Wind Letter

移りゆく季節の花の姿を
私の思いを
言葉でつづりお届けします。
そっとあなたの心に添えてください。

新雪

2018-02-28 19:07:08 | ~詩でつづる私の七二候~

                    

 

     

 

   

          静寂が似合う初雪が

          ささやくように 

          紅梅や椿の蕾に

          そしてヒヨドリに降りつもっています

 

          白い風景は懐かしさを連れて

          無言のまま                                                  

          雪 雪 雪 私の上にも降りつもります

          初雪は思い出をからめて

          やさしく私を立ち止まらせてくれます

 

          ふいと眼の奥に

          私の記憶の雪だるまが

          いくつも蘇ります

          いくつもの季節を通り過ぎた私の感情が

          さわさわと新雪に溶けはじめていきます

 

          年齢を重ね密度をましたこの思いは

          身軽さがない私の心を痛くするけれど

          やってくる新しい春よ

          首をかしげながら年相応に微笑んでいる私に

          春への誘惑

          あの雲雀のさえずりを聞かせてほしいのです

 

          幼子に呪文をかけるように

          初雪は静かに降り積もっています

          みやると目鼻がついた雪だるまが

          冬のよちよち門番のように

          まあるい子供の声に包まれています

 

 

 

 

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