病気になる前にちょっとは公的医療保険について知っておこう!

2014年08月09日 | 日記

医療機関での自己負担額が高額になった場合、後から申請すれば、自己負担限度額を超えた分が払い戻される「高額療養費制度」というものがあります。いわゆる償還払いというものなので、一時的にせよ、何十万もの現金を用立てなくてはならず、預貯金のない人には厳しいかんじです。

これを解決するのが「限度額適用認定証」です。あらかじめ協会けんぽに申請し、認定証の交付を受け、病院の窓口に提示すれば、支払いは自己負担限度額までとなります。

例えば医療費100万の場合、3割の自己負担で30万ですが、

自己負担限度額は一般所得の方で

80100円+(総医療費-267000円)×1%で

87430円となります。

30万円を用意するのに比べると、なんとかなりそうな金額です。

平成24年度より、入院だけではなく通院にも適用されるようになりました。

でも「高額療養費制度」そのものを知らないで、足りなくなることを恐れて民間の医療保険に加入している人や、「限度額適用認定証」を知らないで、お金がないからと言って病院へのアクセスを拒否している人がいるかもしれません。病院の窓口で教えてくれることも多いので、とにかく病院へ行けばなんとかなります。でも、日本の医療・福祉は「申請」が基本なので、教えてくれなかったといって恨んだり愚痴ったりしても始まらないので、ちょっとは勉強しましょう!自分が得するような制度はたいてい手続きが面倒で細かいものです。病院の人だって、実務レベルではよくわかっていないこともあるので、とにかく自分できちっと調べましょう!

えーっと、自分の経験なんですが、数年前だんなが月末近くに短い入院をしました。私もだんなも「限度額適用認定証」のことなど全く知りませんでした。

病院の人が親切に教えてくれたそうです。

私はだんなに呼び出され、「協会けんぽに行って来い」と命令されました。

書類一式を渡されました。中身について聞いたのですが、だんなは面倒くさがって

「病院の人が言うとおりに準備したんや。このまま出せばいいんや。その場で認定証もらえるはずや」と言うので、子供の使いよろしく協会けんぽに持っていきました。

協会けんぽの人は中身を見た途端

「奥さん!健康保険証!コピーじゃなくて実物、実物ありますか!!」

と言うではありませんか。知りませんよ、そんなの。確かにそこに入っているのは健康保険証の「コピー」ですが、それで認定証がもらえるんじゃないんですか?

「ええ、ええ、そうなんですけども、事前に郵送で申請いただいた場合はそうなんですが、当日申請で当日交付の場合は実物がいるんですよ!!」

知りませんよ!!病院に戻って実物を取ってくることもできないわけではないが…ああ半日かかる…と暗くなっていたら、係りの人がバックルームに走っていき、数分後戻るなり勢い込んで言いました。

「奥さん!ハンコ!ハンコありますか!!書類に押してあるのとは別の奥さんのハンコ!」

ハンコなら私はいつも持ち歩いているので持ってました。

「出せます、出せます!!そのハンコあれば今すぐ認定証を出せます!!」

なんとか認定証をその場で交付してもらうことができました。

病院に戻り、係りの人に「保険証は実物が必要って言われたんです…」

と遠慮がちに言ってみたら逆ギレされた…

「これって、基本家族さんがすることなんですよ!!」

そのとおりです!!病院の人に文句いうなんて筋違いです!!

ごめんなさい!!悪いのはだんなです!!

こういうようなことって、よくあると思うんです…

何事も他人まかせはいけません。

年金でも医療保険でも旅行の計画でも町内会のことでも

自分できちっと確認しましょう!

 

 

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年金など大事なことは会社まかせにしないで自分で確かめましょう!

2014年08月06日 | 日記

厚生年金(老齢厚生年金)って何歳からもらえるんですか?

こう聞かれた場合、私は相手が何歳であろうと

「65歳からです」と答えていた。

ある本で、60歳を過ぎた男性に対し、

「60歳からです。でも定額部分は○○歳からになります」

と答えている人がいた。

私には想像もできない回答だった。なにはともあれ、まず原理原則を説明し

その後で「でもあなたの場合はですね…」と言うもんだとばっかり思っていた。

だが、個別相談に来る人は当たり前だが、知りたいのは「自分のこと」である。

原則などどうでもよく、「自分はいつから、いくらもらえる」のかを知りたいのである。

そこが複数を対象とした年金セミナーと違うところか…

って、今頃気づいてます。

自分のことが解決した後じゃなきゃ一般原則なんて頭に入らないものです。

でも老齢年金をすでに受給できる年齢の人はともかく、これからの人は、おおまかな年金の基礎知識というのは必要だと思うのです。

年配の人(60歳を過ぎた人)の話を聞いていると、自分や自分の配偶者、親の年金については「ある程度」理解しているのですが、それがケースバイケースであるという認識があまりなく、2~3人で年金の話をしていると、誤解の上にさらなる誤解が重なり、もう何がなんだかわけがわからなくなってしまうということがあるようです。

例えば、ある方が60歳前半の特別支給の老齢厚生年金の話をすると、別の方が「65歳過ぎてからもらえば増額されるよ」と言い、また別の人が「そうそう、うちの主人は”64歳”過ぎてから請求したら、一時金でいっぱいきたよ」と返したり…または「会社の人から、たいした額じゃないし、もらってももらわなくてもいいんじゃない?」と言われてなにもしていなかったり…

よく手続きについて言われるのが、会社勤めの人は会社がきちんと手続きをしてくれているから何もしなくていいということです。確かに会社には手続きの義務がありますが、だからといって、おまかせでよい、何もしなくても心配はいらない、ということではないと思います。

健康保険の被扶養者にはなっていたけど、国民年金の第3号にはなっていなかった、ということもあります。えーっと、親戚の話なんですが…年金事務所から、保険料がずっと未納になっているとよく電話があったそうなんですが、面倒くさいのかよくわからないのか放っておいたそうです。ある日たまたま私がその電話を受けました。係りの人は「このままでは無年金になってしまう。払えないのなら免除という方法もある。とにかく本人に一度連絡するよう伝えてほしい」とのことです。私は???でした。なぜって、彼女は小さな子供が2人いて働いていないので、夫の扶養になっており、子供の受診によく病院にいっていることを知っていたからです。当然国民年金の第3号になっているはずなのに、保険料を払っていないってどういうこと?と思い、係りの人にそのことを伝えて、すぐに彼女の夫である私の弟に連絡を取り、問いただしました。その結果わかったのは、会社の人が複写式になっている用紙の最後が3号の届であることを知らずに手続きをしていなかったのです。

かつて3号手続きは3号本人がすることになっていましたが、知らずに手続きをしない人があまりに多かったため、扶養者の会社が手続きをすることになりました。でも、小さな会社では手続きのもれも発生しやすいですし、実際届出用紙はわかりにくいです。小さい字で書いてある注釈のようなものを読まないとわからなかったりします。なんでも会社まかせにして安心していないで、自分のことはきっちり確認しましょう!

 

 

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嫌われ者の「労働者」と「賃金」

2014年08月01日 | 日記

「労働者」という言葉は嫌われているようです。

法律や通達では「労働者」となっているので、つい何の考えもなしに「労働者」という言葉を使うと、工場で流れ作業をしている人のことみたいで嫌とか言われてしまう。

自分たちの仕事はそんなんじゃない、ということだろうか。

「賃金」も同様に嫌われている。お駄賃じゃあるまいし、なんかみじめな気分になる…

確かに言葉は大事です。たかが言葉、されど言葉です。

でもですね、だからといって言葉を変えてなんとなく中身もそんなかんじ、と思ってみたところで、それは気休め・ごまかしにしか過ぎないと思うのですが。

「労働者」「賃金」には、雇用されている感がよくでています。一方、職員・社員・スタッフ・報酬・給与などには、雇用されていることをすこーし忘れさせるような感じがあります。少なくとも、「労働者」「賃金」よりは自分で選んだ・自主的・やりがいのある仕事という感じがでています。

けどですね、『ナニワ金融道』の作者・故青木雄二の言いぐさじゃありませんが、どう思おうと本人の自由ですが、事実は事実として変わらないわけです。雇用されて働くということは、「労働者」であり、社員や(そもそも法律上は株主・出資者ですから)ビジネスマン・ビジネスパースンではない(そもそも経営者・経営のセンスのある人ですから)のです。雇われている、被用者である、エンプロイーであるという自覚が必要だと思います。嫌かもしれませんが、受け入れたくない事実かもしれませんが、そこから目を逸らすと、永遠に青い鳥を探し続けることになります。

労働法学者の大内伸哉さんは、「事業主にとって魅力的な人材になれば正社員にもなれるし、解雇もされない」とか言ってますが、他人にとって魅力的な人間であり続けるのは難しいです。景気のいい時には魅力的な人材も、景気が悪くなると魅力がなくなりますから。社長は生活レベルを落としてないのに、自分は待遇が下がっても黙って今まで通りの仕事をしていたら魅力も維持できるかもしれないけど。能力とか技能が報われるような賃金制度がないのに、能力や技能の向上が求められるのは嫌です。

耳触りのいい言葉で本質を曖昧にしている労働市場ですが、ファーストフード業界はグローバル企業なだけに、働く人間を完全にモノ・コスト扱いしていて、そのことに腹は立つけれども、わかりやすい。勝手な労働時間の削減をレイバーカット、アルバイトの1円単位の時給の評価をウェッジレビュー、勤務表をラインとよんではばからない。コストとしか思っていないのに、人材を人財と言ってみたり、人を大切にする会社といってみたりする日本企業とは大きく違う。悪事を働くのに正々堂々とやるか、こっそりやるかの違いだろうか。

どちらも、がんばれば報われるとして労働者にはっぱをかけているのは同じだが。

 

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