クロの里山生活

愛犬クロの目を通して描く千葉の里山暮らしの日々

タケノコ掘り隊第四陣

2014-04-22 22:19:11 | 日記
物識り博士ご夫妻が帰られた後に、ご主人様が竹薮を確認したところ、10本程度のタケノコがまだ残っていた。これも早く掘らないともったいない。

しかしご主人様はこれまでに毎日毎日タケノコを掘り、毎日毎日タケノコ料理を作り、そして毎日毎日タケノコを食べ続けているのだ。もう見るのもイヤだ。そんな気分で竹薮のタケノコ達を眺めていると、隣の家の庭先から子供達の遊ぶ声が聞こえてきた。どうやらお孫さん達が遊びにきている気配だ。

「そうだ、隣の家の客人達にタケノコを差し上げよう」
と、思いついたご主人様は、さっそく隣家の方へ行ってみた。するとその家のおじさん(年の頃は70歳)が、桜の大木がそびえる広い芝庭で、二人の孫(幼稚園生と小学生の兄弟)を一輪車に乗せて、それを小走りに走りながらヨロヨロと押して遊んであげているではないか! なんと健気(けなげ)で優しいおじいさんではないか!

東京から久しぶりに遊びにきたかわいい孫達に、精一杯の里山サービスをしてあげているのである。都会の遊園地ではジェットコースターだが、この限界集落的里山では一輪車を使うことになるのだ。

しかし、高齢者がそんな無謀な事をしていると、人身事故につながりかねないし、それにタケノコ掘りの方が子供達にとってははるかに良い里山体験になるであろう。
「こんにちは! よかったらタケノコ掘りをやりませんか!」と、ご主人様が明るく声をかけると、
「わーい、タケノコ堀りだ! タケノコ堀りだ!」と、キッズ達の歓声が上がった。

かような次第で、第四陣のタケノコ掘り隊は「キッズ兄弟とおじいさん」となったのであった。

ハリキリおじいさんは二人の孫を引き連れ、肩にクワをかついでやってきた。
そして大きなタケノコの頭を見つけるやいなや、クワを頭上に持ち上げ、タケノコ目指して「エイ!」と振り下ろした。
その一撃でタケノコの大きな根は見事に切断され、キッズ達の足元に転がった。キッズ達は呆然とそのおじいさんの雄姿を見つめていた。

それに気を良くしたハリキリおじいさんは、タケノコを見つけるやいなや、キッズ達にはおかまいなしに、「エイ、ヤー!」とクワを振り下ろし続け、矢継ぎ早に10本近い大きなタケノコを掘り起こしたのだった。

20分後、大収穫のカゴを持った二人の孫を従えて、意気揚々とおじいさんは帰って行ったのであった。


続く・・・・・
コメント
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