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アン・セット・シス ピアノ・デュオを聴く(追記あり)

2023年01月21日 | クラシック音楽

NHKのクラシック倶楽部は平日に毎日、室内楽を中心とした一流演奏家のリサイタルを放映している。録画して可能な限り見るようにしている。この番組を見ているといろんな演奏家やカルテッドなどを知ることができるので重宝している。ただ、とても全部は見れない。時間は55分である。

今日は1月13日に放映されたアン・セット・シス(un-sept-six)のピアノデュオリサイタルを観た。このグループは、山中惇史と高橋優介が2019年に結成したピアノ・デュオ、演奏だけでなく作曲や編曲を自分たちで手がけた独自のレパートリーで注目を集めているとのこと。演目は以下の通り。

  • 交響詩「ローマの祭り」(レスピーギ作曲、山中惇史・高橋優介編曲)
  • 映画「ハリー・ポッター」シリーズ(ジョン・ウィリアムズ作曲)

アンコール

  • 映画「スター・ウオーズ」から「メイン・タイトル」(ジョン・ウィリアムズ作曲、山中惇史編曲)

演奏前のインタビューの中で2人は、ピアノ・デュオは曲が少なく、それように作曲されたものでなくても編曲してデュオで演奏することを考えた、「ローマの祭り」がそうだ、編曲は公演ギリギリまでかかってやることもある、と述べている。

さて、テレビで演奏場面を見ると、ピアノの前に置いてある楽譜が紙でなくタブロイド端末に映し出されているものを利用している。最近、タブロイドの楽譜を利用している例がちらほら見られるが、もっと普及させるべきだと思う。このような文明の利器はどんどん利用すべきだと私は考える。だから本もなるべくKindle版がある本はKindleで読んでいるが大変便利だと感じている。楽譜もきっと同じだろう。

ところで、クラシック音楽の演奏家はたいていの場合、楽譜を目の前において演奏している。そもそも楽譜を見なくても演奏できれば紙の楽譜かタブロイド楽譜かの議論もあり得ない。ある弦楽四重奏団だったと思うが、自分たちの演奏する曲は全て暗譜しているので演奏時には楽譜を見ない、暗譜するくらい練習しているのだ、オペラ歌手でもロックバンドでも何でもおよそ演奏家というものは暗譜しているものだ、なぜ、クラシック音楽演奏家だけ楽譜を見ながら演奏することが当たり前になっているのだ、と言っていた。宮城谷昌光氏の「クラシック千夜一曲」を読むとあの有名な指揮者のトスカニーニの若い頃の逸話が紹介されており、それによれば、トスカニーニが指揮者デビューしたのは19歳の時で、当時はチェリストだったがいつも楽譜を見ないで演奏していて目立ったそうだ。そして楽団の海外公演の時に指揮者がダウンして誰か代行者がいないか検討しているときに、楽譜を全部暗記しているあいつならできるだろうと白羽の矢が立ち、立派に指揮をして観客を唖然とさせた、と言うことである(同書163ページ)。私は楽譜を読めないし演奏もできないのでなんとも言えないが、どうなんでしょう。

 

2023/1/24追記

クラシック音楽演奏家以外は楽譜を見ないで歌ったり演奏したりする、と書きましたが、昨日見た歌舞伎の公演で義太夫節、長唄の唄い手さんが歌詞のようなものが書いてある台本・譜面のようなものを目の前に置いて唄っているのを見て、譜面等を観ながら演奏するのはクラシック音楽だけではないことを認識しました。

 



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