秋田美人…

その姿端麗にして
肌は氷のように透きとおり
髪は真新しい織物よりも艶やかく
瞳は黒い宝石の如く深く潤み
声色は鳥が囀るように心地よく
笑うと零れる歯は
小さく白くならびよく
茶を点てる細い指の爪先は
水晶の欠片の如く静かに光り
仕種振舞のひとつひとつは
まるで人形のように愛らしい…


その秋田美人は今年、84歳になる…

国のする事…

原爆投下から67年の今でも
「被爆者健康手帳」は不備を残し
認定から漏れた人々の悲痛な叫びは
容赦無く切り捨てられ
水俣病でもこの国の政府は
未認定患者の申請を打ち切った…

この国の権力は
三たび核に晒された福島でも
同じ事を繰り返そうとしている…

国のやる事は政治に都合よく
そしてそれはいつも、非人道的だ…

秋田杉国壱番…

能代市…
この辺りの杉は日本で最も高く
多くの四季を繰り返した物の中には
58米を越える杉もある…
それは15階建のビルの高さ…

飾られていた年輪を数えてみたら
事もあろうに154輪目で見失い
数え直した二回目は180を過ぎた所で
地元の人に話しかけられた…

もう一度数え直そうと思ったが
二度ある事は三度ありそうなので
私は負けを認めました…