魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「37」

2017年12月28日 | 百人一首
百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「37」

※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。

和歌番号037 
作者:文屋朝康
author of waka:ASAYASU BUNYA(BUNYA NO ASAYASU)

原文
白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
(しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける)

現代訳
(草葉の上に落ちた) 白露に風がしきりに吹きつけている秋の野のさまは、まるで糸に通してとめてない玉が、美しく散り乱れているようではないか。

英訳
THIS lovely morn the dewdrops flash
 Like diamonds on the grass—
A blaze of sparkling jewels! But
 The autumn wind, alas!
 Scatters them as I pass.

Asayasu, the son of the author of verse No. 22, lived about the end of the ninth century. He is said to have composed this verse at the request of the Emperor Daigo in the year 900. To liken the dewdrops to jewels or beads (tama) is typical of Japanese verse. The picture shows the grass, and the dewdrops scattered on the ground in front of the poet.

解説
 文屋朝康(ぶんやのあさやす・生没年不明)は六歌仙に選ばれている文屋康秀の子どもですが、詳しいことは伝わっていません。
 しかし、文屋朝康は歌人としては有名で、延喜中に大舎人大充、大膳少進なども歴任したことが伝えられています。

 この和歌は、朝康がまだ弟子であった頃に詠まれた和歌だと言われていますが、繊細な自然の風景が巧みに表現されています。
 「白露」は色ではなく、清らかさを強調していますが、「散りける」によって、露が飛び散るさまをうまく詠んでいて、動きのある情景が浮かんできます。




★おススメ本★  

A Hundred Verses from Old Japan: Being a Translation of the Hyaku-Nin-Isshiu
Tuttle Pub


図説 百人一首 (ふくろうの本/日本の文化)
河出書房新社


百人一首の歌人列伝(業平、定家に西行…人気二十歌人の面白エピソードと代表歌を知ろう! )
歌林苑


本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/

厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。

そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。

※読みやすい文字サイズ&文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!
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