右大臣家の長女の苦悩
私は左大臣家の者で、妻は右大臣家の四女。つまり長女の皇后さまの妹。ということは、源氏殿が左遷されたとしても我が身は安泰であったが・・・。
右大臣家には6人の姫がおり、みな美人ぞろいで、それぞれ地位のある者と縁をもっていた。そんな関係で、ずっと昔に皇后様にお目にかかったことがあるが、今ほど陰湿で嫉妬深さはなかった。
私の思うには、宮中に上がり、帝の子を産みながらも后になれないことや、亡くなられた桐壺の女御や、ご出家された藤壺の中宮ほど愛されていなかった。女としての口惜しさは尋常ではなく、長年の恨みつらみが、爆発的にでたのではないだろうか。
確かに、一番下の妹 朧月夜の姫 の操を源氏殿に奪われ、計画が狂った口惜しさはあったとしても、その程度のことは宮中の駆け引きのなかでめずらしくはないことだった。
男の邪推かもしれませんが、今は皇后の座になられた長女には、もはや危険を冒してまで、言い寄る殿御はおらず、女盛りでありながら一人寝の寂しさ、狂おしさがなせた仕打ちではないだろうか。
私は左大臣家の者で、妻は右大臣家の四女。つまり長女の皇后さまの妹。ということは、源氏殿が左遷されたとしても我が身は安泰であったが・・・。
右大臣家には6人の姫がおり、みな美人ぞろいで、それぞれ地位のある者と縁をもっていた。そんな関係で、ずっと昔に皇后様にお目にかかったことがあるが、今ほど陰湿で嫉妬深さはなかった。
私の思うには、宮中に上がり、帝の子を産みながらも后になれないことや、亡くなられた桐壺の女御や、ご出家された藤壺の中宮ほど愛されていなかった。女としての口惜しさは尋常ではなく、長年の恨みつらみが、爆発的にでたのではないだろうか。
確かに、一番下の妹 朧月夜の姫 の操を源氏殿に奪われ、計画が狂った口惜しさはあったとしても、その程度のことは宮中の駆け引きのなかでめずらしくはないことだった。
男の邪推かもしれませんが、今は皇后の座になられた長女には、もはや危険を冒してまで、言い寄る殿御はおらず、女盛りでありながら一人寝の寂しさ、狂おしさがなせた仕打ちではないだろうか。