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写真の説明は、
一枚目が「日本染絨争議 煙突千葉君1931.4」
二枚目が「日本染絨争議 職場占拠1931」
三枚目が「日本染絨争議 デモとハンスト1931」
四枚目が「日本染絨争議絵葉書1931.4」
となっている。
日本染絨争議の資料がないため、写真から想像するしかない。
1931年の4月、<日本染絨>の資本と闘う労働争議が勃発した。その中で千葉浩さんという青年労働者が命をかけて「煙突闘争」を闘っている。そのひとりの闘いを下では多数の労働者が煙突下に押し掛けて「ハンスト」などを繰り広げている。職場では職場闘争の座り込みを行っている。地域の仲間もかけつけたのだろう。路上でも戦闘的にデモが行われている。
ここでは、「煙突」の上のたった一人の闘いが決して個人的闘いではないのだ。
争議が解決したのだろうか、争議団の説得で煙突から降ろされる千葉さんとその下で声援を挙げ赤旗をふる争議団の様子が4枚目だ。まさに闘いの熱気と騒然とした様子が手にとるように伝わってくる。
これら写真が<争議絵葉書>となっていたことも驚きである。なんという社会的拡がりだろう。
今、一見、少数の勇気ある人たちの闘いが目立つて来た。すかいらーくの中島春香さんの闘いやコナカの店長やマクドナルドの高野さんの闘いもそうだ。ある意味で現代の「煙突闘争」とも言える。しかも、この方々の闘いは圧倒的多数の仲間や世論に支持されている。「過労死」や「名ばかり管理職」はすっかりマスコミに定着してしまったほどだ。
しかし、一方で、今はまだ煙突の下に押し寄せ、ハンストやデモで連帯する多くの労働者が実体として登場していないのも事実だ。<潮目が変わった>と軽々しくは言えない。
私たちは「煙突」の上で闘う英雄たちを決して孤立させてはならない。「煙突」の下で闘う圧倒的多数の労働者の決起・組織化を目指し奮闘したい。
<少数の奮闘がなければ多数の決起はない。多数の決起がなければ最後の勝利はない>