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気ままに生活してるシニアの残日録

映画「僕が宇宙に行った理由」を観た

2024年01月09日 | 映画

近くのTOHOシネマで映画「僕が宇宙に行った理由」を観た、シニア料金1,300円。2023年、監督平野陽三。今日はプレミアムシートの部屋だった。座席数が少なく、普通の部屋よりシートが大きく、となりのシートの間に20㎝くらいの幅のテーブルがある贅沢な部屋だ。20人くらいは入っていたか。

この映画は、日本の民間人として初めて宇宙旅行を成し遂げた実業家の前澤友作に密着したドキュメンタリー。前澤氏はご存知の通り、衣服の通販サイト(株)ZOZOの創業者で、ZOZOを上場会社まで発展させ、Yahooから買収提案を受けるとこれに応じ、持ち株を売却して2,400億円を手にし、経営者の地位を降りた人だ。

映画の中で前澤氏は「自分はゼロを1にする能力はあるが、1を100にする能力はないため、経営者を辞任した」と述べている。これは1つの見識であろう。ベンチャー企業を作り、新たなビズネスをはじめ、これを成功させるまでの能力と、個人企業から脱し東証一部に上場するほど大きくなった会社を維持・発展させていく能力とは別物であろう。その両方ができる人は少ないはずだ。その点で私は前澤氏に共感できる。

巨額の富を手にした前澤氏は、ベンチャー企業に投資するファンドを立上げ、もう既に10社以上のベンチャー企業に投資しているようだ。また、地元や災害地域に寄付をするなど慈善活動も多くされているようで感心だ。ワイン、高級車、現代アートのコレクターとしても知られている。これらのことをしてもまだまだ十分財産があるだろう。子供の頃からあこがれていた宇宙に行ってみたいという夢が叶う可能性があることを知り、実現に向けて計画を練り、一つずつ実行して、遂にその夢を実現させた。その過程をドキュメンタリーとして追ったものがこの映画である。

この映画を観ると、宇宙に行くための準備がいかに大変かよくわかる。先ずは宇宙に行けるだけの健康状態、精神状態になっているかの試験がある。これにパスしないとスタートラインに着けないが、これが簡単ではない。前澤氏は2回目で合格したが、同僚の平田氏は鼻の手術とか歯の手術とかをして何とか合格した。その後、無重力状態で活動ができるようになるための知識の習得、フィジカル面でのトレーニングが延々と続く。軽いノリで宇宙に行ってきます、というような簡単なものではなく、相当な覚悟と忍耐力、精神力、体力などが求められることがわかる。

今回、氏の宇宙旅行に協力したのはロシアのチームでロケットもロシア製のソユーズというのが皮肉だ。前澤氏が宇宙旅行に行ったのは2021年の12月、ウクライナ侵略がある2ヶ月前である。チームのリーダーはロシア人である。訓練の場所、サポートチームもロシア人中心だ。ZOZOの創業者だった頃から氏は戦争の無意味さを感じ、東証での上場セレモニーで鐘を叩くときも会社のメンバーとTシャツにNOWARと書いてアピールしていた。宇宙から美しい地球を観て、世界のリーダーはみんなここに来るべきだと訴えていたのに宇宙から戻ったら戦争が起こったとはなんたる皮肉か。

前澤氏のようなタイプの人間は一流会社に就職しても出世はできないであろう。しかし、氏が言うように、大会社で活躍する人とゼロから事業を起こして大きくする人は同じタイプの人間ではない。日本はもっと前澤氏のようなタイプの人もどんどんでてくるよう、考え方を変えていかなければいけないだろう。そのためにも前澤氏のような成功したベンチャー経営者の皆さんには、築いた財産を公益、慈善活動、その他世のため人のために積極的に使って、自らもその活動に従事するなどの貢献もし、世の中から尊敬を集め、若い人たちの憧れの存在になるよう活動してほしい。


2023年ミュンヘン旅行(その8)(2024/1/9追記あり)

2024年01月09日 | 2023年ミュンヘン旅行

(2024/1/9追記)

本日の新聞で、サッカーの元西ドイツ代表、監督を務め、選手としても監督としてもワールドカップ優勝を勝ち取ったフランツ・ベッケンバウアー氏が亡くなったと報じているのを見つけた。享年78才。ショックである。ご冥福をお祈りするとともに、素晴らしいサッカーを見せてくれて有り難うございました、と申し上げたい。下記投稿で触れたとおり、昨年のミュンヘン旅行で彼が所属していたFCバイエルンの本拠地アリアンツ・アリーナを訪問したばかりだった。

 

(以下、オリジナルの投稿)

今日は事実上、最終日の6日目。今日もミュンヘンを中心に訪問してみた。

今日の午前中の予定は11時からクラシック音楽コンサートを聴きに行くことだが、それまでの時間で街の中でまだ見てないところを少しだけ歩いてみようと思い、トラムに乗って街の一番東側のイーザル門まで行ってみた。

結構立派な門で、初日にみたカールス門のちょうど反対側の門になっている。この門を見ながらそこから市の中心街に伸びる道を歩き、朝の街の雰囲気を味わった。しばらく歩くと市庁舎のあるマリエン広場に出た。そこから今日のコンサートのあるミュンヘン・アーティスト・ハウスまでトラムを1区間だけ乗った。

11時からのコンサートの模様は別投稿で書くつもりだが、今日は雰囲気だけでも伝えたい。実は、滞在中に青木尚佳さんがコンサートマスターとなっているミュンヘンフィルの公演が聴ければ良いなと思って探したが、それは無く、ミュンヘンフィルのメンバーによる室内楽コンサートがこのアーティスト・ハウスで開催されるというので、そちらに行こうと思い、日本でネット予約した、値段は1人24ユーロ。

11時から1時間半の小コンサート。このアーティスト・ハウスというのも古い由緒あるところで、室内は贅沢な内装の倶楽部というかサロンという感じの小ホールだった。ゴダーイ、ドボルザークの、バイオリンとチェロの二重奏曲と弦楽四重奏曲2曲が演奏された。我々以外は全員白人だった。古いホールなので外を走る救急車のサイレンの音が聞えたりした。

コンサート終了後、どこかで昼食と思い、ミュンヘン中央駅までトラムで移動して、グーグルマップで検索してバイエルン料理店に入ってみた。昼時を過ぎていたせいか直ぐに入れて、店員にお勧めを聞いて、おいしく頂いた。

さて、この後の今日のメイン・イベントはサッカーのFCバイエルンの本拠地、アリアンツ・アリーナのミュージアムとスタジアムのガイドツアーの参加である。スタジアム最寄りの駅まで地下鉄で30分くらい、そこから歩いて15分くらいかかる。

到着して先ずはショップに寄ってお土産を物色する。私はキーホルダーとゲルト・ミュラーの背番号の着いたユニフォーム、そして帽子と決めた。

その後、ミュージアムに入り、欧州カップなどの優勝カップ、表彰盾、ユニフォーム、歴代のチームの戦績などの展示を見たり読んだりした。FCバイエルン(バイエルン・ミュンヘン)と言えば、私の場合、なんと言ってもフランツ・ベッケンバウアーだ。

ちょうど高校生の頃だったと思うが、サッカーに熱中した。その時、以前も紹介したがテレビで三菱ダイヤモンドサッカーという番組があって、欧州サッカーの試合を放映していた。その中でも特に印象に残っているのがベッケンバウアーだ。彼のアウトサイドキックによるイマジネーション豊かな、かつ、華麗なパスに魅せられた。サッカーをやっている誰もがマネした。その彼と一緒にプレーしたミュラーなどが記念館の中のHall of Fameメンバーとして大きく展示されていた。ベッケンバウアーが西独代表メンバーとして活躍した1974年ワールドカップ決勝戦の模様はDVDに録画して保存している。

その後、いよいよスタジアムのガイドツアーだ。ここも英語コースを選ぶ。時間は1時間、値段はミュージアムと合わせて22ユーロ。20人くらいが参加。中国人か韓国人と思われる人が3,4人いた。毎15分ごとに予約時間が設定されており、人気があるようだ。


(写っている人はガイド氏、掲載ご容赦)

まず、スタジアムに入り、客席からスタジアム全体を見ながらスタジアムの概要を聞く、建設当時バイエルン本拠のチームが2つあったが2つスタジアムを作るわけにはいかないので共同のスタジアムとしたとか、声が良く響くスタジアムだとか、VIP席やスポンサー席、その値段(その年間料金が1千万以上と言うからすごい)とかいろんなことを教えてもらう。


(グラウンドにあるピンクの機械は人工太陽)

別の角度からの座席に移り、芝の育成方法、人工芝が5%入っている理由とかドーム型で天井が開いているので雨や日光が当たる部分に差が出るのでその対応とかいろいろ聞く。

その後、ロッカールーム、プレスルーム、選手が試合開始前に入場待機する場所、ベンチ、ベンチ前のグラウンド脇などに案内され、みんな写真を撮りまくった。

このガイドツアーというのは海外旅行の時は大いに活用すべきだと思う。歌劇場やサッカー場だけでなく、国会議事堂のガイドツアーにも参加したことがあるが面白かった。


(銅像はゲルト・ミュラー)

このアリアンツ・アリーナの外観はガイド氏の説明では200色以上のカラーにライトアップできるという。バイエルンの試合のある日はチームカラーの真っ赤になるが滞在中は試合はなかったのが残念。クリスマスの時はクリスマスカラーになると言っていたし、また、スポンサーのマクドナルドのようにもなると言っていた。どんなふうになるのか見てみたいものだ。

ツアー終了後、もう一度ショップに戻り、決めていたお土産を買って、満足してホテルに帰った。この日の夕食はまたしても駅地下の肉屋のテイクアウトで鶏肉1羽の丸焼きとポテトサラダ、グリーンサラダ、ビールを買って、ホテルにに帰って食べた。大変おいしかった。肉屋がその場で捌いたり揚げたりして販売しているのでおいしいはずだ。この店はすっかり気に入った。

明日は帰国なので、荷物をまとめた後、ベッドに入った。