郊外の父の家は、長年空き家状態が続いている。
高度経済成長時に開発された高台の住宅団地で、ちょうど世代交代の時期を迎え、うまく交代ができた家は建て替えがされ、地元で生活しなくなった家では次の主に売り渡される。
お隣は都銀勤めの老夫婦の終の棲家であったが、夫婦とも亡くなった今は相続人によって、転勤族に賃貸されている。
現在の賃借家族が住まうようになってから、父の家の庭が目に見えて荒れ始めた。
定期的に訪れるも、毎回アイスクリームのカップやペットボトル、缶ジュースの缶の潰されたのなどなど様々なゴミが散らばっていて、それを一つ一つ拾ってゴミの収集日に出すという作業を繰り返してきた。
塀にボールを投げ、庭に入りこんで飲食を楽しんでいるのだ。
昨夕訪れた際には、塀に一円玉が4枚積み上げてある。
手前の溝には、泥落とし用のマットが斜めに置かれ、飲食あとのゴミも庭のあちこちに常にも増して散乱している。
隣家は大家族。
子供が4~5人はいるだろうか。
美しかった京風の隣家の佇まいは、ここ5年余りで無残なものになっている。
隣家の玄関を入ってゆく子供に声をかけ、我が家の敷地に影響している状況を尋ねると
「ぼくやってないもん!」と叫び玄関に入って行った。
何年か前、君のお兄さんと思しき男の子にお尋ねしたときにも、同じことをいってたなぁ。
「ぼくやってないもん!」って。
君がやったのじゃあないかい?って言ったことはなく、この現状をお尋ねしただけなのだけれどもね。
一円玉の件を尋ねてみると
「それはお兄ちゃんだ」
と、「ぼくやってないもん!」の弟と後から出てきた妹が揃って言う。
「だって、一円なんかいらないって言っているもの」
一円をおろそかにするのは君達のお兄ちゃんの勝手だが、我が家の塀に積み上げるのはご遠慮申し上げるよ。
迷惑料を請求するのだったら桁がいくつも違ってくる。
ちょっと顔を出した母親は、指導などしない。
自由奔放な子供たちが、実に気ままに育っている。
どうか早く転勤していって欲しい…と切に願っている。
高度経済成長時に開発された高台の住宅団地で、ちょうど世代交代の時期を迎え、うまく交代ができた家は建て替えがされ、地元で生活しなくなった家では次の主に売り渡される。
お隣は都銀勤めの老夫婦の終の棲家であったが、夫婦とも亡くなった今は相続人によって、転勤族に賃貸されている。
現在の賃借家族が住まうようになってから、父の家の庭が目に見えて荒れ始めた。
定期的に訪れるも、毎回アイスクリームのカップやペットボトル、缶ジュースの缶の潰されたのなどなど様々なゴミが散らばっていて、それを一つ一つ拾ってゴミの収集日に出すという作業を繰り返してきた。
塀にボールを投げ、庭に入りこんで飲食を楽しんでいるのだ。
昨夕訪れた際には、塀に一円玉が4枚積み上げてある。
手前の溝には、泥落とし用のマットが斜めに置かれ、飲食あとのゴミも庭のあちこちに常にも増して散乱している。
隣家は大家族。
子供が4~5人はいるだろうか。
美しかった京風の隣家の佇まいは、ここ5年余りで無残なものになっている。
隣家の玄関を入ってゆく子供に声をかけ、我が家の敷地に影響している状況を尋ねると
「ぼくやってないもん!」と叫び玄関に入って行った。
何年か前、君のお兄さんと思しき男の子にお尋ねしたときにも、同じことをいってたなぁ。
「ぼくやってないもん!」って。
君がやったのじゃあないかい?って言ったことはなく、この現状をお尋ねしただけなのだけれどもね。
一円玉の件を尋ねてみると
「それはお兄ちゃんだ」
と、「ぼくやってないもん!」の弟と後から出てきた妹が揃って言う。
「だって、一円なんかいらないって言っているもの」
一円をおろそかにするのは君達のお兄ちゃんの勝手だが、我が家の塀に積み上げるのはご遠慮申し上げるよ。
迷惑料を請求するのだったら桁がいくつも違ってくる。
ちょっと顔を出した母親は、指導などしない。
自由奔放な子供たちが、実に気ままに育っている。
どうか早く転勤していって欲しい…と切に願っている。