ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

170. 近くの森の猛毒キノコ

2020-12-01 | 風物

近くの森は猛毒キノコの宝庫。タマゴテングタケは海外の小学校で給食に混入し20人以上と言うキノコ食中毒史上最多クラスの死者を出した悪魔のキノコ。それが近所の森にはぼこぼこと10数本も固まって生えている。

猛毒のタマゴテングタケ

 

タマゴテングダケ幼菌と完全に傘の開いた成菌

 

タマゴテングダケの成菌と幼菌

 

今までは手前の森に固まって生えていたが、去年森に入ったらいっせいに姿を消していた。

だれか毒キノコの知識のある人が指摘して、撤去したのかもしれない。このごろウクライナ人やロシア人たちが移民として住み着いている。彼らはキノコのことについて詳しいから地元の人に教えたのかもしれない。

タマゴテングダケは薄緑色のきれいなきのこなので、しらない人から見たら、美味しそうなキノコに見えないでもない。しかも成長したら直径20㎝以上にもなるから、目に付きやすい。でも今まで一度もタマゴテングタケの事件は起こったことがないので、みんな知っているのかもしれない。そもそも、今までポルトガル人は野生のキノコは警戒して、食べようとする人がいなかった。しかしこのごろTVのニュースでもキノコ、キノコと料理を紹介している。フランスでは薬局に野原で獲ったキノコを持って行けば、毒キノコかそうでないかを専門家が鑑定してくれるから、安心できるが、ポルトガルにはそうした制度があるかどうか聞いたことがない。だから私たちは森でキノコを見かけても、写真に撮るだけで、食べたことはない。しっかりした知識があればいいのだが、だれか専門家がそばにいて、太鼓判を押してくれたら食べるかもしれないが、それでも数パーセントは怖さがある。日本でもキノコの季節になると、道の駅などで朝どれのキノコを買った人が食中毒にかかったというニュースが流れる。毒キノコの判定は知識のある人でも難しい。それに以前は食用だったキノコが突然毒キノコではないかと判定されるから厄介だ。

やはり野生のキノコは写真を撮るだけにしよう。このごろスーパーマーケットでは乾燥や冷凍のキノコが売っているし、店によってはシメジまで買える。その程度で我慢することにしよう。MUZ

 

 

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