ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

185. ポルトガルは干ばつ、ウクライナは戦争勃発

2022-03-01 | 風物

 毎日日照りが続いている。本当なら去年の11月ごろに雨が降り続いていたはずなのに、ほとんど降らなかった。毎日良い天気で、実は私は喜んでいた。でも農家は大変なことになっている。雨が降らないから、ダムの水が空っぽになってダムの底が見えてきた。しかも全国的にダムが空っぽ。ダムを作った時に底に沈んだ村が現れた。その村を歩き回る人々。教会までもそっくり現れた。水の底に沈んでもほとんど傷んでいない。日本と違って、村全体が石造りだからちゃんと残っているのだろう。それにしても不思議な光景だ。

セトゥーバル郊外の森に咲く野生のサフラン

 雨が降らないと牧場がまず困る。草が生えないから牛や羊の餌がない。するとトウモロコシなどの飼料を買わなければならない。

 今日のニュースで見たのだが、その飼料はロシアやウクライナから輸入していたそうだ。でも2月24日に突然ロシアがウクライナに爆撃を始めた。そして今日はますます激しくなっている。ウクライナの首都キエフは爆撃で悲惨な状況だ。人的被害もすでに200人近くが亡くなったそうだ。人々はあらそって逃げ出している。幼児を数人連れた若い家族が多い。ウクライナに国境を接した国は、ポーランド、ルーマニア、スロベニア、ベラルーシュなど。みんな汽車やバス、クルマで国境を目指して押しかけている。ウクライナ人だ。去年のニュースでは同じ国境を遠いシリアやイラク、アフガニスタンなどから難民が押し寄せていた。彼らはいったい今どうしているのだろうか。この戦争でまた新たに難民が増える。

 ポルトガルにはウクライナ人が数万人住んで働いている。それを頼ってウクライナからの難民が増え続けるだろう。ポルトガル政府は歓迎している様だ。

 我が家の向かいにもウクライナ人の家族が住んでいる。御主人は塗装工、成人近い息子と娘が一人ずついる。みんな穏やかで静かに暮らしている。

 彼らは早い時期にポルトガルに移住してきたから良かったと思う。寒い国からやって来て、温かいポルトガルで暮らして、物価は安いし、治安は良いし、彼らにとっては天国ではないだろうか。反対に、ウクライナにはポルトガル人が数十人住んでいるらしい。彼らはウクライナ人の女性と結婚してウクライナで生活している。生活の基盤ができているから、動くに動けないのだろう。でも戦争が始まった。高層マンションはミサイルに爆撃されて上階の部分が吹き飛ばされている。

 ウクライナ人は大きな荷物を抱えて地下鉄の構内に避難したり、ポーランド行きの列車に乗るために駅に詰めかけている。ウクライナの空港は破壊されて使えないが、隣の国にたどり着けばなんとか安全地帯に避難できるのではないかと判断しているようだ。

 まさかプーチンが戦争に踏み切るとは思わなかった。

 でもまさかというのが戦争の始まりだ。

 日本は大丈夫だろうか?

 日本の領土は、竹島を韓国に乗っ取られ、尖閣諸島は中国に占領されて、それでも日本政府は何も抗議しない。次は沖縄が狙われている。

 先日、映画を観た。ブラピの主演する「チベットの7年」で、ダライ・ラマの幼少時代、チベットの政治家が中国に取り込まれて、毛沢東一団を大歓迎する。それを良いことに中国人たちは武器を持ち込み、闇に紛れて武装した人民軍が大量に押し寄せてチベット軍を大量に殺害し、チベットを占領してしまう。

 これは日本の沖縄に当てはまる。中国が支配している尖閣諸島から闇に紛れて沖縄に中国人民軍が潜入してくるのは簡単だ。赤子の手をひねるように簡単にできそうだ。しかも沖縄県はそれを歓迎しているようだ。どうしてなのか私には理解できない。中国に占領されて酷い目にあいたいのだろうか。そうなってからでは遅い。

 日本の政府よ、早く目を覚ましてくれ!

 

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