Wind Letter

移りゆく季節の花の姿を
私の思いを
言葉でつづりお届けします。
そっとあなたの心に添えてください。

初夏のレストランひとり

2020-06-29 14:53:58 | 詩作品

 

                             高安ミツ子


 

              

 

 

        高層ビルのレストランから見下ろす
       林立したビル群は
       人の英知が作った高さで並んでいる
       ビルは風の気配さえも気づかず
       乾いた姿で雨の中にあった

       束ねた年齢が重くなったからだろうか
       外の風景に結べない私の心
       せめて一本大きな山桜が眼下に広がり揺れていたらと
       むしょうに命ある花々が恋しくなる

       レストランは都会の絵の具を絞り出し
       時代背景をなぞっているように
       華やいだ人物を描いている
       テーブルは若さのドレスに包まれ
       鮮やかな小旗がこぎれいに揺れている

       満ち足りたこの空間に
       座りごこちの悪さを感じながら
       私の小旗を小さく振っていると
       ふと私の涙を結ぶことが出来る記憶の風景
       悠久さをみせた川や
       川辺に咲くニセアカシアが蘇ってきた

       人が涙を結べる記憶の風景は
       粉雪ような淡い生き物になって
       この国には長い間降り続けている
       誰の心の片隅にもそして私にも届いていて
       心が乾いているとき いつも涙を飲み込んでくれる

       見下ろしたビル群は遠く曇天にそびえ
       ひとり初夏のコーヒーを飲む私は
       記憶の風景を重ねたレストランで
       今日のページを繰ろうとしていた

             

 

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私の四季

2020-06-09 15:19:43 | 花物語

                 

               

 

 コロナ騒動で出かけない日々が続きますが、私は退屈することなく静かに過ごしております。

見えない不安や日常の不便さはありますが庭の花々に心が癒されています。

実際に手に触れる花々は考える時間と生きる力を知らせくれるように思えるのです。

アメリカの絵本作家で自らが住む広大な庭に季節の花々を育てた「ターシャー・チュダー」の

言葉がふと思い出されます。

「みんな 本当に欲しいのは物ではなく心の充足です。幸福になりたいとは心が充たされたということでしょう」

庭の花の世話をしているとふとそんな言葉が思い出され、花々の彩に心が充たされます。

今年も咲いた紫陽花の花を眺めながら人や家族や夫婦の時間に感謝したい思いが自然と湧き上がってくるのです。

我が家は仏壇や床の間や各部屋が紫陽花尽くしとなっています。

移り行く季節の中で6月の花は春の輝きとは違い落ち着いた時間を作り懐かしさが感じられる季節です。

我が家に咲く花をご覧ください。

私のHPを総リニューアルしましたよろしかったらご覧ください。

http://www1.odn.ne.jp/~aap60600/mitsuko/wind.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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