軌道修正のポイント

先日、ある知人の方が仕事でちょっとしたトラブルに見舞われ、それを上司に報告できずにいた結果、問題がこじれてしまったということがありました。最終的にはうまく収まったのですが、とても意義深い出来事でした。

水星逆行の期間ということもあってか、最初はうまく行っていたのに突如として問題が発覚し、すったもんだするということが多いようです。

その知人が伝えるべきことを伝えられなかった結果、どうしたのかというと、筋の通らない方法で問題を処理しようとしたのでした。「私が上司に言っても、伝わらない。だから、私じゃなく他の人に言ってもらおう」ということだったのですが、その「他の人」というのが本来部外者であるはずの私で、巻き込まれた形になりました。

一旦はお引き受けしたものの、どうにも腑に落ちない感覚があったので後日お断りし、その方にはご自身の責任を果たすように、とお伝えしました。「ご自身の伝える言葉の力を信じて」という言葉を添えて。

仕事でなくても日常の中で、「伝え辛いな。嫌な役割だな」と思うような場面はあると思います。けれど、その時に浮上している気持ちから逃げてしまうと、行動が歪んでいきます。つまり、その方のように本来在るべきでない方向へと流れていってしまうのです。

そうした流れに入った時、私たちは心のどこかでとても不快な感覚を抱いたり、何かしっくりこない違和感やうしろめたさを感じたりという形で内なる声のメッセージを受け取ります。この感覚に対してどう応答するのか、というところがその先の分岐点になるでしょう。

もしここで軌道修正できなかったとしたら、その後も繰り返し同じような不愉快な感情が浮上するような出来事が起こったり、同じパターンで嫌なことから逃げ続けるということを繰り返すでしょう。しかも、出来事の深刻さは増していきます。

感情というものについて探求してきて、今回起こった出来事の先がそのように読めたので、私は自分自身のためにも、そしてその方のためにも、ずるずると依頼を引き受けてしまうわけにはいかなかったのです。

その方の心には多分、これまで何度も自分の気持ちや考えを訴えても伝わらなかった、受け取ってもらえなかったという体験の記憶があったのではないかと思います。そしてそれらの体験で味わった失望感や悲しみが、「上司に伝え辛いことを報告しなければならない」という状況によって、無意識の内にも浮上してきていたことでしょう。

つまり、過去の受け止めきれなかった気持ちのエネルギーが、今この瞬間の場面によってトリガーされていたのです。その辛い気持ちが、その場面に「どうせ伝わらない」というフィルターをかけて、行動する前に諦めるという流れを作ってしまいました。

そんな真実ではないストーリーのフィルターから行動してしまったら、今回のように逃げるしか方法はなくなってしまうでしょう。その方はどこで方向転換する機会を失ったのでしょうか。

私がこの出来事の流れを振り返ってそのポイントを探すとするならば、報告を上げなければならない、という状況で嫌な気持ちが浮上したその瞬間です。

もしこの時にその方が自分の気持ちをしっかりと受け止めるということを知って、実行していたならば、「どうせ伝わらない」というフィルターは消え、ちょっと勇気は要るかもしれませんが、自身の責任から逃げずに上司に向き合えていたかもしれません。

「たられば」ではありますが、最終的にはその方は差し戻された課題をしっかりと受け止め、リカバリーされました。一度失敗したとしても、ちゃんと挽回の機会が与えられるというのは有り難いことですね。

一時的に混乱したように見えても、今回の件は関わったみんなに清々しい気付きを残していったくれた気がします。

感謝。（-人-）

イベント情報（詳細はＨＰへ）＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
【感情解放ワークショップ　～感情との上手な付き合い方～】
2016年9月14日（水）、24日（土）
基礎10：00～12：00（9：30開場） アドバンス13：30～16：00（13：00開場） 会費　各5,000円

【 満月の瞑想会】
2016年9月17日（土）17：00～20：00　（16：30開場）会費　5,000円（スイーツ付き）
ヒーリングゲート門前仲町サロンにて http://www.healing-gate.com/map1/index.html

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