shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

尾瀬、晩夏 - その①(歩いたコース、風景写真)

2022-08-30 21:18:12 | 山行・旅行
8月29、30日に、尾瀬沼と尾瀬ヶ原を歩いてきました。今年尾瀬に出掛けたのは3回目です。そして、尾瀬沼を歩いたのは1年ぶりでした。
最初に歩いたコースをご覧いただきます。


今回は尾瀬沼~尾瀬ヶ原を周遊するため、車を戸倉に停めてバスで大清水へ行きました、また、大清水から一ノ瀬までは、初めてシャトルバス(低公害バス)に乗りました。
 

尾瀬沼と尾瀬ヶ原の東部を大きな地図でご覧いただきます。
尾瀬沼に向かう途中の、三平峠で軽食を食べました。沼尻では昼食を摂りました。泊まったところは尾瀬ヶ原の見晴キャンプ場です。




歩いた距離は、初日が11.3km、2日目が11.6kmでした(この他にザックを置いて写真を撮りに歩きました)。

今回は晩夏に尾瀬で咲いている、サワギキョウやイワショウブを見ることを第一の目的にして、また、一ヶ月山へ行っていないのでリハビリを兼ねてのハイキングでした。
先ずは尾瀬沼と尾瀬ヶ原の風景をご覧くださいませ。
初日(29日)はよく晴れました。この日は一ノ瀬から歩き始めましたが、風景を撮り始めたのは尾瀬沼に着いてからです。
午前中は、燧ヶ岳(ひうちがたけ、標高2356m)がきれいに見えていました。




尾瀬沼の湖畔に建っている長蔵小屋です。ここで水を補給しました。その後尾瀬沼ビジターセンターへ寄って、今咲いているお花を確認しました。
咲いていたお花の写真は、次回以降にご覧いただこうと思います。
 

昨年は時計回りに尾瀬沼を半周したので、今年は反時計回りに歩きました。
大江湿原です。






浅湖湿原(あざみしつげん)です。


浅湖湿原からは燧ヶ岳が大きく見えました。


沼の北側の風景です。




正面に見える遠くのピラミッド型の山は、四郎岳(標高2156m)だと推測します。今年登った尾瀬の笠ヶ岳より100mも高い山です。


木道の脇に大きな樹が聳えていました。コメツガ(マツ科ツガ属の常緑針葉樹)のようでした。こんなに大きなコメツガは初めて見ました。




沼の北側の風景です。






ここからは尾瀬ヶ原の見晴近くの風景です。29日の夕刻に撮りました。


燧ヶ岳に雲がかかり始めました。この日は夜半に雨になりました。尾瀬では日中晴れていても夜に雨が降ることは珍しくありません。


左はテント場の受付と、サッポロ生ビールを購入するために寄った燧小屋です。ビールはよく冷えていて美味しかったです。
右はテント場の様子です。14時10分にテント場に着き、生ビールを飲んでからテントを張りました。私のテントは左から2つめの青いダンロップテントです。
 

最後は2日目に渡った、尾瀬ヶ原の2つの橋です。左が只見川に架かる東電尾瀬橋、右がヨッピ川に架かるヨッピ橋です。
 

明日は、尾瀬、晩夏 - その②(青色の花は秋の花)をご覧いただきたいと思います。
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久しぶりに近所を散策も、暑くてすぐに帰る

2022-08-27 06:14:41 | みんなの花図鑑
昨夜は激しい雷雨でした。今は雨が上がり、雲間から陽が射してきています。
暑かった夏もそろそろ終わりです。昨日は久しぶりに近所を散歩してみました。

写真は主に花壇に咲いていたお花です。夏の暑さに強いお花が多いように思います。
珍しいお花はありません。撮った順に並べています。さざんかさん、fukurouさんのご要望にお応えして、お花の名前を後に書いています。


→コヒルガオ(ヒルガオ科ヒルガオ属)




→ジュズサンゴ(ヤマゴボウ科リヴィナ属の多年草)


→バーベナ(クマツヅラ科クマツヅラ属)


→アプテニア(ベビーサンローズ、ハマミズナ科アプテニア属)


→ポーチュラカ(スベリヒユ科スベリヒユ属)


→ネメシア(ゴマノハグサ科ネメシア属)


→ニワナズナ(アブラナ科ニワナズナ属)




→ニチニチソウ(キョウチクトウ科ニチニチソウ属)






→センニチコウ(ヒユ科センニチコウ属)



→ガザニア(キク科ガザニア属)


→ノゲシ(キク科ノゲシ属)


→サルビア・ガラニティカ(メドセージ、シソ科アキギリ属)




→ガウラ(ハクチョウソウ、アカバナ科ガウラ属)


→ユーパトリウム・セレスチナム(青色フジバカマ、キク科コノクリニウム属)




→キバナコスモス(キク科コスモス属)




→ミソハギ(ミソハギ科ミソハギ属)




→このお花は、画像検索で、ヒマワリモドキ属(ヘリオプシス)となりました。


→オジギソウ(マメ科ネムノキ亜科オジギソウ属)
南アメリカ原産で、世界中に帰化している。日本では沖縄で帰化植物として野外で繁殖しており、江戸時代後期にオランダ船によって日本へ持ち込まれたといわれている。
茎は木質化し、基部はやや横に這い、先端は斜めに立ち上がる。茎には多くの逆棘があり、節ごとに葉を出す。葉は偶数二回羽状複葉であるが、羽状に小羽片を並べた小葉が四枚、葉柄の先端にやや集まってつく特徴がある。
本来は多年草であるが、耐寒性が低いため日本の園芸では一年草扱いにすることが多い。5月頃に種子を蒔くと、7~10月頃にピンクの花が開花する。背丈は高くならないが、棘が多いのでやっかいである。

オジギソウは我が家で撮りました。それ以外は近所の散歩道で撮りました。
夜は涼しいですが、日中下界を歩くのはまだ暑いので、2~3日少し涼しい所へ行ってきます。

2022/08/26
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今年もヘチマを植えました

2022-08-19 05:36:57 | みんなの花図鑑
夏の強い日差しを避けるため、今年もヘチマ(ウリ科ヘチマ属)を植えました。既にいくつか実が生りました。
 

咲いている花のほとんどが雄花です。雌花が画面の下の方に見えます。


こちらが雄花で、雄しべは5本あります。花粉を運んでくれるのは主にこのハチです。これってミツバチですか?






こちらは雌花です。受粉すると子房が膨らんですぐに大きくなります。






花にはこんな虫もやってきます。害虫かもしれません。




ヘチマの実は乾燥させて炊事用のスポンジ代わりに使います。マイクロプラスチックを削減するため、昨年から使っています。
おまけの写真はオクラです。今年はプランターで育てたので、成長が遅かったです。ようやく一昨日から収穫が始まりました。


2022/08/05 2022/08/17

明日からしばらくブログの掲載をお休みします。日曜日から山に出かけます。
白山花紀行を編集中です。
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弟と一緒に鞍掛山ハイキング

2022-08-18 05:17:09 | 山行・旅行
7月29日、帰省中に弟の案内で鞍掛山(くらかけやま、標高478m)を歩いてきた。
この時期に低山を歩くことは稀である。登山口は実家から車で15分ほどのところにあり、朝食前の散歩(弟は朝活と呼んでいる)のつもりで出かけた。


中ノ谷登山道から登る。沢沿いの道でブヨが多く、休まず速いペースで登ったのでけっこう疲れた。
 

 

尾根に出てからはペースを落としたが、急登続きで厳しいコースだった。
ある程度登ると日本海が見えた。


 

 

50分で登頂。山頂から白山が見えた。


下山ルートは後山を経由して送電線コースを歩く。概ね緩やかで下山ルートにふさわしい道だった。
トータル歩行距離、3.8km。上り・下りとも466m。歩行時間は2時間6分だった。
帰宅してシャワーを浴び、美味しい朝食をいただいた。
案内してくれた弟に感謝である。
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タカサゴユリとシンテッポウユリ

2022-08-17 05:30:22 | みんなの花図鑑
7月下旬から8月中旬にかけて、我が家の庭に咲く真っ白なユリ。
これまでshuの花日記ではタカサゴユリとして紹介してきました。
2年前の日記で、「侵入生物をきれいに撮る」のカテゴリーで紹介しています。

その記事でも書きましたが、タカサゴユリはテッポウユリとの交雑種が多く、園芸用に交雑、育種されたものにシンテッポウユリがあります。
今年、我が家に見た目が違う2種類のユリが咲きましたので、これを機にタカサゴユリとシンテッポウユリの違いについてまとめたいと思います。

■タカサゴユリ
・葉は細長い。幅は4~13mm。
・花の基部と花筒には紅色の筋が浮かぶ。香りがある。

■シンテッポウユリ
・葉は上記と同様。幅は2~7mm。
・花は純白が基本。香りが弱い。

■タカサゴユリとシンテッポウユリの雑種
・両者のいずれかの性質、または中間の性質を示す。

さて、それでは我が家に咲いた花をご覧くださいませ。これらは上記のどれに該当すると考えるべきでしょうか?
① ・高さ 45cm。 ・葉の幅 8mm。
花筒に紅色の筋がはっきりと出ています。これはタカサゴユリと言ってよさそうです。
しかし、この株は今年初めて花をつけました。翌年どのような性質を示すか興味深いです。
ちょっと邪魔なところに生えていますが、来年まで残して確かめようと思います。






② ・高さ 93cm。 ・葉の幅 13mm。
花筒は純白に見えます。でも葉の幅が広く、シンテッポウユリとも言えません。タカサゴユリとシンテッポウユリの雑種と考えた方がよさそうです。


③ ・高さ 94cm。 ・葉の幅 13mm。
つぼみを見ると赤い筋が見えます。②以上にタカサゴユリの特徴が出ている雑種のようです。




おまけの写真です。いずれも我が家の庭に咲いています。
・キキョウ(6月から咲き続けています)。


・アサガオ(毎年落ちた種が発芽して花を咲かせます)。


・ブッソウゲ(今年は外に出しました)。


2022/08/07 2022/08/15

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あるツバメの子育て~巣立ち

2022-08-16 06:22:00 | 
6月にこのブログでツバメが巣を作り始めたこと、そして抱卵したことを書きました。場所は群馬県にある、娘の家のベランダです。

そのツバメは二度にわたりカラスに巣を壊され、卵も奪われました。
しかし、そのスズメは3度目のチャレンジをしました。娘も応援してカラス除けのネットを張りました。
そして今月初め、無事に4羽の雛が巣立ちました。

子育て中の画像です。
雛は4羽いますが、顔を出す雛の数はたいてい3羽です。末っ子は競争に負けてなかなか顔を出せないようです。
この時は親は緑色の成虫と、白黒のまだらの幼虫を運んできて、真ん中の雛に与えました。




次は黒い獲物を捕まえてきて、左の雛に与えました。






今度は運んできた餌は見えませんでしたが、左の雛に与えたようです。




次は動画です。娘がスマホで撮影して送ってくれました。
はじめは2羽が巣立って飛行練習を始めたときのものです。残りの2羽は巣の中に残っています。
次はそれから2日後で、残りの2羽も無事に巣立ち、飛行練習を始めたときのものです。2つの動画をつなぎました。
巣立った雛たちはベランダを拠点に飛行練習を繰り返しています。


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石徹白の大杉

2022-08-15 05:35:52 | 山行・旅行
白山でブナの大木やトチノキの巨木、さらにカツラの巨樹を見て、石徹白の大杉を見たくなった。
石徹白の大杉は、推定樹齢1800年、樹高25m、幹回り13.4mの巨樹で、国の特別天然記念物に指定されている。
場所は岐阜県郡上市にある白山中居神社から林道を6km入った、白山石徹白道(美濃禅定道、南縦走路)の登山口からすぐのところにある。
登山口までは舗装した道を車で行くことができる。

登山口からすぐに石段となる。
 

石段は途中傾斜を増し、420段続く。
 

大きなスギの樹が現れた。でもこれが大杉ではない。


大杉がその木の奥に見えてきた。






確かに大きい。でも以前見たときよりも老いてきたように見えた。
石徹白にはもう1本スギの巨樹がある。白山中居神社内にある浄安杉だ。こちらはまだ元気そうに見える。

道中、石徹白ダムで越流が見られた。




近くにヤブカンゾウ(ススキノキ科キスゲ亜科ワスレグサ属)が咲いていた。



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白山テント泊お花見ハイキング その⑪ チブリ尾根(最終回)

2022-08-14 05:34:55 | 山行・旅行
その⑩でご覧いただいたように、2日目にチブリ尾根避難小屋まで下った。そのため、3日目は避難小屋から市ノ瀬までの6.7kmを下るのみだった。

■3日目(7月25日、曇り) コースタイム2時間40分。
チブリ尾根避難小屋→(別山・市ノ瀬道)→市ノ瀬
地図は、ようやく10m間隔の等高線が入った国土地理院の地図1枚で、その日歩いた範囲をカバーできるようになった。


朝目覚めると5時20分だった。日の出前に市ノ瀬を出発する人は、6時頃にここへ着くだろう。急いで朝食を準備し、シュラフやマットを片付けた。
ザックのパッキングを終え、掃除をして小屋を出たのは6時7分だった。

小屋の周りには、オンタデ、ヨツバヒヨドリ、ヤマハハコ、アザミが咲いていた。写真は代表してオンタデ(タデ科オンタデ属)を撮った。
 

タカネアオヤギソウ(シュロソウ科シュロソウ属)が咲いていた。


ノギラン(キンコウカ科ノギラン属)も見かけた。


日当たりの良いところで、ハクサンシャジン(キキョウ科ツリガネニンジン属)も咲いていた。


シモツケソウ(バラ科シモツケソウ属)も咲いていた。


6時30分に下から登ってきた人とすれ違った。日帰り装備だったので、別山から南竜を回って砂防新道で下りるのかもしれない。
健脚なら御前峰まで行くこともできる。私には到底真似できない計画だ。

この日はササユリ(ユリ科ユリ属)をいくつか見たが、ほとんどの花は終わっていた。


こちらはノアザミ(キク科アザミ属)だろうか。


マルバダケブキ(キク科メタカラコウ属)も見られた。


ヨツバヒヨドリ(キク科ヒヨドリバナ属)は数多く見られた。


そして、この尾根で一番目立ったのが、オオバギボウシ(キジカクシ科ギボウシ属)だった。
標高が1800m付近から登山口に近い900m付近まで、たくさん咲いていた。




木本では標高が高いところでノリウツギが、低いところではエゾアジサイがきれいだった。
ノリウツギ(アジサイ科アジサイ属)だ。




エゾアジサイ(アジサイ科アジサイ属)は、標高が1400mから1000m辺りで多かったように思う。




大きな樹木にも触れておこう。
標高が高いところでは、アオモリトドマツなどの針葉樹と、ダケカンバが見られた。


そして、標高が1500m付近から下ではブナが多くみられた。チブリ尾根一帯は白山の中でもブナが多いところだ。
ブナは成長すると幹回りが2m、樹高は20mを越える。チブリ尾根では登山道の側だけでもそんな樹がたくさん見られた。








ちなみにブナの大木が台風などで倒れると、森の中に光が差し込み次の若木が育ち始め、森は循環する。
 

標高を下げると、トチノキとカツラの大木が目立った。幹周りが3メートル以上に達したものを一般に巨木、5メートルを超えるものを巨樹と呼ぶらしい。
そうすると、こちらはトチノキ(ムクロジ科トチノキ属)の巨木。




そして、こちらはカツラ(カツラ科カツラ属)の巨樹だ。子持ちカツラの名前が付いていて、幹回りは15.6mあるそうだ。




ゾウさんの樹と登山道を横切る清流。
 

チブリ尾根で見た鳥にも触れておきたい。オオルリを2羽目撃した。
こちらは登山道脇で鳴いていた、きれいな声の鳥。ミソサザイに似ているように思った。残念ながら姿は見つけられなかった。


最後に再び花に戻ることにしよう。登山口近くで咲いていたヌスビトハギ(マメ科ヌスビトハギ属)だ。
名前は、果実が泥棒の足跡に似ると言う。牧野富太郎によると、古来の泥棒は足音を立てないように、足裏の外側だけを地面に着けて歩いたとのことで、その時の足跡に似ているとのことである。けったいな名前を付けられたものだ。


ともあれ、9時40分に無事に市ノ瀬(猿壁登山口)に下山した。
白山テント泊お花見ハイキング(完)
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白山テント泊お花見ハイキング その⑩ 別山への道

2022-08-13 05:05:40 | 山行・旅行
2日目は早朝に南竜を出発し、御前峰へ登頂した後、お花松原を目指す計画だった。
ところが、ヒルバオ雪渓の雪の多さと、その先のお花松原付近にも雪が残っているようなので、引き返すことにした(その⑨参照)。
もともと3日目の計画に多少の不安があった。早朝南竜を出発し、別山を経由し市ノ瀬まで下る計画だが、夜露に濡れたテントは重さを増すし、暑さに備えて水も多く持たなければならない。天候や疲労の状況次第で、砂防新道を下ることも視野に入れていた。

お花松原に行かずに、ここで引き返すと南竜に10時半に戻れる。遅くとも午前中に南竜を出発すれば、ゆっくり歩いても5時までにはチブリ尾根避難小屋に着く。そうすれば3日目が楽だ。決断は早かった。
そう決まると、お腹が空いてきた。剣ヶ峰と御前峰を正面に観ながら、朝用意してきた山菜五目ご飯に塩昆布を加え、熱いお茶を掛けて食事とした。まだ8時10分だった。


結局、2日目の行程は次のようになった。
■2日目(7月24日、快晴のち曇り) コースタイム9時間35分。
南竜ヶ馬場野営場→(南竜道)→エコーライン分岐→(エコーライン)→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→白山室堂→御前峰→お池めぐり分岐→大汝峰下の分岐→(中宮道、途中まで)→大汝峰下の分岐→お池めぐり分岐→白山室堂→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→(エコーライン)→エコーライン分岐→(南竜道)→南竜ヶ馬場野営場→(油坂)→油坂の頭→(石徹白道)→御舎利山分岐→別山→御舎利山分岐→チブリ尾根避難小屋(泊)
(赤字部分が今日ご覧いただく範囲。)

地図はハイキングマップ(白山ベストガイドから引用)と、YAMAPの歩跡(2日目途中から3日目終了まで)を載せてご覧いただきたい。
 

それでは南竜へ戻るまでに撮った写真から、抜粋して様子をご覧いただこう。
先ずはオンタデ(タデ科オンタデ属)の雄株と雌株。オンタデは風衝地、砂礫地、岩礫地、火山の荒地などの他の生物が生育しにくい場所に真っ先に生育し始めるパイオニア植物だ。
 

チングルマ(バラ科ダイコンソウ属)の群落。


ミヤマキンバイ(バラ科キジムシロ属)の群落。


左はヒルバオ雪渓の上部と大汝峰。右は御前峰の巻き道から室堂を見下ろす。見えている雪渓は水屋尻雪渓。
 

左の鳥はイワヒバリのように見えた。イワヒバリはあまり人を恐れない。右はハナニガナ(サクラソウ科サクラソウ属)で、舌状花が11枚あった。いずれもエコーラインで撮影した。
 

エコーラインを歩くと、南竜(写真の左の端)から別山までを一望できた。南竜から別山までのコースタイムは2時間半だ。


9時52分、南竜に到着。ハクサンコザクラ(サクラソウ科サクラソウ属)の群生が迎えてくれた。


軽く腹ごしらえを済ませ、テントを撤収する。テントはよく乾いていたので撤収が楽だった。
周囲のキャンパーも撤収作業をしていた。この時間からテントを持って別山へ向かうのは、私だけだろうと思った。


10時52分、南竜ヶ馬場野営場を出発。南竜庭園を経由して別山へ向かう。
左の写真は、南龍山荘からの道と野営場からの道との合流点だ(地図参照)。正面左がエコーライン、右の谷がトンビ岩コースになる。
右の写真は、南竜庭園の様子だが、期待したほどお花が見られなかった。
  

イワイチョウ(ミツガシワ科イワイチョウ属)が僅かに咲いていた。周辺のチングルマはお花が終わっていた。


南竜庭園を過ぎると、一旦赤沢を越えるため高度を下げる。そして赤沢から油坂の頭まで、一気に240mを登るこの日いちばんの急登だ。5年前に登ったときも辛かったのを思い出した。
そうはいってもエコーラインと比べてみると標高差に大差はない。ゆっくり登ることにしよう。
 

 

マルバダケブキ(キク科メタカラコウ属)が現れた。夏から初秋に掛けて石徹白道で多く見られる花だ。


カラマツソウ(キンポウゲ科カラマツソウ属)。白山にはミヤマカラマツ、カラマツソウ、モミジカラマツのいずれも見られる。
ちなみに、ミヤマカラマツはカラマツソウより標高が低いところで見られる。


石ゴロゴロの急登が続く。
 

登山者とすれ違う都度、振り返って御前峰を撮影した。






12時7分、ようやく油坂の頭(標高2256m)に到着した。ここからは石川・岐阜の県境を歩く。この尾根の南に降った雨は岐阜県側に流れ、庄川を経て富山湾に注ぐ。
 

南側の斜面にはお花畑が広がっている。ゼンテイカ、イブキトラノオ、ハクサンフウロ、シモツケソウが確認できた。




登山道のすぐ脇にも咲いている。天空の散歩道だ。
 

ハクサンチドリ(ラン科ハクサンチドリ属)が現れた。


こちらではアカモノ(ツツジ科シラタマノキ属)がまだ咲いていた。名前は赤い実から「アカモモ(赤桃)」と呼ばれ、これが訛って付けられたといわれる。
一方、別称のイワハゼ(岩黄櫨)の名の由来は、実が蝋を取るハゼの実に似ていることによる。


天池が近づいてきた。正面に見える山は標高2276mのピークだ。このピークも越えていく。
 

ピークを登り切ったところで開けたところがあり、ザックを下ろしてコーヒーを淹れて飲んだ。なんとも気持ちが良かった。
お花はエゾシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属)。


タテヤマウツボグサ(シソ科ウツボグサ属)が現れた。観光新道でも見ていたが、花数はこちらの方が多かった。


カライトソウ(バラ科ワレモコウ属)。学名のSanguisorba hakusanensisは、白山に由来している。


クルマユリ(ユリ科ユリ属)。


三方崩山には、30年以上前に積雪期に登ったことがある。雪上にテントを張って泊まったが、夜間岩が崩れ落ちる音が鳴り止まず、怖かったのを覚えている。


振り返って御前峰。


シモツケソウ(バラ科シモツケソウ属)。


再び、御前峰。


登山道の左右に池現れ現れ、付近にミツバオウレン、ハクサンイチゲなどが群生していた。
 

ミツバオウレン(キンポウゲ科オウレン属)。白山にはミツバノバイカオウレンの方が多く見られ、ミツバオウレンは少ない。
両者は花茎の色を見ると容易に区別できる(ミツバオウレンは緑色、ミツバノバイカオウレンは赤銅色)。


ハクサンイチゲ(キンポウゲ科イチリンソウ属)。今回の白山行では、ここへ来て初めてハクサンイチゲが見られた。
 

ミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科キンポウゲ属)。


ハクサンコザクラ(サクラソウ科サクラソウ属)。


キバナノコマノツメ(スミレ科スミレ属)。


ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)とヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)。


御舎利山の山頂が近づいてきた。斜面にゼンテイカ(ススキノキ科キスゲ亜科ワスレグサ属)が咲き乱れていた。
 

エゾシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属)。


ハクサンイチゲ(キンポウゲ科イチリンソウ属)がきれいだ。


ミツバノバイカオウレン(キンポウゲ科オウレン属)。


御舎利山の分岐に着いた。ザックを置いて別山まで往復する。
途中、ハクサンシャクナゲ(ツツジ科ツツジ属)が咲いていた。


14時19分、別山に到着。南竜からここまで、コースタイム2時間半のところを3時間27分掛けて歩き、天空の楽園を満喫した。
別山の社に参拝し山頂に立った。山頂には15分ほど佇んだ。
 

展望はいまいちだったが、御前峰の方角はよく見えていた。御前峰(標高2702m)、大汝峰(同2684m)、七倉山(同2657m)、四塚山(同2519m)が並んで見える。同じ日に御前峰と別山に登ったのは初めてだった。どうせなら大汝峰にも登れば良かったと思った。
※御前峰、大汝峰、別山を白山三山という。


14時46分、御舎利山の分岐まで戻ってザックを担いだ。後はチブリ尾根避難小屋まで2.2kmを下るのみだ。
 

真下に避難小屋が見えていた。近そうに見えてもなかなか着かなかった。16時9分に避難小屋に到着した。
 
※避難小屋の写真は翌朝に撮影したもの。

避難小屋には誰もいなかった。窓を開け、床を掃除し、寝床を用意した。この日の夕食はカレーライスとキュウリの漬物にした。
食後にコーヒーを飲みながら菓子を食べた。
17時頃に2人の若者が入ってきた。これからチブリ尾根を下るという。若くて元気があるのが羨ましかった。

白山テント泊お花見ハイキング その⑪ チブリ尾根(最終回) に続く。

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植物クロスワード(26)『私の名前は何ですか?』

2022-08-12 05:30:00 | クロスワードパズル


皆さま 採点の結果はいかがだったでしょうか。
次回の植物クロスワードは9月10日、今回と同じく『私の名前は何ですか?』のpartⅡを予定しています。
また、前回のクロスワードは、こちらからご覧いただけます。

■ タテのカギ
1 キンポウゲ科。白山の観光新道で撮影。
 
2 ――費用、――処置、――んばんヘルニア。
3 日本に43ある広域自治体。
4 片目をまばたいて合図を送ること。
5 ――送検、証拠――、極秘――。
6 雌の馬。ひんばではない。
9 7~9月に出現し、林や森で早朝や夕方にカナカナと鳴くセミ。
11 スイカ、メロン、カボチャは――科。
14 ミツガシワ科。尾瀬笠ヶ岳で撮影。
 
17 大型の猛禽類で、国の天然記念物。白山に棲息する。石川県の県鳥に選ばれている。
18 ユリ科。白山の室堂付近で撮影。
 
20 写真の植物(アカモノ)の別称。
 
22 ――の神器とは、八咫鏡(やたのかがみ)・天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ、草薙剣)・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)の総称。
26 どぶろくの別称の一つ。

■ヨコのカギ
1 バラ科。白山の観光新道で撮影。
 
5 飲んだ後欲しくなるのが――のラーメン。
7 陽の対義語。
8 全く考えていなかったこと。また、そのさま。
10 第一次産業によって収入を得る職業。
12 バラ科。白山のエコーラインで撮影。
 
13 微細な水滴が大気中に浮遊する現象で、気象観測では水平視程1km未満の場合をいう。
15 大声で叫ぶこと。シャウト・アンド・――は、ジェラルド・クレイトンが作曲したジャズの楽曲。
16 アメリカ合衆国の中で最後に加盟した州。
19 ――返し、――酌人、――メタル。
21 店舗・工場などを、設備・家具・調度などをつけたまま売り渡したり貸したりすること。
22 ――知恵、――回し、――飛佐助。
23 イワウメ科。谷川岳で撮影。
 
24 ラーメンのトッピングにチャーシューと共によく使われる具材。
25 ――松陰、――茂、――拓郎。
27 生物の分類は界・門・綱・目・科・属・――。
28 サクライソウ科。小至仏山で撮影。
 
29 ユリ科。白山室堂付近で撮影。正確にはミヤマ――。
 
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植物クロスワード(26)『私の名前は何ですか?』

2022-08-10 05:30:00 | クロスワードパズル
今年の夏山シーズン、shuは那須連山、谷川岳、高妻山、小至仏山・尾瀬笠ヶ岳、飯豊山、白山へ出かけ、多くの高山植物を見てきました。
読者の皆様には、毎回お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。
そこで、今回のクロスワードでは、高山植物の名前をカギに、クロスを埋めていきます。
回答は8月12日にアップします。それではどうぞお楽しみくださいませ。

■ タテのカギ
1 キンポウゲ科。白山の観光新道で撮影。
 
2 ――費用、――処置、――んばんヘルニア。
3 日本に43ある広域自治体。
4 片目をまばたいて合図を送ること。
5 ――送検、証拠――、極秘――。
6 雌の馬。ひんばではない。
9 7~9月に出現し、林や森で早朝や夕方にカナカナと鳴くセミ。
11 スイカ、メロン、カボチャは――科。
14 ミツガシワ科。尾瀬笠ヶ岳で撮影。
 
17 大型の猛禽類で、国の天然記念物。白山に棲息する。石川県の県鳥に選ばれている。
18 ユリ科。白山の室堂付近で撮影。
 
20 写真の植物(アカモノ)の別称。
 
22 ――の神器とは、八咫鏡(やたのかがみ)・天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ、草薙剣)・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)の総称。
26 どぶろくの別称の一つ。

■ヨコのカギ
1 バラ科。白山の観光新道で撮影。
 
5 飲んだ後欲しくなるのが――のラーメン。
7 陽の対義語。
8 全く考えていなかったこと。また、そのさま。
10 第一次産業によって収入を得る職業。
12 バラ科。白山のエコーラインで撮影。
 
13 微細な水滴が大気中に浮遊する現象で、気象観測では水平視程1km未満の場合をいう。
15 大声で叫ぶこと。シャウト・アンド・――は、ジェラルド・クレイトンが作曲したジャズの楽曲。
16 アメリカ合衆国の中で最後に加盟した州。
19 ――返し、――酌人、――メタル。
21 店舗・工場などを、設備・家具・調度などをつけたまま売り渡したり貸したりすること。
22 ――知恵、――回し、――飛佐助。
23 イワウメ科。谷川岳で撮影。
 
24 ラーメンのトッピングにチャーシューと共によく使われる具材。
25 ――松陰、――茂、――拓郎。
27 生物の分類は界・門・綱・目・科・属・――。
28 サクライソウ科。小至仏山で撮影。
 
29 ユリ科。白山室堂付近で撮影。正確にはミヤマ――。
 



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白山テント泊お花見ハイキング その⑨ 御前峰登頂(後編)

2022-08-09 05:25:44 | 山行・旅行
その⑧では、室堂まで登ってきた。
5時55分に鳥居をくぐり白山比咩神社の祈祷殿に参拝する。御前峰山頂までのコースタイムは40分だ。


今一度、2日目の行程を見ておこう。計画では南竜からお花松原を往復し、再び南竜に泊まるつもりでいた。ところが実際は下記のようになった。
理由は後ほど説明する。
■2日目(7月24日、快晴のち曇り) コースタイム9時間35分。
南竜ヶ馬場野営場→(南竜道)→エコーライン分岐→(エコーライン)→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→白山室堂→御前峰→お池めぐり分岐→大汝峰下の分岐→(中宮道、途中まで)→大汝峰下の分岐→お池めぐり分岐→白山室堂→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→(エコーライン)→エコーライン分岐→(南竜道)→南竜ヶ馬場野営場→(油坂)→油坂の頭→(石徹白道)→御舎利山分岐→別山→御舎利山分岐→チブリ尾根避難小屋(泊)
(赤字部分が今日ご覧いただく範囲。)

地図はハイキングマップ(白山ベストガイドから引用)と、YAMAPの歩跡(2日目途中から3日目終了まで)を併せてご覧いただきたい。
 

さて、御前峰山頂に至る道もよく整備されている。道の両脇にはたくさんのお花が咲いていた。後述するがこれには人手が関わってきている。
ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)。


ミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科キンポウゲ属)。


ミヤマクロユリ(ユリ科バイモ属)。先にクロユリと書いたが、山渓ハンディ図鑑8を見るとミヤマクロユリに該当するので、それに従うことにする。




60~70年ほど前の写真を見ると、室堂周辺にテントが多数張られていた。また聞いた話では、燃料としてハイマツが伐採されていたようだ。
私が初めて白山に登ったのは半世紀あまり前だが、室堂周辺でミヤマクロユリの群落を見た記憶はない。
室堂周辺では1973年より植生の復元事業が行われてきた。先ず登山道が整備され、登山道以外への立ち入りが禁止された。裸地にワラやムシロが敷かれ、植物の種が播かれた。
播種された植物種として、ヒロハノコメススキ、コバイケイソウ、オンタデ、ハクサンボウフウが使われたようだ。
次に、植物の移植も行われた。この移植工にはヒロハノコメススキが使われたようだが、コメススキ、ショウジョウスゲなど他種の草本が混入したとのことである。
近年、室堂周辺のハイマツも復活し、また播種や移植された植物以外の、ミヤマクロユリやハクサンコザクラの数が増えているのを見ると嬉しいものだ。

さて、ペースを維持して登っていく。
ウラジロナナカマド(バラ科ナナカマド属)。


振り返ってみよう。別山を背景にした室堂の定番のショットだが、山頂からの展望よりこの辺りからの眺めが好きだ。
すぐ後に団体客が登ってきていた。追いつかれないようにしよう。


クルマユリ(ユリ科ユリ属)。


真上から見るとこんな感じ。


イワツメクサ(ナデシコ科ハコベ属)。




イワギキョウ(キキョウ科ホタルブクロ属)。


ミヤマゼンコ(セリ科エゾノシシウド属)。


高天原(標高2585m)まで登ってきた。一息つきたいところだが、団体客が来ているので足を止めず進んだ。
 

6時35分、御前峰(標高2702m)に登頂。コースタイム通りの時間だった。先ずは山頂の奥宮にお詣りする。


大汝峰(標高2684m)を背景にした定番ショットだ。意外と山頂は人が少なかった。
お日の出を山頂で見た人たちは、既に下山している。それに室堂では、この時間が朝食のはずだ。


振り返っての1枚。背景に北アルプスが見える。


別山と手前の室堂平。この時点では、この日のうちに別山まで行くことになるとは、思ってもみなかった。


山頂を去してお池巡りコースへ進む。
剣ヶ峰(標高2677m)。ここへは登山禁止となっている。


大汝峰(標高2684m)。2つの池に挟まれるようにして登山道が見える。


再び剣ヶ峰。お池巡りコースはザレ場が続き、浮き石も多いので注意して歩く。


振り返って御前峰の北西斜面。


油ヶ池。


紺屋ヶ池には雪が残っていた。


ベンガラに従って雪上を進む。


油ヶ池と御前峰。


翠ヶ池。


イワカガミ(イワウメ科イワカガミ属)。緑色の葉を見ると鋸歯が少なくコイワカガミかと思ったが、赤色の新しい葉を見ると鋸歯の数が多いのでイワカガミだろう。


翠ヶ池と背景の北アルプス。右端は乗鞍岳、中央右よりに槍・穂高連峰、左よりに剱・立山連峰が見える。白山でもっとも好きな景色の一つだ。


三たび剣ヶ峰。


翠ヶ池近くの、チングルマ(バラ科チングルマ属)の群落。イワカガミが混じっている。


御前峰。


四たび剣ヶ峰。


お池巡りコースを離れ、中宮道へ向かう。正面は御前峰の御宝庫。


まもなく大汝峰下の分岐だ。まっすぐ進むと大汝峰、左折すると大汝峰を巻いて七倉山へ、中宮道はここを右折へする。


中宮道に入ってしばらくは平坦な道を歩く。


ミヤマタネツケバナ(アブラナ科タネツケバナ属)。


大汝峰の東斜面から雪渓となり、これがヒルバオ雪渓に続いている。


登山道はその南を進む。


途中で2人の女性とすれ違った。中宮道を歩いてきたのかと尋ねると、お花松原へ行こうとしたが急斜面なので引き返したとのことだった。
急斜面は承知だが、少し不安になった。
イワツメクサ(ナデシコ科ハコベ属)だ。


登山道が雪渓に向かって急降下していく辺りで、シナノオトギリ(オトギリソウ科 オトギリソウ属)が数多く咲いていた。




さらに進むとヒルバオ雪渓に大量の雪が残っていた。


ヒルバオ雪渓を越えると、その先に中宮道が続いているのが見えていた。そしてその先にさらに雪渓があった。どうやらその辺りがお花松原のようだった。


雪渓に至るには急斜面を300mほど下らなければならない。その後に雪渓のトラバースだ。そこを越えてもお花松原はまだ雪の下かもしれない。
既に斜面を50mほど下っていたが、ここはどうやら引き返した方が良さそうだと思った。さっきの女性たちの方が決断が早くて賢かったように思えた。

今回の計画では3日目が長い。天候や疲労の状況によっては別山を諦めて、砂防新道で別当出合に下りることも視野に入れていた。
ならば、お花松原を諦めて今日のうちに別山へ向かい、チブリ尾根避難小屋で泊まるのはどうだろうか。
そうと決まればここに長居は無用だ。私は来た道を引き返した。
白山テント泊お花見ハイキング その⑩ 別山への道 へ続く。


8月10日は植物クロスワード(26)です。
白山テント泊お花見ハイキングの続きは、8月13日に再開します。
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白山テント泊お花見ハイキング その⑧ 御前峰登頂(前編)

2022-08-08 05:10:19 | 山行・旅行
その⑦では、南竜ヶ馬場周辺で観た植物についてご覧いただいた。
ただし、1日目は南竜到着後展望歩道の方に向かっただけで、南竜の南側に広がるいわゆる南竜庭園へは出かけていない。理由は雨で道が泥濘んでいたためだ。南竜庭園のお花は、後ほど観に行くことにした。

さて、一夜明けて白山は快晴となった。
3時半頃に目覚めた。朝食の準備をしながら明るくなり始めた空を撮る。
4時を過ぎると東の空にオレンジ色の光が差し出した。月がまだ残っていた。もう既に出発の準備を始めているパーティが幾組かあった。


私も彼らを追って4時20分に南竜を出た。


4時31分、エコーラインに取り付く。石段を軽快に登っていくと、南竜が下に見えてきた。
 

東の空の赤味が増したきた。北アルプスの峰々がきれいに見えた。


分刻みで空の様子が変わっていった。


南竜のテント場がよく見えた。


御嶽山(白山御前峰からの距離71km)。


乗鞍岳(白山御前峰からの距離71km)。


槍、穂高連峰(白山御前峰からの距離81km)。大キレットの隙間から常念岳の穂先が顔を出していた。


御前峰(白山主峰、標高2702m)が見えてきた。振り返ると別山(標高2399m)にはまだ陽が当たらず、黒々しい。
 

5時ちょうど、別山に陽が差し出した。


越前の峰々が雲海に浮かんでいた。


さて、2日目の行程を見ておこう。
■2日目(7月24日、快晴のち曇り) コースタイム9時間35分。
南竜ヶ馬場野営場→(南竜道)→エコーライン分岐→(エコーライン)→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→白山室堂→御前峰→お池めぐり分岐→大汝峰下の分岐→(中宮道、途中まで)→大汝峰下の分岐→お池めぐり分岐→白山室堂→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→(エコーライン)→エコーライン分岐→(南竜道)→南竜ヶ馬場野営場→(油坂)→油坂の頭→(石徹白道)→御舎利山分岐→別山→御舎利山分岐→チブリ尾根避難小屋(泊)
(赤字部分が今日ご覧いただく範囲。写真が多くなったので、前編、後編に分けさせていただいた。今日ご覧いただく前編では白山室堂までを掲載した。)

地図はハイキングマップ(白山ベストガイドから引用)と、YAMAPの歩跡(2日目途中から3日目終了まで)を載せた。
 


それではお花を見て行くことにしたい。
エコーラインで観たミヤマクロユリ(ユリ科バイモ属)の後ろ姿。ミヤマクロユリは、この後白山室堂周辺でたくさん見られた。


同じくエコーラインで観たチングルマ(バラ科チングルマ属)の群生。手前はイワカガミ。




ハクサンコザクラ(サクラソウ科サクラソウ属)。


アオノツガザクラ(ツツジ科ツガザクラ属)。


ゼンテイカ(ススキノキ科キスゲ亜科ワスレグサ属)。


ゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属)。


シナノオトギリ(オトギリソウ科オトギリソウ属)。


ミヤマコウゾリナ(キク科ヤナギタンポポ属)のようだ。キク科のこの花は夜には閉じるようで、まだ開いていない。




イブキトラノオ(タデ科イブキトラノオ属)。


ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属)。


オンタデ(タデ科オンタデ属)の雄株。


ヤマブキショウマ(バラ科ヤマブキショウマ属)。


ハクサンシャクナゲ(ツツジ科ツツジ属)のつぼみ。


ハクサンボウフウ(セリ科カワラボウフウ属)。


チングルマ(バラ科チングルマ属)のそう果。


カラマツソウ(キンポウゲ科カラマツソウ属)。


イワイチョウ(ミツガシワ科イワイチョウ属)。


イワカガミ(イワウメ科イワカガミ属)。


弥陀ヶ原に到着した。右の写真で正面に見えるのは白山釈迦岳(標高2053m)。私には未踏の山だ。
 

コバイケイソウ(シュロソウ科シュロソウ属)。




ハクサンボウフウ(セリ科カワラボウフウ属)のつぼみ。


ヤマガラシ(アブラナ科ヤマガラシ属)。




砂防新道との合流点(エコーライン分岐)まで来た。ここから白山室堂までは砂防新道を歩く。この先の五葉坂は急登だが、荷物が軽いのですいすい登っていく。
 

ミヤマダイモンジソウ(ユキノシタ科 ユキノシタ属)。


振り返ると弥陀ヶ原の全体とその向こうに別山が見える。


イワギキョウ(キキョウ科ホタルブクロ属)。


ミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)。


白山室堂の一歩手前で観た、ヨツバシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属)。


同じく、イブキトラノオ(タデ科イブキトラノオ属)。


5時52分、白山室堂に到着。混雑する室堂ビジターセンターには入らず、建物を迂回して奥宮祈祷殿に参拝した。


室堂では休憩を取らず、水を補給して、今日の目的地であるお花松原への道を急いだ。
お花松原へは大汝峰下の分岐から中宮道を通る。そして、そこへ行くには3通りの道がある(前掲の地図参照)。
容易なのは御前峰へは登らず巻き道を行く方法だが、ここは御前峰へ登ってから行くことにした。
長くなるので、続きは白山テント泊お花見ハイキング その⑨ 御前峰登頂(後編) でご覧いただきたい。
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巣立ち後のミサゴ

2022-08-07 05:29:51 | 
7月28日に、越前加賀国定公園の加佐ノ崎で撮影した、ミサゴの巣立ちの様子を投稿した。
撮影したのは7月22日だった。
それから9日後の7月31日に、再び加佐ノ崎に足を運び、ミサゴの幼鳥を観てきた。その様子をご覧いただきたい。

現地に赴くと、22日に1羽が止まっていたマツの枯れ木に2羽が止まっているのが見えた。
ピィ~ピィ~ピィ~と鳴いているのが聞える。


崖っぷちの遊歩道を歩いて近くへ寄ってみると、幼鳥は3羽いた。名前を一郎、次郎、三郎と呼ぶことにしよう。


一郎と次郎のツーショット。


離れた小枝に止まっている三郎。


一郎をアップで観てみる。


次郎をアップで観てみる。


三郎をアップで観てみる。3羽とも大きさは成鳥と変わらない。
どこかに幼鳥の特徴がないか探したが、分からなかった。


縦位置で3羽をもう一度観てみる。


一郎が翼を広げた。飛び立つのかと思ったが、また翼を閉じてしまった。


と思いきや、いきなり飛んだ。飛び立つ瞬間は撮れなかった。






海の上を飛んで、マツの枯れ木から50mほど離れた巣があったところへ下り立った。




その後一郎はまた飛び立って、見えなくなってしまった。
場所を変えて、次郎の姿を再び撮った。








40分あまり見ていたが、その間親鳥が現れることはなかった。

少し離れたマツの木にホオジロに似た鳥が止まっていた。名前は不明である。カメラを向けたら飛び去っていった。


明日は、白山登山の2日目の様子、白山テント泊お花見ハイキング その⑧ 御前峰登頂を投稿する。
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白山テント泊お花見ハイキング その⑦ 南竜ヶ馬場周辺

2022-08-06 05:26:20 | 山行・旅行
その⑥ではエコーラインを下ってきた。南竜道に出ると2組のハイカーがすぐ前を歩いていた。そのうちの1組をパスして、もうひと組について南竜ヶ馬場(南竜)まで歩いた。距離は僅かで10分ほどで歩けるほどだ。

■1日目(7月23日、雨のち曇りのち晴れ) 1枚目の地図参照。コースタイム5時間50分。
別当出合→別当坂分岐→(観光新道)→殿ヶ池避難小屋→黒ボコ岩→エコーライン分岐(砂防新道合流点)→(エコーライン)→エコーライン分岐→(南竜道)→南竜山荘→南竜ヶ馬場野営場(泊) (赤字部分が今日ご覧いただく範囲。)


南竜までは写真を撮っていない。南竜に着くと真っ先に南龍山荘に向かった。そこでカップ麺を2つ調達した。
続いて南竜ヶ馬場野営場(テント場)へ向かった。途中マットで靴底の泥を丁寧に拭った。白山にはこのようなマットが要所で敷かれている。目的は外来植物の侵入を防ぐためだ。
 

テント場に着くとまず最初に無人の申し込みをする。幕営料は1人800円だが、細かいのがないので1000円を封筒に入れて投函した。
トイレは今シーズンから水洗トイレに変わっていた。今年ここで幕営する際の楽しみの一つだった。

テントを張り終わったら晴れてきた。shuのテントは画面左のブルーのものだ。
背景に見える正面の山の、谷を上がるのがトンビ岩コース。左の霧がかかった谷の向こうの尾根がエコーラインだ。


少しテント内で休み、食事を済ませ、展望尾根コースへ向かう谷を歩いてみることにした。
写真は撮った順に並べている。お花の写真も撮ったが、日差しが強すぎてうまく撮れていない。同じものを後で取り直したのでそちらをご覧いただきたい(後掲)。

さて、お花を観に展望尾根コースの方へ向かう。南竜周辺にはまだ雪が残っていて、雪渓が解けるとハクサンイチゲやハクサンコザクラの群落が現れる。
 

エコーラインの方も晴れてきたようだ。左の写真は野営場に向かう案内板。
 

一番上の大きな建物が南龍山荘。右の写真は展望尾根へ向かう木道。
 

では、お花を順に観ていこう。幸い少しガスが出てきて、日差し和らいできた。
イワイチョウ(ミツガシワ科イワイチョウ属)の群落。名前は葉がイチョウに形が似ていることに由来している。


ゼンテイカ(ススキノキ科キスゲ亜科ワスレグサ属)。一緒に咲いているのは上の写真ではチングルマ、下はハクサンボウフウ。




ハクサンボウフウ(セリ科カワラボウフウ属)。
基準標本は白山である。葉は光沢がなく、ミヤマゼンコより大きい。
小葉の切れ込みや鋸歯が深いものをキレハノハクサンボウフウというようだが、見た覚えがない。


ここでもコバイケイソウ(シュロソウ科シュロソウ属)がまとまって咲いていた。


カラマツソウ(キンポウゲ科カラマツソウ属)。


いつもここへ来るとツガザクラを探す。
ツガザクラ(ツツジ科ツガザクラ属)は、今年も同じ場所で咲いていた。成長が遅く1年で2mmしか育たないという。
白山では、ここ南竜と御前峰山頂付近で観ている。




一緒に咲いていたのはクロウスゴ(ツツジ科スノキ属)で、実は青黒く熟し、先端に浅いくぼみがある。




白山の西側(石川県側)では、8月3日から4日にかけての東北・北陸豪雨で、かつて無いほどの大量の雨が降ったと聞く。
登山者が無事に下山できたか心配だ。
また、今後荒れた登山道を修復するのに、労力と時間がかかることだろう。関係者の皆様に、心より感謝したい。

明日は、越前加賀国定公園・加佐ノ岬の「巣立ったばかりのミサゴの幼鳥」の様子をご覧いただくこととしたい。
白山行2日目の様子は、明後日から投稿する。
白山テント泊お花見ハイキング その⑧ 御前峰登頂 に続く。
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