私のつれづれ草子

書き手はいささかネガティブです。
夢や希望、癒し、活力を求められる方の深入りはお薦めしません。

御家人斬九郎

2010-03-26 | 2見る・読む・聴く
時代劇チャンネルの、御家人斬九郎デジタルリマスター版を見るのが、目下私のささやかな楽しみである。

渡辺謙扮する松平斬九郎が、めっぽう強いのにも関わらず、情に厚い優しい男であるのがたまらぬ。

時代は明治維新前夜。

崩壊しかかった封建体制のもと、おかしな悪事が庶民の行き交う社会にもたくさん見受けられるのだ。
それを、斬九郎が、実に健全な正義感とめっぽうあたたかい気持ちでもって、ばっさばっさと斬ってくれるものだから、私はカタルシスを覚えさえする。

現代も多分、ひとつの時代が崩壊する前夜に位置するのだろうけれど、平成の松平斬九郎は現れないものだろうか。

ほぼ最終バージョンに入った放送。
若村麻由美演じる蔦吉姐さんの踊る手に、指輪がきらりと光る…というあり得ない修正漏れ箇所も、きっちり見つけて録画し満足。

デジタルリマスター版で、女姿で艶やかに踊る場面で、正面から指輪の映り込んだ画面はカットされていたようだけれど、若衆姿で踊る掌に光る指輪は、修正されないまま映像として残っていた。
ある種のお宝映像なのだろうが、修正をかけるたび、本来の演出からずれた作品になってゆくわけで、やはり大きなミスだろうと思う。
異なる衣装での指輪装着画面があるということは、指輪をはずさない演技はあるいは確信的だったのか、それとも、チェックが甘くならざるを得ないほどの、急ごしらえだったのか。

まぁいずれにしても、御家人斬九郎…傑出した時代劇であることに間違いないと思うのだった。
コメント
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