ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

187. ジャカランダの蕾

2022-05-01 | 風物

葉を落とし枝の先端に紫色の蕾。開花準備のジャカランダ。(2022-04-30アトリエから撮影)

 

 今年はいろんなことが変だ。

 まず、ロシアがウクライナに軍事進攻したこと。

 ウクライナはれっきとした独立国なのに、ロシアはウクライナがNATOに入りたいと言うのを阻止するために、おびただしい戦車部隊を送り込んで脅しをかけた。そこにウクライナのゼレンスキー大統領が出て来て、国民に抵抗を呼び掛けた。ゼレンスキーは小柄な男性で、しかし良くしゃべる。元々はコメディアンだったらしいが、たちまち国民だけではなく、他国の大統領や首相たちを魅了して仲間をつぎつぎにと取り込んだ。NATOとしては、戦闘介入をしていることは絶対にロシアにしられたくないから、ひそかにウクライナに武器などを供給している。もし知られたらたちまち第三次世界大戦のきっかけになることだろう。 

 その一方で、『ウクライナ戦争で最も悪いのは米英。』という意見もある。米英はロシアを経済制裁し、ロシアと中国を弱体化する新冷戦体制を作るのを目的に、ロシアによるドンバス侵攻を促すために、ウクライナに武器を供与しウクライナ兵を訓練しようとした。だがウクライナ兵の士気は低く、ヨーロッパ各地への亡命が相次ぎ巧くはいかなかった。それで米英はウクライナ国内に居るネオナチとヨーロッパ各国に居るネオナチを傭兵としてウクライナへ送った。ネオナチの傭兵はロシア民族が多く住むドンバスで虐殺を行った。そのロシア民族を守るためにプーチンはロシア軍をウクライナに侵攻させた。だから正当防衛的な侵攻だと言うのだ。

 セトゥーバルは古くからの労働者の町と言われ、労働組合、共産党の強い地盤だ。ポルトガル政府ははっきりとウクライナ支援、ゼレンスキー支援を打ち出しているが、セトゥーバルだけは少し異なり、ウクライナ難民受け入れに消極的だ。ときょうのニュースでも取り上げられた。それはプーチンに配慮しての行動とも受け取れる。

 

 ポルトガル元首相のグッテレス国連事務総長がモスクワに行きプーチン露大統領と会談をした。その後ウクライナのキエフにも行き、ゼレンスキー大統領とも会談、未だグッテレス国連事務総長が滞在しているキエフをロシアはミサイル攻撃をした。これはどう読むべきか?

 

 このごろ気象がかなり変だ。もう4月も終わりかけなのに寒い。数日前にはエストレラ山に雪が降った。TVのニュースでも「4月の雪!」と大騒ぎ。しかも数十センチほども積もっていて、居合わせた家族が雪だるまを作ってよろこんでいた。

 3月ごろは、「雨が降らない、ダムの底が見えた」などと騒いでいたのに、突然強烈な風が1週間ほど吹き荒れて、その後、毎日大雨が降り続いた。こういう現象は例年なら11月ごろに起きる筈だ。ところが去年は10月も11月も雨がいっさい降らず、その結果ダムが干上がった。大雨が降った後、ダムの水がどの程度増えたのかは気になるが、そういうことはニュースではやらないからわからない。

 物価はどんどん値上がりしている。野菜や肉など食料品の殆どが上がった。まだ日本に比べたら価格は安いが、それでも物価が高くなるのは困る。

 ガソリンの値上がりは一番庶民の懐に響く。物流が上がれば全ての価格に反映する。庶民はどこにも出掛けられないはずなのに、道路はクルマであふれ、バイクなどは轟音を鳴り響かせて走り回っている。ガソリンは昔からスペインよりも常に高い。たぶんポルトガルの税金が高いのだろう。スペインとの国境近くまで行った時はわざわざ国境を越えてスペイン側の町まで行ってガソリンを入れた。でも国境の町まで数キロあるから、せっかく安いガソリンを入れても行き帰りで使ってしまう。ばかばかしくなって、いつのまにか止めてしまった。

 今までコヴィッドの影響で自粛していた祭りなどが、今年に入っていっせいに復活した。自粛ムードはもう飽き飽き。ついでにマスクも解禁になった。しかしスーパーマーケットなどではマスクはしないといけない。ややこしいので、私たちは外出するときは必ずマスクをするようにしている。

 露店市などももう2年以上行ってない。もうそろそろ自粛は止めて、解禁にしようかな。もちろんマスクは着けて。

 季節の移ろいは早い。街路樹は若葉を成長させている同じ今の時期、ジャカランダは逆に少しずつ葉を落とし開花の準備を始めている。先端を見ればほんのりと紫色の蕾が確認できる。開花は5月下旬から6月だが、お向かいとお隣の庭に大木が1本ずつ、我が家の窓からも鑑賞ができるが、私たちの蟄居生活はいつまで続くのだろうか。

MUZ   2022/04/30

 

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