヒバリの番が飛んできて、数メートル先の木の枝に留まった。
ここは、動画でご覧いただこう。


再びお花に戻る。ミヤマキンバイの群落。


横尾への分岐に出た。横尾から上高地へ下りる登山者も多い。


蝶ヶ岳ヒュッテの前で槍・穂高連峰に別れの挨拶をした。これが最後の槍穂の写真だ。




12時35分、蝶ヶ岳(標高2677m)に着いた。順番を待って山頂の標識を撮った。辺りは多くのハイカーで賑わっている。


天気も良いので、ここでもう1泊しようかとも思っていたが、この混雑ではとても泊まる気にならない。
予定通り三俣へ下りることにした。


■ 今回歩いたルートと地理院地図
1日目: 三俣ゲート駐車場→三俣登山口→前常念岳→三俣への分岐→常念乗越(テント泊)
2日目: 常念乗越→常念岳→蝶槍→蝶ヶ岳→三俣登山口→三俣ゲート駐車場


常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その5(最終回)に続く。← 7月22日アップ予定です。
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常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その3

2021-07-20 06:35:26 | 山行・旅行
常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その2からの続きです。

テントでは眠れないという人もいるだろう。
私の場合は、山小屋よりテントの方がぐっすり眠れる。最近ではエアマットのお陰で寝心地がさらに良くなり、今回の山行でも快眠だった。

昨夜は陽が落ちて8時前にパラパラと雨が降りだし、テント場が騒がしかった。しかし、その後のことは覚えていない。
目が覚めると3時半になっていた。ヘッドランプを頼りに、すぐに出発の準備をした。

足の指にテープを巻き、傷めているかかとにもテーピングした。
さらに、重い荷物を背負って下るので、膝の負担を減らすため、太ももから膝をまいてふくらはぎまでテープを貼った。

朝日が槍・穂高連峰に当たり、山々が赤く色づき始めた。快晴だ。
テント撤収の手を休めて、写真を撮った。

先ずは、槍ヶ岳。


続いて、北穂高岳。


4時50分にテント場を出発した。食欲はなく、朝食抜きだ。エビせんの小袋をポケットに入れた。
山頂までのコースタイムは75分である。どこも痛くないが、重い荷物のため、ゆっくりしか登れなかった。
荷物は全然軽くなっていない。水を補給したこととテントが雨に濡れたので、むしろ重くなったかもしれない。
岩だらけの山を登り始めると東の景色も見えてきた。雲海に浮かぶ浅間連峰がきれいだった。


何度か休憩し、エビせんの朝食を途中で摂った。
そして、常念岳山頂に6時40分に到着した。休憩込みで1時間50分もかかってしまった。

思いのほか広い山頂に、すでに先客4、5人がいた。
ザックを下ろし、一眼レフを取り出す。山頂からはどちらを向いても山が見えた。

先ずは、登頂の証に祠と方位盤を撮った。背景は穂高連峰だ。左から明神岳、前穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳と並ぶ。西穂は奥穂に隠れて見えない。


山頂道標を入れて穂高連峰を撮った。


続いて右にカメラを向け、左から中岳、大喰岳、そして槍ヶ岳。手前に東鎌尾根だ。


槍ヶ岳のアップ。


槍ヶ岳。手前に東鎌尾根。右奥に三俣蓮華岳。


左から鷲羽岳、水晶岳、真砂岳と野口五郎岳。


水晶岳のアップ。


鷲羽岳のアップ。


奥に立山連峰の浄土山、立山、剱岳。


どこを撮ったのだろう、山座同定中。


こちらも山座同定中。


浅間連峰。


八ヶ岳連峰。


富士山。


中央アルプス。最も高いのが木曽駒ヶ岳。中央アルプスの左奥に南アルプス。


南アルプス方面だがよく分からない。


御嶽山。


乗鞍岳。手前に霞沢岳。


またしても、山座同定中。


前穂高岳のアップ。


再び穂高連峰。


大キレット。


大キレットの隙間から、何と白山連峰。これは意外だった。


大キレット北と南岳。


南岳から槍ヶ岳への稜線。


手前が四阿山。奥に180km離れた日光連山が見えた。


山頂に20分いて、30枚ほど写真を撮った。今回は名前の分からない山も含めて、そのほとんどを載せた。
ずいぶん遠くの山まで見えたこと、そして白山が見えたことにとても感動した。
名残惜しかったが、今日も長い行程だ。再び重いザックを背負い7時に山頂を出た。
さあ、次は蝶ヶ岳を目指そう。

■ 今回歩いたルートと地理院地図
1日目: 三俣ゲート駐車場→三俣登山口→前常念岳→三俣への分岐→常念乗越(テント泊)
2日目: 常念乗越→常念岳→蝶槍→蝶ヶ岳→三俣登山口→三俣ゲート駐車場


常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その4に続く。← 7月21日アップ予定です。
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常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その2

2021-07-19 09:01:39 | 山行・旅行
常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その1 からの続きです。

梯子を登ると穂高連峰が姿を現した。しかし、常念岳はまだ見えない。常念山脈の一角の蝶槍と、その奥に蝶ヶ岳らしき山が姿を見せていた。


常念岳とは、常に念じている僧がいる山という意味である。
その名の由来は、袈裟を纏った僧が雪形に現れるからとも言われるが、風に乗って読経の声が夜通し聞こえたからとの説もある。
私が今回この山を選んだのは、勿論この山の素晴らしさに魅かれたからだが、現在の自分の力量を試したいと思ったこともある。

さて、前常念岳への岩場に差し掛かると、高木は消えて、ハイマツとナナカマドなどの低木帯となった。
また、登山道脇に高山植物と呼ばれる花々が多く観られるようになってきた。

先ず目を引いたのは、ハクサンシャクナゲ(ツツジ科ツツジ属)である。まだ蕾のものが多かったが、数は多かった。


所々でウラジロヨウラク(ツツジ科ヨウラクツツジ属)も咲いていた。


ツガザクラ(ツツジ科ツガザクラ属)が多く観られるのも、この山の特徴だろう。


こちらはアオノツガザクラ(ツツジ科ツガザクラ属)かと思ったが、オオツガザクラ(ツツジ科ツガザクラ属)かもしれない。
ツガザクラより数が少ないように見えた。


ウラジロナナカマド(バラ科ナナカマド属)もきれいに咲いていた。


こちらはハイマツ(マツ科マツ属)の雄花だ。雌雄同株で、雄花は今年枝の基部に、雌花は先につく。


コイワカガミ(イワウメ科イワカガミ属)は登山道脇に多かった。


ミヤマダイコンソウ(バラ科ダイコンソウ属)も多く観られた。


ミヤマゼンコ(せり科エゾノシシウド属)も多く観られた。


チングルマ(バラ科チングルマ属)は、前常念岳の山頂付近に多かった。


タカネヤハズハハコ(キク科ヤマハハコ属)も観られた。


高度を上げるにつれ、穂高連峰のほぼ全体が見えるようになってきた。


結局、岩場の登攀に手こずり、前常念岳に着いたのは10時55分になった。あまり食欲はなかったが、ここでパンを1つ食した。


前常念岳から常念岳にかけての尾根も、岩場であることに変わりがなかった。
ここまで登ると常念岳が見えるはずだが、ガスが掛かって山頂は見え隠れしていた。






ここで初めてザックから一眼レフを取り出して、山頂を確認した。


しばらくして、一度廃道となっていた常念乗越へ通じる道との分岐に出た。近道ではあるが上級者向きとあったので、荷物が多いことから通るのを止めた。


常念山脈の主稜線に着いたのは1時に近かった。槍ヶ岳はガスに隠れて見えなかった。
ふと見ると、ひとりのカメラマンがハイマツの中にカメラを向けていた。すぐにライチョウだとピンときた。急いで一眼レフをザックから取り出した。


見つけにくいが幼鳥もいた。幼鳥は数えると5羽いた。


親鳥は盛んに鳴いて幼鳥を呼んでいる。


幼鳥は食事に夢中だ。


その後親鳥が登山道に出て来て、幼鳥と共に道を横切ってハイマツの中に消えていった。




さて、ライチョウを観ている間に槍ヶ岳のガスが取れてきた。


常念岳の山頂に向かうかどうか悩んだ。山頂は空荷だとここから5分程度だ。
しかし、かなり疲れていた。また、明日の朝必ず登るので、今日の登頂は止めて常念乗越へ向けて下ることにした。
常念乗越へは300mあまり下る。途中で右足薬指が痛み出した。靴紐を調整しても治らない。結局、テント場までだましだまし歩いた。

岩の間にミヤマキンバイ(バラ科キジムシロ属)が咲いていて、元気づけられた。


ようやくテント場に着いたのは、当初の予定通りの2時30分だった。この日の常念岳山頂をパスした分が、余計にかかった時間と相殺された。


テント場に着いて足の指を確認した。特に靴ずれの症状は出ていなかった。
相変わらず食欲は進まず、夕食には重いソーセージと昼に食べるつもりだったパンを1つ食べて済ませた。
この日の夕方はガスが出て来て、撮影はできなかった。結局、テントから出ることはなく、翌朝を迎えることになった。

■ 今回歩いたルートと地理院地図
1日目: 三俣ゲート駐車場→三俣登山口→前常念岳→三俣への分岐→常念乗越(テント泊)
2日目: 常念乗越→常念岳→蝶槍→蝶ヶ岳→三俣登山口→三俣ゲート駐車場


常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その3に続く。
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常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その1

2021-07-18 15:51:32 | 山行・旅行
7月15日、翌日からの晴れを期待して自宅を出た。向かった先は北アルプスの常念岳(標高2857m)の麓の安曇野市だ。
常念岳は人気の山で、登山口手前の駐車場は前日深夜に満車になると聞いた。そこで夕刻7時30分に駐車場に到着し、車中泊した。

翌朝3時半に目が覚めた。空には星が輝いていた。到着時に3割ほど埋まっていた駐車場は、満車になっていた。
目覚めたばかりで食欲はない。体調も普段ほどの元気がない。4時過ぎまで車の中で横になっていたが、明るくなったので身支度をすることにした。


駐車場から常念岳までの標高差は1577m。15kgの重い荷物を背負って、この体調で無事に歩き通せるのか。この日のコースタイムは8時間10分だ。
幾分かの不安を抱きながら4時30分に駐車場を出発した。
先ずは登山口まで800mの砂利道を歩く。着いたところに小屋があり、トイレもあった。ここからが登山道だ。


すぐに沢を渡り、蝶ヶ岳へ向かう道と岐れた。帰りは蝶ヶ岳からここへ下る。常念岳への道は山頂まで登り一辺倒だ。


歩くペースは極めてゆっくりだ。ゆっくりでも呼吸が苦しい。次々と荷物が少ない登山者に追い抜かれた。


歩き始めて40分で本沢への迂回路との分岐に出た。ここで上着を脱ぎTシャツ1枚になった。


ところで、今回の山行には2台のカメラを持参した。
一眼レフは山の景色を撮るために使うのでザックに入れ、行動中は専らコンデジを使った。このカメラは接写機能もあり、花の撮影にも向いている。
最初に撮った花がこちらだ。サラシナショウマ トリアシショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属 ユキノシタ科チダケサシ属)だと思う。


歩き始めて1時間10分、周囲の藪がガサガサと音を立てた。何が飛び出してくるかと身構えたら、サルの群れだった。


盛んに木の枝を飛び回るサルもいれば、幼子を抱いてじっとする母サルもいた。




サルの群れは獣の匂いを残していなくなった。登山道は相変わらず急登が続いている。階段を一気に3段登るような段差もあり、体力を奪っていく。
歩き始めて1時間半が過ぎ、足元にきれいな花を見つけた。先日平標山で観たショウキラン(ラン科ショウキラン属)に似ている。


それ以外の花といえば、ギンリョウソウが目立つ程度だった。


歩き始めて3時間40分でようやく堀金村の標識に着いた。あまり食欲はないものの、ここで朝食を摂ることにした。
登山口からここまで4.1km、山頂までは3.1km。よーし頑張ろう。




樹林帯は、ここからまだ1時間ほど続いた。
標高2207mの標準点櫓跡の辺りから、ゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属)、マイヅルソウ(キジカクシ科マイヅルソウ属)、ツマトリソウ(サクラソウ科ツマトリソウ属)など、顔なじみの花が見られ始め、写真を撮りながら進んだ。






そして、歩き始めて4時間45分。この梯子を登ったところで視界が開け、常念山脈の尾根越しに穂高連峰が初めて見えた。




そして、いよいよ岩登りだ。重い荷物を背負って、果たして岩を登れるだろうか。
きっと、高山植物が元気を与えてくれることだろう。

■ 今回歩いたルートと地理院地図
1日目: 三俣ゲート駐車場→三俣登山口→前常念岳→三俣への分岐→常念乗越(テント泊)
2日目: 常念乗越→常念岳→蝶槍→蝶ヶ岳→三俣登山口→三俣ゲート駐車場


常念岳、蝶ヶ岳周回(テント泊)その2に続く
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身近な鳥と蝶たち、そして芝刈りについて

2021-07-14 07:24:20 | 日記(雑記帳)
梅雨の晴れ間を選んで、自宅近所の散歩を続けています。
ここ1週間以内に撮った写真の中から、身近な鳥と蝶、そして芝刈りについての話題です。

先ずは身近な鳥から。
今年生まれたムクドリだと思います。まだ躰が小さく、全体がモノトーンです。
嘴の黄色も成鳥に比べると淡い色をしています。




こちらは別の日に撮ったムクドリです。公園の野球場でエサを探していました。この鳥は幼鳥のように見えます。
私に気付いたよう、この後でサッと飛び立ちました。金網越しの撮影です。


同じ日に、野球場の外野の芝生(草むら)で群れていたムクドリです。やはり金網越しの撮影です。


ムクドリの小さな群れは、あちこちで見かけます。この写真は別の公園で撮りました。


一方、こちらのツバメは、今年生まれた幼鳥のようです。
躰が丸味を帯びていて、喉元の赤い色が目立ちません。


左は成鳥のようです。後から飛んできて一緒に留まったので、右の子どもたちの親かもしれません。


キジバトです。早朝、公園の樹々の周りや遊歩道を、ゆっくり歩いていました。
5mほどまで近寄っても平気なようでした。




スズメもいました。躰が小さく、幼い感じが幾分か残っていますが、幼鳥と呼べる時期は過ぎているように思います。
そうっと近寄って撮りました。


こちらは小雨の日に撮ったシジュウカラです。ジジッツ、ジジッツと地鳴きを繰り返していました。
今年生まれた鳥かもしれませんが、見た目は成鳥と区別がつきません。
背景に、ぽつんぽつんと小さな雨滴が写っています。




散歩で見かけた鳥は、この他にはカラスだけでした。
ウグイスの鳴き声を聞きましたが、姿は見ていません。

代わって蝶です。こちらはツマグロヒョウモンのオスです。最近よく見かけます。




我が家の庭にはオス・メスともに来ています。
こちらはメスです。


蝶はこの他にいろんな種類のアゲハやモンシロチョウなどを見かけましたが、飛び回ってばかりで上手く写真が撮れませんでした。

ところで、皆さんは芝刈りや芝生の雑草取りをどのようにされていますか?
芝刈りについて、私は初めは手動の芝刈り機を使っていました。その後、電動のバリカンで刈っていましたが、今年から電動草刈り機を使うようになりました。写真の機械です。


本来、除草に使う機械なので、芝の長さを揃えて切るにはかなりのコツが要ります。失敗するとトラ刈りになります。魅力はあっという間に刈り終えることができることです。その魅力は大きいです。狭い庭なので、1回の所要時間はせいぜい5分程度です。
この機械を使うようになってから、芝刈りが楽しくなり、夏場は3~4日に一度は刈っています。また、こまめに刈るので、ある程度の除草を兼ねることもできます。
但し、草刈り機では雑草の根は取れないので、根の深い草は手で抜いています。道具は長年こんなものを使っています。


明日から山に出かけます。今回は電波がつながらないと思いますので、ブログの更新は来週以降になります。
また、その間は、皆さまのブログも拝見できず、申し訳ありません。
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植物クロスワード(13)の解答

2021-07-12 05:30:07 | クロスワードパズル


■ タテのカギ
1 ヴィヴァルディの協奏曲『四季』の中でも、日本人に一番人気といえば。
2 ━━ユリ、━━麩(北陸の伝統的な焼麩)、━━寅次郎。写真は━━ユリ。
 

 車麩の写真を追加しました(2021/07/12)。
 

3 控え。
4 イクメンが得意なこと。
5 全国に47人いる政治家。
6 ピンから━━までの本来の意味は、始めから終わりまでということ。
9 日本特産のヒノキ科常緑高木。 木曽五木の1つ。別名はネズコ、ゴロウヒバなど。
10 菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)作の、平安時代の女流文学。
11 バラ科キジムシロ属の高山植物。日本では本州中部以北・北海道・千島列島の亜高山帯~高山帯の砂礫地、草地に生育する。
 

12 春に花を咲かせる野草。深い紫(菫色)の花を咲かせる。北海道から屋久島までの日本列島に広く見られる。
 

13 あつものに懲りて━━を吹く。
14 世界人口の9人に1人が━━に苦しんでいる。SDGsの目標のひとつが「━━をゼロに」すること。
15 サクラソウ科の高山植物。名前の由来は、花弁の先端にしばしば淡い紅色の縁があり、その色の入り方が鎧(よろい)の威色目の一つである褄取り(つまとり)に似ているため。
 

17 「凡」の読みのひとつ。
20 4つあるガリレオ衛星の中で、最も内側を公転する衛星。
21 同じ名前の園芸植物には、多様な種類がある。
 

23 コンピュータープログラム言語のひとつで、1996年にサン・マイクロシステムズにより開発され、現在はオラクルおよびその関連会社の登録商標である。
24 古くはアシとも呼ばれ、沼や湖のほとりや川の流れが緩やかな河原、河口付近の沿岸部などによく生えているイネ科の多年草。写真は早春の渡良瀬遊水地。
 

25 旧国名のひとつ。東山道に属し、大半が現在の岐阜県南部、一部が愛知県豊田市にあたる。

■ ヨコのカギ
1 キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。種小名の narcissiflora は、スイセン Narcissus のような花 という意味。
 

7 JTBパブリッシングが発刊する旅行ガイドブックのひとつ。世界で最も多くの号を発行している旅行ガイドシリーズとして、ギネス世界記録に認定されている。
8 阿弥陀━━、サッカー━━、午前━━。
9 果実はマロンケーキに使われる。
10 これ以上治療の方法がない時、医者が投げるもの。
11 もともと子供向けであったものが、大人の需要が増加し、一時品切れとなっていた麦芽飲料。
13 ブナ科コナラ亜科コナラ属コナラ亜属のうち、落葉性の広葉樹の総称。英語名はオーク。
14 アブラナ科アブラナ属の多年草。回鍋肉(ホイコーロー)に欠かせない野菜。
 

16 シオガマギク属の多年草の高山植物。小葉が細かく切れ込んでいることが特徴。花期は7~8月。
 

18 自分自身のいたらなさを認め、そこから努力するという謙虚な姿勢。
19 蚕の繭(まゆ)から取ったままで、手を加えていない糸。
22 多品種少量生産が特徴の、京都で生産される先染(さきぞめ)の紋織物の総称。
24 三密に秘密を加えた造語(諸説あります)。
26 元来の意味は矢を射る所。元禄期に社寺の境内、盛り場などに出現し、料金を取り、的や糸でつった景品を射させた。
27 キンポウゲ科キンバイソウ属の多年草。田中澄江が『新・花の百名山』で、笠ヶ岳を代表する高山植物として紹介している。
 (別名をシナノキンバイという。)
 

※今回はおまけのクイズはありません。
 植物クロスワードは、毎月10日に掲載しています。前回の問題はこちらをクリック。
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植物クロスワード(13)

2021-07-10 05:30:56 | クロスワードパズル
植物クロスワードも、お陰様で2年目に入りました。
今回は、これからの時季に高山で観られるお花を中心に、選んでみました。
解答は7月12日にアップします。どうぞお楽しみくださいませ。



■ タテのカギ
1 ヴィヴァルディの協奏曲『四季』の中でも、日本人に一番人気といえば。
2 ━━ユリ、━━麩(北陸の伝統的な焼麩)、━━寅次郎。写真は━━ユリ。
 

3 控え。
4 イクメンが得意なこと。
5 全国に47人いる政治家。
6 ピンから━━までの本来の意味は、始めから終わりまでということ。
9 日本特産のヒノキ科常緑高木。 木曽五木の1つ。別名はネズコ、ゴロウヒバなど。
10 菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)作の、平安時代の女流文学。
11 バラ科キジムシロ属の高山植物。日本では本州中部以北・北海道・千島列島の亜高山帯~高山帯の砂礫地、草地に生育する。
 

12 春に花を咲かせる野草。深い紫(菫色)の花を咲かせる。北海道から屋久島までの日本列島に広く見られる。
 

13 あつものに懲りて━━を吹く。
14 世界人口の9人に1人が━━に苦しんでいる。SDGsの目標のひとつが「━━をゼロに」すること。
15 サクラソウ科の高山植物。名前の由来は、花弁の先端にしばしば淡い紅色の縁があり、その色の入り方が鎧(よろい)の威色目の一つである褄取り(つまとり)に似ているため。
 

17 「凡」の読みのひとつ。
20 4つあるガリレオ衛星の中で、最も内側を公転する衛星。
21 同じ名前の園芸植物には、多様な種類がある。
 

23 コンピュータープログラム言語のひとつで、1996年にサン・マイクロシステムズにより開発され、現在はオラクルおよびその関連会社の登録商標である。
24 古くはアシとも呼ばれ、沼や湖のほとりや川の流れが緩やかな河原、河口付近の沿岸部などによく生えているイネ科の多年草。写真は早春の渡良瀬遊水地。
 

25 旧国名のひとつ。東山道に属し、大半が現在の岐阜県南部、一部が愛知県豊田市にあたる。

■ ヨコのカギ
1 キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。種小名の narcissiflora は、スイセン Narcissus のような花 という意味。
 

7 JTBパブリッシングが発刊する旅行ガイドブックのひとつ。世界で最も多くの号を発行している旅行ガイドシリーズとして、ギネス世界記録に認定されている。
8 阿弥陀━━、サッカー━━、午前━━。
9 果実はマロンケーキに使われる。
10 これ以上治療の方法がない時、医者が投げるもの。
11 もともと子供向けであったものが、大人の需要が増加し、一時品切れとなっていた麦芽飲料。
13 ブナ科コナラ亜科コナラ属コナラ亜属のうち、落葉性の広葉樹の総称。英語名はオーク。
14 アブラナ科アブラナ属の多年草。回鍋肉(ホイコーロー)に欠かせない野菜。
 

16 シオガマギク属の多年草の高山植物。小葉が細かく切れ込んでいることが特徴。花期は7~8月。
 

18 自分自身のいたらなさを認め、そこから努力するという謙虚な姿勢。
19 蚕の繭(まゆ)から取ったままで、手を加えていない糸。
22 多品種少量生産が特徴の、京都で生産される先染(さきぞめ)の紋織物の総称。
24 三密に秘密を加えた造語(諸説あります)。
26 元来の意味は矢を射る所。元禄期に社寺の境内、盛り場などに出現し、料金を取り、的や糸でつった景品を射させた。
27 キンポウゲ科キンバイソウ属の多年草。田中澄江が『新・花の百名山』で、笠ヶ岳を代表する高山植物として紹介している。
 
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白山高山植物園に行ってきました

2021-07-04 05:49:06 | みんなの花図鑑
白山の高山植物を集めた、白山高山植物園に行ってきました。
公式HPはこちらです⇒ https://garden.hakusanmab.org/ 入園料(協力金)は300円です。
毎年行われているオープンガーデンは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年に引き続き期間を短縮しての開催でした。


駐車場からお花畑まで10分ほど歩きます。ブナ林を通る道もあり、私はそこを通りました。ブナ林は自然林に近い状態ですが、樹々の名前を表示してあるので、勉強になります。

それでは、お花畑で観たお花を、撮影順でご覧いただきます。
植物の科・属名は「山渓ハンディグ図鑑 高山に咲く花」を参照し、説明は「白山高山植物園お花畑ガイド」によりました(明らかな誤りは直しました)。
また、「白山高山植物園お花畑ガイド」に記載がない植物は、説明を省きました。

■ シモツケソウ(バラ科シモツケソウ属)。
低山帯~亜高山帯の湿った草地に生える多年草。高さ30~100cm。花期は6月下旬~7月。シモツケと似ているが、シモツケは木。


■ オカトラノオ(サクラソウ科オカトラノオ属)。


■ ホタルブクロ(キキョウ科ホタルブクロ属)。
山地帯~亜高山帯の草地に生える多年草。高さ20~60cm。花期は6月~8月。花色は紅紫色から白色まで変異あり。




■ ニッコウキスゲ(ゼンテイカ、ワスレグサ科キスゲ属)。
低山帯~高山帯の草地や湿地に生える多年草。高さ60~80cm。花期は6~7月初旬。白山の標高2000~2400mの草地に多く見られる。


■ キリンソウ(ベンケイソウ科キリンソウ属)。
低地~低山の岩場や乾いた草地に生える。高さ10~50cm。花は黄色。花期は6~7月。


■ ヤマルリトラノオ(オオバコ科クワガタソウ属)。


■ タカネナデシコ(ナデシコ科ナデシコ属)。
高山帯の礫地や岩場に生える多年草。高さ15~40cm。花弁は細かく裂ける。花期は7~9月上旬。


□ お花畑




■ ハナチダケサシ(ユキノシタ科チダケサシ属)。
低山~亜高山の草地や林縁に生える多年草。高さ40~80cm。花期は6月~7月。新芽の頃はヤマブキショウマに似ていて見分けが難しい。


■ タカネマツムシソウ(スイカズラ科マツムシソウ属)。
高山帯の草地や礫地に生える2年草または1年草。高さ30~40cm。マツムシソウより頭花が大きく、萼片は長い。花期は7月。日本固有種。


■ ハクサンフウロ(フウロ科フウロソウ属)。
亜高山帯~高山帯の開けた草地に生える多年草。高さ30~80cm。花期は6~7月。漢字は白山風露。ゲンノショウコの仲間。日本固有種。


■ オオハナウド(セリ科ハナウド属)。


■ センジュガンピ(ナデシコ科マンテマ属)。
低山帯~亜高山帯の林道や林内に生える多年草。高さ40~100cm。花期は6~7月。石川県では白山山系のみ。日本固有種。絶滅危惧Ⅱ類。


■ カラマツソウ(キンポウゲ科カラマツソウ属)のつぼみ~咲き始め。
低山帯~高山帯の湿った草地に生える多年草。高さ20~120cm。花期は6~8月。名はカラマツの芽吹きに似ていることから。


■ ハクサンタイゲキ(トウダイグサ科トウダイグサ属)。
低山帯~高山帯の開けた草地に生える多年草。高さ40~50cm。秋には茎の上部の苞葉が黄色になる。花も黄色。花期は6~7月。


■ ノリウツギ(アジサイ科アジサイ属)。


■ ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)。
低山~亜高山の礫地や道ばたに生える雌雄異株の多年草。高さ30~70cm。花期は7~9月。和名は山に生える母子草の意。




■ アザミの仲間。


■ オオバギボウシ(キジカクシ科ギボウシ属)。
山地の草原や林縁に生える。高さは50~100cm。花期は6~8月で、白色または淡紫色の花を下向きにつける。


■ タテヤマウツボグサ(シソ科ウツボグサ属)。
亜高山帯~高山帯の草地に生える多年草。高さ20~40cm。花期は7~8月。名は花穂が靭(うつぼ)に似ていることから。


■ ヤマオダマキ(キンポウゲ科オダマキ属)。


■ ヤマキツネノボタン(キンポウゲ科キンポウゲ属)。


■ コナスビ(サクラソウ科オカトラノオ属)。


■ イブキジャコウソウ(シソ科イブキジャコウソウ属)。
低地~高山帯の岩場や乾いた草地に生える多年草。近寄るとハッカに似た匂いがする。花は紅色。花期は6~7月。絶滅危惧Ⅱ類。


■ ヨツバヒヨドリ(キク科ヒヨドリバナ属)のつぼみ。
低山~亜高山の開けた草地に群生する。高さ50~150cm。花期は7~8月。名はヒヨドリの鳴く夏に花が咲くから。


□ おまけです。
■ モリアオガエルの卵。


■ タカネマツムシソウで吸蜜するミツバチ?


写真を撮った植物はほぼ全部載せましたが、他にもたくさんの植物がありました。
また、ここでは5~6月に咲くハクサンコザクラなど、オープンガーデン期間中には見られない花もあります。
今日もご覧いただき、ありがとうございました。
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白山白川郷ホワイトロード、三方岩岳ハイキング

2021-07-03 08:15:45 | 山行・旅行
雨が続く関東を抜け出し、どこかへ出かけたい。降水確率の低いところを探した結果、ヒットしたのがこの山でした。
さて、雨は降ったのでしょうか?

白山白川郷ホワイトロードは、「古都金沢や白山・加賀温泉郷(石川県)と世界遺産白川郷や飛騨高山(岐阜県)を結ぶ白山国立公園内のドライブコース」です。
公式HP: https://hs-whiteroad.jp/
昨年は大規模な土砂崩れのため開通することができず、今年6月19日にようやく石川県側だけが通行できるようになりました。

白山白川郷ホワイトロードの石川県側の料金所(中宮ゲート)に、開門30分前の6時30分に着きました。
当然、誰もいませんでした。


先ほどまで降っていた小雨が上がり、空にはうっすらと虹が出ていました。


7時開門と同時に、先頭でスタートです。
この道は、白山の北側にある蛇谷渓谷の断崖絶壁に沿って走っていて、沿道には大きな滝がいくつもあります。
初めてのホワイトロードであり、たびたび車を停めて観瀑を楽しみました(駐車場が処々にあります)。

最初に現れたしりたかの滝です。


振り返って、走ってきた道です。石川県側には青空が広がってきました。


その後、かもしかの滝などを通過し、一番大きなふくべの大滝が現われました。


ふくべの大滝は、落差86mあり、沿道随一の名所と言われています。


途中ずいぶん寄り道して、この日の登山口がある栂の木台駐車場には7時47分に着きました。


さて、登山準備をして出発です。
三方岩岳には岐阜県側にある三方岩駐車場から登るのが一般的ですが、この日はあえて石川県側から登りました。
この日はストックを持たず、代わりにカメラを2台持って出かけました。
先ずは、ふくべ谷上園地展望台を目指します。


スタートからいきなりの急登です。


この辺りはブナが多いですが、風で雪が飛ばされ積雪が少なくなる尾根ではマツ、オオシラビソ、クロベが混じるようです。


歩き始めて18分でふくべ谷上園地展望台に着きました。展望台からの景色です。
遠くに、昨年歩いた加賀禅定道の尾根道が見えます。


ここからしばらく平らな道が続きます。そして、道沿いに花々が次々と現れます。
コバイケイソウ(シュロソウ科シュロソウ属)です。この花は数年おきに当たり年があり、不思議なことに多くの山でこの当たり年が重なります。






イワカガミ(イワウメ科イワカガミ属)です。イワカガミは頂上近くまで見られました。






マイヅルソウ(キジカクシ科マイヅルソウ属)が出てきました。この花はたくさん咲いていました。




ゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属)も一緒に咲いていました。この花もたくさん見られました。






ハクサンシャクナゲ(ツツジ科ツツジ属)が見られました。木は何本か見ましたが、花を見たのはこの1本だけでした。


ウラジロヨウラク(ツツジ科ヨウラクツツジ属)がたくさん咲いていました。




歩き始めて33分、三方岩岳が初めて見えました。かなりの急登のように見えます。


歩き始めて39分で、三方岩駐車場からの道と合流しました。
帰りは初めの急坂を避けるため、三方岩駐車場に下りることに決めました(ホワイトロードが自動車道だということを失念していました)。


岐阜県側の山並みも見えてきました。お天気は大丈夫そうです。


ハナニガナ(キク科ニガナ属)でしょうか?


こちらは下山後ホワイトロード端で撮ったもの。同じ花だと思いますが、舌状花は11~12枚あります。


タカネナナカマド(バラ科ナナカマド属)のようです。






タニウツギ(スイカズラ科タニウツギ属)がこんなところで見られるとは、意外でした。
足元が崖で、これ以上寄れませんでした。


こちらは下山後にホワイトロード端で撮ったものです。


ツマトリソウ(サクラソウ科ツマトリソウ属)がぼちぼち出てきました。この花は山頂近くでも咲いていました。
一緒に咲いているのは、アカモノ、そしてマイヅルソウの葉も写っています。






大好きなアカモノ(ツツジ科シラタマノキ属)です。








この花は咲き始めたばかりのオオバギボウシ(リュウゼツラン亜科ギボウシ属)だと思いますが、自信がありません。




帰路に、分岐から三方岩駐車場の間でも見ました。




コバイケイソウの群落。


コバイケイソウと、まだつぼみのウラジロヨウラク。


藪の中に、ゼンテイカ(ニッコウキスゲ、ワスレグサ科キスゲ属)が1輪だけ咲いていました。


いつの間にか樹林帯を抜け、高山帯に入りました。
ハイマツに花が咲いていました。






さあ、もうすぐ山頂です。上空には晴れ間が見えます。


着きました。山頂です。もちろん誰もいません。
歩き始めて1時間7分かかりました。


遠くに見えるのは、日本海でしょうか?


真下には霧の中にホワイトロードが見えます。


ベンチで朝食を摂ろうと思いましたが、霧が出て来て風も吹き始めましたので、下山することにしました。
2分後には、周囲の景色がまったく見えなくなりました。一眼レフをザックに仕舞いました。


帰路は分岐まで引き返し、そこから三方岩駐車場に下りました。
歩きやすい道で、ぬかるみができやすいところには木道も用意されています。


日陰に雪が残っていました。


三方岩駐車場は岐阜県側になります。これより先は通行止めです。駐車場には1台も車がありませんでした。


三方岩隧道を抜けて石川県側に抜けます。全長390mのトンネルです。


お腹が空いてきたので、あんぱんを食べながら歩くことにしました。


歩き始めてしばらくして、ここが自動車道だと気づきました。急に緊張しました。
石川県です。


トンネルを抜けると、新たなお花を見ました。エニシダ(マメ科エニシダ属)のようです。
たしかこの花はヨーロッパ原産のはずです。まさか標高1400m以上の白山国立公園特別地域内で外来種に出会うとは、意外な旅でした。


結局雨には当たらず、人にも会わず、のんびりした山行になりました。
この後は寝不足の疲れを癒し、温泉を楽しむことにしましょう。
ご覧いただき、ありがとうございました。
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