あなたの左を右に見て
わたしの右を左に見る
向き合うとはそう言う事
並んで歩く道が好きだった
時折触れる右手と左手
付かず離れずの安心感
先行く背中を追う時も
振り向き差し出す手のひらに
繋ぐ温もりを感じてた
どちらが先かも方向も
別々のイキモノだから
時に向き合い真正面を見る
涙が声になった時伝わる言葉がある
言葉にならない
息が詰まって声にならない
どうしてこんなに苦しいのか
どうしてこんなに痛いのか
止まらないなら泣けばいい
分からないなら叫べばいい
答えを望まなくても
やさしさを求めなくても
自分を恥じても
人を羨んでも
丸めた背中に手をあてて
羽の形になったなら
少しだけ羽ばたいて
少しだけ顔を上げて
自分を信じて
人を信じて
同じ日時を知ってる人は
億の数を超えるけれど
足元に咲く小さな花に
しゃがみこんで話しかけたり
目覚めたばかりの淡い星に
おはようの挨拶をするのは
あなただけ
話す言葉が吸い込まれそうな
深くて澄んだ瞳の奥は
花の言葉を知っている
星の光がたどる道を
見つめてる
ただいまと言える場所
探し疲れて迷子になる
惰性みたいな習慣がくせになる
与えられたキセキに感謝して
比べることなく受け入れる
見つめる絆に名前を付けて
ほどけないようしっかり結ぶ
考えなくてもそこにあったから
悩まなくてもここに戻った
大人になるという事
自分で決める人生
考えて悩んで選んだ場所なのに
自分にだけ聞こえるただいまの声
ノックに耐えうる頑丈さと
伝わる透明感を持っていたら
壊れる前にドアを開いて
泣き顔だって迎え入れる
子供のままのやわらかさで
大人の分別を包み込んだら
奥底をのぞきこむより
空の高さを求めたはず
いつのまにか慣れた化粧が
本物の顔にすり替わって
これがいつもの自分だと
思う前に素顔になりたい