椿が咲き
メジロが蜜をついばんでいます
行き交う子供たちの声が
小正月を知らせています
夜になると
竹に餅をさした子供たちは
どんど焼きに今年の健康祈ります
子供たちの歓声と炎は
暗闇から飛び出しています
赤い炎は
心の花を照らすように
餅をこがしてゆきます
松飾りは煙となって
年神様と天にのぼっていきました
昔よりも小さくなったどんど焼き
けれど炎は今年も途切れることなく
あのころのまま
祈る気持ちを約束していくのです
澄んだ風音が聞こえてきます
ふと遠い母の姿が思い出されます
伝えきれなかった私の思いは
どんど焼きの匂いに混じって蘇ります
忘れ物を集めたように
暗闇の中に
赤い椿が見えたのは
逝った母とおない年になった私に
今年を生きよという母の声なのでしょうか