私たちは何か不快なことが起こると、しばしばその原因となった相手を蔑んだり、見下したりして自分の気持ちを収めることがあります。けれどこれは心に蓋をしているだけなので、その奥に在る傷ついた気持ちをしっかりと統合して、根本的にクリアにしていきましょう。
先日、ちょっとしたことなのですがある出来事にイラッとしたことがありました。翌日にも翌々日にも似たような出来事が起こり、同じ感情が浮上させられたので「これはお知らせだな」と気づきました。
自分の感情に注意深くあると、こうした「些細な出来事」の中にあるサインをしっかりキャッチすることができます。
お知らせが「些細」な出来事である内に応答しておくと、出来事がそれ以上こじれたり、より大きく深刻さを増したお知らせがやってくることがなくなるので、日頃から自身の気持ちと対話することは、安らかに人生を生きる上では大事なことだと思います。
そんなわけでイラッとした出来事の場面に意識を持って行って、不快な感情を感じてみました。すると胸の辺りにムカムカする感情がありました。
最初の出来事のとき、私は確かにこの気持ちに気づいていましたが、その場では無意識に抑圧してしまっていました。せっかく浮上してくれたのに、スルーしてしまったのですね。
気持ちのカケラ君にしてみたら、「ほら、僕はここに居るよ!解放してよ!」と目の前まで現れたのに無視されてしまって、さぞかしがっかりしたことでしょう。すぐに翌日、翌々日と、また自分を浮上させる出来事を引き寄せて、「ねぇ、解放してったら!気づいてよ!」と呼びかけてきているわけです。
ようやく気づいて意識を向けているところなので、カケラ君も期待感一杯に成り行きを見守っているでしょう。
私は胸のムカムカを身体でしっかり捉え、命の呼吸をしながらこう呼びかけます。「君の言い分を、何でも聞くよ。言ってごらん」と。
すると、カケラ君は「すごくイヤだ」と言っています。何がイヤなのか聞いてみると、「相手の不注意の尻ぬぐいをさせられたのがすごくイヤ」なのだということでした。
尻ぬぐいと言っても、出来事自体は大したことではないのですが、浮上させられたカケラ君の苦しみがそれだけ大きかったということなのでしょう。
さらにカケラ君は言います。「もっと意識的に行動していたら、感情のままに動いてこんなに気軽に相手に面倒をかけるようなことはしないだろうに。その無責任さがイヤ」と言っています。
う~~~む。これって、普段私自身がやってることなんですよね~~~~。(--;
耳が痛いです。
今回の3つの出来事でこれは自分だと薄々気づいてはいましたが、カケラ君にズバリ指摘されてしまいました。
実は先日も、新しく学び始めたことで分からないことがあり、ドツボにはまって混乱した気持ちのまま、講師の先生にメールしてしまったということがありました。しばらく時間を置いたらあっさり解決してしまって、慌てて謝罪したのですよね。
他の人にかけられた迷惑は思い切り不快に感じるくせに、自分がやっていることはそれ以上のことなのですから、まったく呆れてしまいますね。
カケラ君、教えてくれて本当にありがとう。
ここまで気づいて、大分胸のムカムカも収まってきたのですが、ワークはこれで終わりません。ワークを実践されている方のほとんどは、多分この辺りで「もうやらないようにしよう」と頭で納得して終わらせているのではないでしょうか。
実はさらに先があるんですね。ここをしっかり押さえて、完全にクリアにして行きましょう。
出来事の相手を見て、なぜ相手がそんな行動をするのか?じっと想像してみましょう。相手は、感情が浮上したらすぐにそれを自分で持て余し、駆り立てられるようにして私に接触してきています。
そもそも、自分でその気持ちを受け止めるという概念が無いように見えます。だから相手を巻き込むことで自分の気持ちを少しでも軽くしようと、無意識にそういう行為をしているのですね。
そうかぁ。私は自分の気持ちを受け止める概念を持っていなかったのか。。。
ある種の感情に対してはできているつもりでも、混乱、不安といった気持ちはまだまだ放り投げてしまっていたようでした。
相手という「鏡」を覗き込みながら、さらに見ていきます。その人は、放り投げているこの気持ちを受け止めていけるだろうか?と見てみると、また別の感情が浮上して、奥の方で少々複雑そうな様相があるように見えました。
けれど最終的には、気づけば混乱しつつも、方向性をしっかり意識しながらやれば、ちゃんと受け止めていくんだろうなと見えました。
相手の中に見るものは、自分の中の心の在り様です。解放までの道筋や、引っかかりそうなポイントをそのまま見せてくれます。これを地図にして、解放していけばいいのですね。
カケラ君との対話と鏡を上手に使って、しっかり心のわだかまりをクリアにして行きましょう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます