ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

182. 『ボルト』に何人乗られるか?

2021-12-01 | 風物

 日本では昔から飲食店の出前など当たり前にみられる風景であった。それ専用のクッションばね付きのバイクが盛蕎麦やラーメンなどを載せてさっそうと走る姿など子供の頃から見慣れた風習であった。

 ポルトガルでは今まで『テレピッザ』以外は一切見ることはなかったが、コロナ禍と同時に出前が普及したと言っても過言ではない。『ウーバー』『グローボ』など複数の出前専門会社が出現、そのバイク姿を急激に見る様になった。背中に50センチ立方くらいの保冷バッグをリュックの様に担いで町中を走り回っている。

 それと同時に急激な普及を見せているのが『ボルト』という電動スケーターだ。

 我が家の前にも複数台が乗り捨ててある。そしてホテルの前にも数台。

 我が家のお向かいに住む、ウクライナ人姉弟もそろって利用している様だ。それまでは市バスで通勤通学していた様だが、市バスよりも便利なのだ。家の前まで戻って来てすぐにスマホを操作している。そこで乗り捨て完了となるのだろう。

 家の前に乗り捨てるということは、次には誰でもが使うことが出来る。

 

町角に乗り捨ててある3台の『ボルト』

 町中をクルマで走ると、あちこちに電動スケーター『ボルト』が放置されているのを見る。色はエメラルドグリーンで統一されていてすぐに目につく。ほとんど若者が乗っている。どういう仕組みになっているのだろう。私も乗ってみたいと思うのだが、老人が乗っているのを見たことがない。たぶんスマホをかざして料金を払うとロックが解除されて動きだすのだろう。

 本来は1人乗りなのだろうが、二人で乗っているのもよく見かける。未だ罰則規定は出来てないのかもしれない。

 2人乗りだけではなく、昨日は4人乗りを見かけた。一人乗りなのに4人も乗って、見ているこちらも驚いたが、乗っている本人たちは平気な顔をして楽しそうだ。

 

『ボルト』に4人乗り。

 『ボルト』はどれだけ重さに耐えられるのだろうか?

 『ボルト』とは巧く付けた名前だと思う。

 あのジャマイカの『ウサイン・ボルト』を思い浮かべる。これほど速くて力強い人は居ない。

 坂道の多いポルトガルではとても便利な乗り物だ。本数の少ない、いつも遅れて来る市バスや電車が来るのを待たなくて良いし、このところ煩雑にある公共交通機関のストライキにも合わなくてすむ。

 ニュースでは早朝の通勤電車に乗ろうとしている人々の足を奪い、平気な顔をして自己主張をしている労働組合の幹部たちの顔を見ると、腹が立つのは私だけだろうか?

 現在の政権与党はPS社会党にBE左翼党とCDU共産党が加わり連立政権を樹立している。労働組合はこの時とばかりにストライキを多発している。

 元々PS社会党は第1党ではない。PSD社会民主党が第1党だ。前政権はPSDとCDS/PP市民党の連立であった。それが第2党のPSに左翼寄りのミニ政党が加わり政権が左寄りに替わった。その煽りを受け、最近はCDS/PPから分離したCHEGAという極右政党が人気を集めつつある。これだけストライキが続けば嫌気が指し始めてPSDとCDS/PPにCHEGAを加えた連立を望む声も聞こえ始めている。

 私たちは未だ使ったことはないが『ウーバー』『グローボ』などの出前代行会社は政権が替わっても定着するのだろうと思う。

 電動スケーター『ボルト』の人気も上々の様だ。

 昔、ミニクーパーに何人乗れるか?などの実験があった。

 でもまさか『ボルト』に4人以上はサーカスでも無理だろう。MUZ

 

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