夏の終わりから咲き始め、涼しさが増すと日中も咲き続け、
初冬まで見られる朝顔は『天上の碧』です。その鮮やかな色彩には心動かされます。
花と詩のコラボにしました。
高安 ミツ子
「真珠の耳飾りの少女」
そのターバンの色
フェルメールブルーが
ヒマラヤを越え
季節風に乗ってやってきました
フェルメールブルーは
日本の四季をくぐり
花を青く 青く染めてゆきました
蔓は木々に絡み
晩夏から晩秋を縫い合わせ
碧の命を広げていきます
私の物語が終章を迎えたように
冬の気配が近づいていても
ひたすら
日輪と月影の間を咲き続けていくのです
ふと私の肩に手を置くように
風景の優しさがあるこの色彩の調べ
ああ しみじみと記憶の波打ち際で揺れる
フェルメールブルー「天上の碧」よ
(「天上の碧」は青く咲く朝顔)