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気ままに生活してるシニアの残日録

映画「用心棒」を再び観た

2024年01月21日 | 映画

テレビで放送されていた映画「用心棒」を見た。1961年、監督黒澤明、脚本黒澤明、菊島隆三。この映画を観るのは何回目だろうか、もう数え切れないくらい観ているが、やはり何度観ても面白い。そして人気があるのだろう、テレビで何回も再放送されるのだ、その度にまた観たくなる。私はこれが黒澤映画の最高傑作だと思う。

出演は、三船敏郎、仲代達矢、山田五十鈴、東野英治郎、加東大介、志村喬などそうそうたるメンバー。みんな一癖も二癖もあるある面々ばかり。

舞台は賭場の元締めである清兵衛一家と、清兵衛の弟分で跡目相続に不満を持って独立した丑寅一家の二組のやくざが対立するさびれた宿場町。そこへ一人の凄腕の浪人(三船敏郎)がふらりと流れ着く。男はめし屋のおやじ(東野英治郎)から町の実情を聞きくと、巧みな策略で自分が用心棒として役立つことを双方の一家に見せつける。両家といろいろ接触していくうちにこのヤクザ一家たちがどうしようもない連中であることを知ると、双方を戦わせ共倒れをさせようと画策するが・・・、最後には残忍な方法で清兵衛一家を滅ぼした丑寅一家に単身乗り込んで自らの刀を抜き瞬く間に丑寅一家を次々と斬り倒す。そして町の平和を取り戻した彼は、またいずこへとも知れず去っていく。

主人公の浪人役の三船敏郎がとにかくかっこいい、ベランメイ口調の話しぶりでユーモアもある。剣を抜けば凄い腕前。私はこの映画で三船敏郎が一気に好きになった。そして浪人が入り浸っためし屋のおやじ役の東野英治郎の渋さ、丑寅の子分の亥之吉役の加東大介のまぬけぶり、清兵衛の女房役の山田五十鈴の悪賢さなど脇役陣の演技が光る。極めつけは、丑寅の腹心の弟である切れ者の卯之助役の仲代達矢だ。飛び道具のピストルにマフラーのニヒルな殺し屋を演じ、三船敏郎とは違った強烈な個性を出しており、個性と個性のぶつかり合いが両者の最後の決闘だ。

この最後の決闘シーンが最高に素晴らしい、三船敏郎がかっこよすぎる。場面設定も素晴らしいし、三船の姿もかっこいいし、仲代達矢の卯之助との間合いをジリジリ詰めていくときの緊迫感がたまらない。男だったら誰でもこんな役をやって見たいと思うだろう。これを観たイタリアのセルジオ・レオーネ監督が本作をもとにクリント・イーストウッドが主人公の「荒野の用心棒」を作ったのもわかる。素晴らしい、の一言だ。ただ、風で砂埃が派手に起こるシーンはちょっとやり過ぎだと思う。

さて、この映画だが、観ていて日本人なのに日本語が聞き取れない場面が少なくない。特に早口で話すセリフに聞き取りづらいところがあるが自分の耳が悪いのだろうか心配になった。

最高の娯楽映画だとあらためて認識した。