「働きさん」っていい言葉じゃないですか

2014年01月02日 | 日記
20代の中頃、ミスタードーナツで朝のアルバイトをしていました。10代20代の学生やフリーターが多く働く、活気のあるお店でした。結婚はしていたけれども、子どももおらず、主婦の自覚ゼロの私は彼らとよく遊び歩いていました。高校生の頃は学校の友達と遊ぶこともめったになく、本を読んだり映画をみたり、電車に乗って遠出をしたりと、一人で過ごすことが多かったので、バイト仲間とのつきあいは、新鮮でした。仕事ができる人できない人、仕事熱心な人いいかげんな人、ルールを守る人守らない人、いろんな人が働いていました。好きになれない人もいたけれど、私は他のアルバイトの子よりちょっとだけ年上だったので、大人意識でそつなくこなしていたように思います。10代の女の子たちは、表面上は仲良しでも交友関係は複雑そうでした。最初のうちは、年が近い・学校が同じ・音楽の好みがいっしょなどの理由で仲良くできていても、徐々に関係に変化がでてくるのです。それは、言った言わないなどのささいな行き違いや、男の子をめぐってのこともあったと思います。でも私は、一番大きく影響していたのは仕事に対する姿勢ではなかったかと思います。忙しいピーク時をマックスでがんばってやりとげた時の達成感は、仲間との連帯感と完全にセットでした。カウンターでバンバン注文を受けることができるのは、バックのランナーががんばってくれるから、キッチンのベーカーがよどみなく商品を出してくれるから。トラブルなくお店が回転するのはカウンター係りがお客さんをうまくさばいてくれるから、バックの仕事がしやすいようにわかりやすくオーダーを通してくれるから。働く場、職場では仕事という大きな共通の目標があるからみんながひとつになれるのです。そしてひとつになるからこそ仕事という大きな目標が達成できるのです。自分だけラクしよう、自分がしんどいのはイヤという態度は、店長や経営者以上に同じ職場の仲間が敏感に察知します。
ミスタードーナツでは、アルバイト店員のことを「働きさん」と呼んでいました。はた(かたわら・傍ら)の人を楽(ラク)にするから「はたラク」つまり「はたらきさん」というわけです。この言葉自体は昔からあるようですが、ミスタードーナで初めて聞いたときは、なるほどな~と思いました。自分が動くことで周りの人(傍の人)がラクになる、それこそが「働く」ということ。昔昔は当たり前のことだったのかもしれない。今はどうだろう?20年近く経った今、過去の職場を振り返ってみると…人はともかく、私は全然「働きさん」じゃなかったです。今は「働く」ことの意味が問われています。就カツの学生は面接ノウハウ本とかだけじゃなく、「働くことの意味」を考えるような本もよく読んでいるということです。働くのは当たり前!意味を考える前に動け!とおっしゃる方もいるかもしれませんが、レールに乗っかる前になんで乗るのか、乗ってどうするのか考えてみるのも悪くないと思います
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