鳥無き里の蝙蝠☆改

独り言書いてまーす

【ゲーム考察】ドミニオン布教の章 〜みんな大好き魔女民兵〜

2018-09-24 23:40:11 | ゲームデザインについて独り言

Twitterでもつぶやいたことだが、ドミニオンをプレイしてもらって、最速でこの面白さにはまってもらうためにはどうすればいいだろうか?

プレイヤー当人のスタイルや趣向に依存してしまう部分はどうにもならないとしても、こちらで用意するサプライには工夫の余地が多くあるように思える。

ドミニオンを知ってからまだひと月近くしか経ってないうちに未経験の8人に教えてきた。その結果わかったことは、みんな「民兵」と「魔女」が大好きだということ。確かに未熟なプレイヤーにとって、礼拝堂で銅貨や屋敷のように期待値の下がっていくカードを廃棄したところでその価値から"楽しさ"を実感するのは難しいだろう。派手なアクションで爆ドローして金貨を買ってどかっと属州を買うほうが明確な"楽しさ"を得られる。ゆえに「村」などのキャントリップ至上主義が進んで、試合時間が伸びたうえに手札のコインは増えず当然属州は買えずに負けてしまって疲れの割合が増していく。

キャントリップを使いたい気持ちはよ〜くわかる。サプライに強力なカードが多ければ多いほど、単純なステロでは勝てないのでアクションカードを増やし尚且つ事故らないためにも+アクションカードは必要になる。だが、本来の目的を忘れてはならない。1枚で3コイン生み出す金貨は+ドローでコインを集めるよりもリスクが少ない。その唯一無二の金貨で属州を買うのが基本で求められる戦略なことは間違いない。初心者同士で雌雄を決するのであればなおさらだ。

俺の教え方が悪い可能性を完全に排除することはできないので、そのへんはなんともいえないのだが、いかんせん察しのよろしくない人は「6コインで金貨を買う」ということを失念しがちである。そして初心者ほど+2ドローに目がない。アタック無効もできて手番に2ドローもできる堀に謎の万能感を期待してしまうのである。民兵で落とされる2枚の変わりとして銀貨なり金貨なりを買うことも十分な対策になりうることを最短で理解してもらうにはどういう伝え方をすれば良いのだろう?

と、思う存分に綴ってみたが、そういう部分は本稿においては実はそれほど重要ではない。というのも何故かといえば、上達してもらうよりも先にドミニオンを楽しんでもらいたいからである。勝つにしても負けるにしてもその場その時間を楽しんでもらいたいのだ。

それにはドミニオンならではの良さのほうが、ドミニオンの戦略よりも初心者にとっては重要な気がしている。

デッキ構築、サプライ25種類前後で使われる10種類の組み合わせは何通りもあり、先手後手のプレイヤーの選択によって生じる戦略の道は何百本にも枝分かれしている。ゲーム一つのルールを知っているだけで何回遊んでも楽しめるゲームがここにある。もちろんドミニオンだけがその専売特許を得ているなどとは思わない。カタンのようにタイルがランダムで、慣れたプレイヤーでも遊び倒しているプレイヤーでも楽しめるゲームはそれなりに存在している。だがしかし、俺はドミニオンで遊びたい。

デッキ構築型でさえあればいいというのなら他でもいいのか?と言われるとそういうわけでもない。食わず嫌いなだけで他にも嵌まれるゲームはあるかもしれない。けれどドミニオンじゃなければ今はやりたくない。自分でも不思議に思ってる。

基本的に、サイコロを使うゲームはあまり好きじゃない。1プレイに40分以上かかるようなゲームもあまり好きじゃない。ドミニオンもターンあたりの処理や思考時間が長くなれば簡単に1時間を超えるだろうけど、自分が築き上げてきたデッキには不思議と愛着もあるし、責任のようなものも感じる。そこには自分の意思決定で満たされた結果の塊が束になって存在している。MTGや遊戯王のように、お金と時間をかけて構築した渾身の山札で勝利を掴みに行く。だがドミニオンでお金を消費する必要はない。主催の俺がカードを持ち込んでみんなと遊ぶからだ。

話が逸れた。

毎週のように遊ぶわけでもない知人から突然「ボードゲームで遊ぼう」と言われた時の気持ちが俺にはわからない。100%誘う側だからだ。得体の知れないボードゲームに小一時間前後付き合わされた時というのは一体どんな気持ちなのだろうか、俺にはわからない。100%付き合ってもらう側だからだ。

毎週のように遊ぶわけでもないとはいえ親しくないわけでもない相手からの誘いを断るのが申し訳ないからみんな応じてくれているようにさえ思ってしまう。冒頭でも書いたがかれこれ合計8人が今現在では「ドミニオン未経験者」から「ドミニオン知ってる人」になった。俺が強引に遊んでもらったからだ。だが、2度目以降をどうしたら良いのかわからない。そのうち2人は何度か繰り返し遊んでくれたが、それ以外は1度きりしか遊んでいない。趣向が合っていた人は「面白かった、ぜひまたやろう」と言ってくれてはいるが、その人の日常生活の中で、ドミニオンというどこぞのボードゲームを遊ぶ時間を捻出するという選択はどれくらいの心理的障壁突破を伴うのだろうか。簡単にいえば、変わった遊びのために小一時間前後を費やすというのは優先度がどれくらいなのだろうか、ということだ。今から君の家でトランプを使ってババ抜きをしよう、と言うのとなんら変わらない気がする。計¥20,000のトランプをこないだ買ったからそれを使って大富豪やろう。「こいつトランプごときに大金をはたいてやがる。頭おかしいんじゃないか」と思われるのと大差無い気がする。

だから俺は考えた。また遊びたい、と思ってもらうにはどうすればいいか。遊ぶ環境が快適なのは言うまでもない。なにかドミニオンや遊んでる時間以外のところで付加価値を設けるしかないのだろうか?脳死で連想したのが「魅力的な異性」に参加してもらってそれを餌に釣る。…なにそれ俺が釣られたいわ。鯛の刺身で鯛を釣ろうとするなって話。

「予定の時間まで少し暇を潰したいわね。あらやだこんなところに拡張が4つ入ったドミニオンの箱が落ちているわ。ねえあなたこれで遊びましょうよ」ぐらいなシチュエーションのほうがいいのだろうか。そもそもトランプやオセロというのは、修学旅行の宿泊先で就寝時間までの暇つぶし感覚で遊ぶものだ。暇つぶしでちょっと遊ぶと言うにはドミニオンの王国カードは少し片付けが面倒な気がするが、まあそれは置いておこう。

もういっそのこと好感触だった友達にはドミニオンを1つだけプレゼントしちゃおうかとすら思ってる今日この頃である。既婚者ならちょっとした時に遊ぶ機会が訪れることは珍しく無いだろうし、友達がよく遊びに来る家だったり、インドアが好きだったり、いろいろあるはずだ。そこに忍ばせておけば…(言い方悪いなw

実験という意味でも3つ程度ならスリーブ込みで忍ばせても経済的にそれほど負担にはならない。現状、景品のアマギフやiTunesカードの購入だけで拡張2つ買えるぐらい出費してるぐらいだし。


あぁあ〜。なんか良い方法ないかなぁあ〜。






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