我慢と諦め、忍耐と蓋

何か苦しいこと、辛いことがあっても
長いこと我慢を強いられるような
状況に置かれると、

人はしばしばそれを変えることの
できないものとして認識し、
対処することもせず、ひたすら
諦めてそれを変えていく可能性を
考えることすらしなくなります。

人生とはそういうもの、
と決めつけて、そういう設定の中で

生きるしかなくなるんですね。

そうなると、
不快な状況がデフォルトになるので、

自分がそれを不快に感じている
ということすら、認識しづらく
なっていきます。

そしてまた対処する可能性から
遠ざかるという悪循環を生みます。

そういうことを繰り返していると、
生きる気力自体が弱くなっていきますね。

本人にしてみたら、
傍から見たら何とでも言えるけれど、
自分にはそれ以外の選択肢が
全くないように見えているのです。

言い返す気力もなく、
一歩踏み出す勇気もなく、
様々な手かせ足かせを理由にして
動かないことを選択するんですね。

けれど、
我慢をしているというその状態は、
何かしら対処すべきものがある
ということを表しています。

それに対処するために、
ものすごく勇気が必要かもしれないし、
努力が必要で負荷がかかるかもしれません。

それでも、現状を丸呑みするのと比べて、
どちらが自分の人生を本当に生かす
生産的な選択なのか、よくよく
考える必要はあると思います。

苦しい時は、本当に逃げ場のない
ときもあるでしょう。

それでも、ひたすら丸呑みして
自分を閉ざし、耐えるのではなく、
自分の内なる声を良く聞いて、
最善を尽くしてその声に応えて
いくことです。

お馴染み、
鏡の法則を覚えておいででしょうか？

誰かが自分にしてくることは、
自分が自身にしていることでしたよね？

だから、誰かが自分に理不尽なことを
押し付けてくるのなら、
自分が同じように自身に全く同じ
理不尽なことを押し付けている
ということになります。

自分は単なる被害者ではない
ということを覚えておきましょう。

誰かから虐待されているのなら、
自分が自身を虐待しているのです。

私たちはしばしば、
自分が自身にこんなにひどいことを
しておきながら、それに関して
全く気づいておらず、無頓着です。

当たり前のように毎日
自分を傷つけるような暴言を吐き続け、
自分の意志を無視して勝手に
あらゆることを決め、自分には
発言権すら認めていません。

自分に自信が無くて、
内なる声にそもそも耳を貸さない人は、
お前は絶対に失敗するから
意見など聞かない、と言っているのも
同じでしょう。

このように、
鏡の存在を知らず、その使い方も
わからなければ、自分の世界を変える
カギを掴むことはできません。

不平不満だらけの状況は、
変えることのできない忍耐の試練
なのではなく、

なぜそれに対処しないのか？
という人生からの問いかけなのです。

道は必ずあります。

けれど、その道を行くには、
今の自分のままではダメなのです。

気づかなければならないこともあるし、
逃げずに声をあげる勇気をもっと
振り絞らなければならないのかも
しれません。

誰かや何かに責任転嫁をしている
その姿勢を改めて、引き受けることを
促されているのかもしれませんし、

言い訳をしたり、すり替えたりすることなく
苦しくとも、事実を受け止める
術を身につける必要があるのかも
しれません。

感情解放ワークでは、
諦めは蓋であり逃避であると
お伝えしています。

諦めずに蓋をしないでいると
辛すぎるから、諦めて
その苦しさから逃げるんですね。

蓋をしないで、きちんと向き合い、
自分を大切にして
応答すべきものに応答する
という選択をするとしたら、
今自分には何ができるでしょうか？

長いこと蓋をして生きてきた
在り方の癖を、改めて行きましょう。

蓋をするのが普通、ではないのです。

そういう認識を持って
自分の人生、置かれた状況について
振り返ってみれば、
それなりに課題は見えてくるでしょう。

すぐに動けないものもあるでしょうし、
ある程度の時間をかけて動かしていく
段取りを必要とすることもあるでしょう。

すぐにできることはどんどん
やってみれば良いのですから、
そういうことで弾みをつけると、
変化、活性化の勢いが出てきます。

それに従って、
あれほど枯渇していた生きる気力が
戻ってくるでしょう。

生ける屍をやっている時間が
勿体ないです。

それも経験だと、
やりたいならやれば良いですが、
必ずしも必要なものというわけでは
ないのですから、律儀に義理堅く
続けていなくても良いはずです。

自分に、変化していくこと、
生きる気力に溢れ、
快適に楽しく生きることを
許しましょう。

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