ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

189. セトゥーバルのジャカランダ散歩

2022-07-01 | 風物

 ジャカランダは元々ブラジルの花だそうだが、セトゥーバルにもたくさん植えられている。

カルモ広場のジャカランダ。紫の花の下でエスプレッソを一杯。

 あちこちの道路脇に並木として植えてあるから、クルマで走りながら花の蕾が付いているのを発見するといつ咲くのかと楽しみにしていた。

裁判所前のジャカランダ

 例年なら6月に入ってからと思っていたのだが、今年は随分と早くて5月の中旬には咲き始めていた。我が家の台所の窓から裁判所辺りが徐々に紫色に染まってゆくのが見えた。

ルイサトディ大通り公園のジャカランダとブラジル松

 でも裁判所の辺りよりルイサトディ大通り公園や10月5日通りの方が多く植えられているのだが、我が家からは建物に阻まれてそこは見えない。

10月5日通りのジャカランダ

 何れ時機を見て散歩がてら花見に出かけたいと思っていたのだが、コロナ禍以来、蟄居生活が長く続くと出掛けるのがかえって億劫になり、なかなか腰が上げられずにいた。

クエベド駅裏児童公園のジャカランダ

 それに加えてアフリカから黄砂がやって来て、猛暑になり、町じゅうのクルマが黄色い砂に被われて薄汚くなってしまったのでよけいその気にならなかった。

ジェイム・コルティサォン通りのジャカランダ

 意を決っしてようやく出掛けたのが、6月7日であった。例年なら丁度満開の時の筈なのだが既に見頃は過ぎてしまって、多くの葉を出していた。それでもセトゥーバルのジャカランダを堪能できた。

水道橋公園の若木のジャカランダ

 10月5日通りのジャカランダの下でちょっと休憩をと思って『CANOA』というカフェに入った。入口付近の席でカップルが美味しそうなものを食べていた。時計を見てみると12時半。いつの間にかお昼時なのだ。コーヒーではなく昼食に変更。入口に貼ってあったきょうのメニューを見てみると『ビットーク・デ・ポルコ』と書かれてあった。ビットークにあまり食指は進まないがまあ久しぶりにビットークでも良いかと思って注文した。

熱々の鍋にたっぷりのソース。今までに食べた内で最高の『豚のビットーク』

 やがて出てきた料理は入り口付近でカップルが食べていたものと同じもので、入って来たお客は全員が今日のメニューを注文している。すぐに満席になった。食指が進まないと書いたがこれが大違い。今まで食べたビットークで桁違いの美味しさ。熱々の辛子ヴェルネスソースがたっぷりとかかった、他の店とはひと味違う味だった。

我が家のお向かいのジャカランダ。遠くにパルメラ城(アトリエから撮影)

 そして例年、セトゥーバルで一番遅くまで咲いているのが我が家のお向かいのジャカランダである。7月に入った今日もアトリエの窓から楽しませてくれている。

(ジャカランダの写真は何れも6月7日にセトゥーバルで撮影)

©2022 MUZVIT

 

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