毎週月曜の日経教育版
ここには最近の教育事情や子供達の流行や傾向が書かれているので
いつも興味深く読んでいます
その中に大学教授や塾の教師などが、日常的な出来事を書くコラムがあり
今、教育現場で起きている出来事がわかって面白いです
その一昨日のコラムが、ちょっと衝撃的だったので記事にしてみました
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<挑む>「子供がつまずく場所」町場の塾で小学生から高校生までの勉強を手伝っていると
学校では見えないものが見えてくる。
例えば算数の計算、「23マイナス1.8」
小数点の位置を整えて行う計算が苦手な子供が多い
小学校でここが出来ないと、中学校の数学で「3aマイナス1.2a」が出来ない
高校の化学や物理で、小数の値を公式に代入して求める問題が出来ない
中学や高校の先生は、テストでこういう答案を見ると
文字式の計算が弱いとか、○○の公式が理解できていない、
と見当違いの評価をして、ことの本質を見誤ることがある
一人ひとりの学力を高める塾では、こんなことは起こりにくい
長い間、同じ子供達を見ていると、何故解けないのか、どうして間違えるのか
その理由と改善の処方箋が自然に浮かんでくるからだ
こう書くと、「いや、学校には教育課程がある。
それに沿って教えていれば、見当違いの評価はしないはずだ」
と思う方が多いだろう
そう思うのが当たり前で、私もそう信じていたが
最近になってそれが間違いだと分かった
中学校の先生の多くは、小学校の教育課程を調べていない
ほとんどの高校の先生は、
生徒が小中学校で何を教わってきたか知らないまま、授業をしている
私が中学高校の現場を回って得た結論だ
ここ数年、高校入試に関する講演会や研修会で
中高の先生に話をする機会が増えた
話の導入部分で、冒頭の「23マイナス1.8」の正答率を当てるクイズを出している
これはベネッセが2007年に行った
「小学生の計算力に関する実態調査(小4)」の中の一問だが、
正答率は驚きの
39.6%だ
2002年に始まった現行学習指導要領(
ゆとり教育)のなせる業だ
今、その子供達が続々と高校に入学しているのだが
高校の先生は、そうした事情をほとんど理解していない
「学力を奪われた世代」の面倒を見るのは、大学の先生になりそうだ
以上
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読み終えて、正答率
39.6%にはびっくりしてしまいました
5人のうち、3人は理解していないわけですもの
今、社会のいろいろな場面でゆとり教育の弊害が言われていますが
一番の問題は、教室の全ての子供達が理解しなくても
つまり、7割とか8割の子が理解すれば、次の段階に進んでよい、としていることでしょう
理解できなかった2割、3割の子達は、結局その次の段階も理解できないまま
少子化の波に乗るように、中学校、高校へと進んで行けるのです
こういう現状を、子供を持つ今の親達は知っているんでしょうか
当たり前ですが、「23マイナス1.8」なんて問題
中学受験をする子供達にはなんでもない計算です
だって解けなければ受験なんてできないわけですから
でも公立の場合は、そんな簡単な問題が解けなくても
小学校も中学校も卒業させられちゃうし
少子化で定員に満たない高校は、推薦入学とか、内申と面接だけとかで入学を認め
そのまま流れるように卒業させてしまう
結局、そんなところが公立と私立の差を広げ
教育格差を生んでいくんじゃないのでしょうか
はぁ・・・ホントにこんなんじゃダメですよ
だからもっともっと親がしっかりしなくちゃいけません
ゆとり教育がなんたるかをきちんと理解して、
親達が危機感を持って、未来を担う子供達がきちんと学力を付けられるよう
学校に働きかけるとか、親自身が関わりを持つとか、
周りの大人たちは一生懸命考えて、ちゃんとした学力を持つ子供に育つよう
見守っていかなくちゃ、ダメですよね
ホントに日本の未来は大丈夫なんだろうか、と心配になった記事でした