三内丸山遺跡の終…

小供の頃に習った歴史教育の中で
僕達は朧朧に
この国の文化は西の方から広がったと
擦り込むように教えられてきた…

しかし縄文文化のその多くは
主に東日本で花開き
主要とされる遺跡の6割も
東北や北海道という地域に集中している…

気候の寒冷化による人口の南下と激減
西日本への渡来人流入で
それがやがて
逆転していくことになるが
東日本と違い北日本は
それ程の影響を受けてはいない…

ただ、その時代を
この国の歴史とするならば
その中では、天孫降臨も大和神話も
多くが否定されてしまう…

僕は、本当の歴史だけが知りたい…

三内丸山遺跡の十…

出土した翡翠玉は
新潟富山県境の糸魚川を原産とし
石器や装飾品に加工される黒曜石は
北海道から…
この時代既に行われていた
漆器工芸の材料は
津軽半島北端より運び込まれている…

人々は航海術を持ち
遠方との交易文化の交流を重ね
地理的に見れば
中継交易をしていた可能性も高く
博物館のお姉さんの話では
酒造りをしていた確率も高い…

そのお姉さんは
声の透き通った美しい人だったが
残念ながら
お姉さんについての情報は
何ひとつ仕入れる事が出来ていない…

三内丸山遺跡の九…

立柱建造物跡…
その穴と穴の隔たりは全て4.2m…
この時代の建築には35cmを基準とした
縄文尺が存在していたという…

建築材は主に、腐蝕しづらい栗が使われ
土中に埋まる根元は火で炙り炭化させ
木を切り出した跡には植林が施され
森が培養され、実は食となり
1,500年にも渡りその暮らしを支えた…

三内丸山遺跡の八…

竪穴式住居…
不意にオナラが出てしまった時に
周りの人と思わず目が合った経験って
ありませんか…

僕はその経験を
竪穴式住居の中でしました…
その人達は
無言で出て行きました…

しかし、香りの籠もっているうちに
違う人達が入ってきました…

人生、色んな事が起こります…

三内丸山遺跡の七…

網代編み籠…
ヒノキ科針葉樹皮で編まれたカゴは
地中深い泥の層に埋もれ
空気に触れる事がなかった為に
5500年前の姿を今ここに残している…
縦16cm×横10cm…

「アミシロ編み」の名で呼ばれる
今も伝わる技法で編み込まれ
中には半分に割れた
クルミの殻が入っていた…


そのビジュアルは
コンビニ袋をカバンに使う僕より
はるかに洒落ている…