どこにでもいる普通の女子大生の辞め8話に思う

2014年05月20日 | 日記

『どこにでもいる普通の女子大生が新卒入社した会社で地獄を見てたった8日で辞めた話』

これが本のタイトルです。

長いので『辞め8』と省略します。

著者がそうしてくださいと、本の中で言ってますので。

正確にはたった8日で辞める前に、2か月ほど入社前研修を受けています。

どんな会社だったんでしょうか?

代表(わけあって社長ではない)語録

「男はなぁ、穴に入れたいと思うとんのや」

「男が穴に入れたいのは、人間の真理や」

「真理は会社の経営理念といっしょや。これがわからんかったら、営業に出せへん」

朝礼では、男性社員に向かって、女性社員を指して

「こいつら見とるとムラムラするやろ?」と問いかけ

問われた男性社員は

「代表の言うことは正しいです」と答え、

すごい美人の女と寝たが翌朝ベッドの中にいる女を見てどっか行けと思った

という話を披露します。1回やると興味がなくなる。

それが「真理」であり、そのことを女性社員はわかっていないから

男に騙されるんだ、というのです。

代表は「おまえらようわかっとる」と、

満足げな顔であったらしい…

この会社の社員は、代表いわく

全員発達障害だそうです。いい大学出てても、頭良くても

発達障害なので、他の会社では勤まらない…らしいです。

事務の女性は

「私は発達障害なのに、代表に雇ってもらって、とてもありがたいと思って…」

と涙ぐんで話します。

こんな会社ありえん、ブラックを通り越しとる…

そう思われる方はいるでしょうか?

私はこの本を読みながらかつての職場を思い出しました

そこにも「代表」のような人がいました。

その人の言うことは首を90度かしげたくなることが多々ありましたが

何人かの従業員は心酔しており

その人から見限られることを死ぬほど恐れていました。

その人から称賛されるために部下や同僚を恫喝・脅迫して

手柄を立て、褒められたあかつきには、尻尾をちぎれんばかりに振って

喜びを隠そうともしませんでした。

その「代表」らしき人は、朝礼や会議では、ほぼ名指しで部下を口汚く罵る人でした。

その人に人間失格の烙印を押されたら、もはやそこでは「いない人」です。

私は罵りさえ受けませんでしたが…はなっから、戦力外で、責任ある仕事は

1年間なく、ぶらぶらと過ごした記憶ばかりが残っています。

『辞め8』の著者は22歳の女性です。

内定が決まった時は、勝ち組になったような気がして有頂天になります。

徐々におかしさに気づきながらも、自分をごまかしながら研修を続けます。

そして、とうとう、ついていけなくなります。

本の最初のほうに

その会社は今もある。やる気にあふれたベンチャー企業として就職サイトに掲載されている。希望に満ちた会社として手招きしているのだということを、どうか心に留めながら読んでほしい、と書いている。

身につまされた。

私は自分が勤務する事業所のあまりの悪辣・悪質さに、そこから給与をもらうことで天罰が下るのではないかと思ったが、その施設は関西方面の雑誌で、優良施設として紹介されていた。キラキラとした言葉をちりばめた求人募集も見かける。

人生の落とし穴に落ちるのは22歳の女の子ばかりではない。

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