スタート地点の記載がなかったので
何歩進んだのかいつ始まったのか
何処を目指しているのか知りたくなった
細やかな疑問でも言葉にすると
目標のない意欲の欠片も感じない
流されるままの軽さがにじみ出る
丁寧に一歩ずつ後ずさりして
昨日の記憶を今日に置き換えながら
始まりを模索する
分かったところで意味は無く
後悔は生まれてもやり直しはない
だから今日は歩幅を広げ一歩行く
見慣れない文字が心を惑わせる
似たような形でもダメ
同じ響きでもダメ
順番が違っていてもダメ
脳内変換する前に
勝手に受け取った言葉
自分勝手な偽りでも
蜃気楼のオアシスでも
間違いだらけの判断力でも
思い込んだらそれが答え
問い詰められても逃げるだけ
今はただいっぱいで
これ以上は見つからなくて
魔法の呪文も聞こえない
見えたなら心の中も分けられる
あっと言う間も羊の数も
同じ流れのはずなのに
漂う心はまちまちで
思うようにはいかないもの
考える暇もなくとか
永遠に続く羊の群れとか
どちらも心の持ちようで
自分の中から出来ている
目で見る時計の針に聞く
正確に確実に次に進める力
光年の時を経ても平等に
この星まで届くキセキ
見逃すことが無いように
何度も何度も繰り返し
集中場所を区切ってまで
目も耳も開いていたけど
なんでかな
記憶のメモリを開いても
同じ所で光ってしまう
まぶしい輝きで思い出せない
それでも上書きするために
夢見る時間を削っても
現実の世界を覚えようとした
境目のない時間の物語
真ん丸な見方をするために
トゲトゲを少し削ってみた
正面から映っても逆さまになるのだから
頭の中までやわらかくしなくてはいけない
見極めるなんて大げさなことでは無く
心に響いたままを頭脳で解析する
その時の気分でその時の温度で
くるくる変わる難儀な精神でも
干からびた心に涙の潤いを落として
潤んだ瞳に真ん丸な輝きを宿して