風と花とわたし 〜

日常のささやかな喜びの輪を広げて・・・RING、リング♪ ring!

空海の贈りもの  亡弟子智泉が為の達嚫(たっしん)の文 

2013-07-25 02:14:02 | 日記

7月25日

 

 昨夜、家路に着いて、TVをつけると、

 NHK 歴史秘話ヒストリア名作集が放映されていました。

 

 2月20日放送分の 空海の贈りもの という題名でした。

 この中で、空海が弟子を亡くした時に詠んだ 

 “亡弟子智泉が為の達嚫(たっしん)の文” にとても感動し、 

 こころ揺り動かされました・・・・・・。

 

 空海といえば、日本で一番といっても過言ではない、

   愛され、慕われている 僧侶ですよねえ  。

 別名は弘法大師さま。

 

 四国八十八カ所のお遍路さん。

 弘法大師の杖。 

 高野山。 東寺。 

 

 弘法大師空海は、民衆のために、道路をひき、学校を作り、

   勉強を教え とってもエネルギッシュな方だった。

  そんな知識をもとにゆるり  と番組を観ていました 。

 



 智泉とのくだりになり。

  

   智泉は、空海がまだ山林修行をしていた

   僧侶の資格のない私度僧の頃、

 最初の弟子となったそう。

 

 。。。。・・●*・・。。。。・・・***・。。・・****・・。

 

 その時、智泉14歳。 空海の姉の子・・・・甥にあたる。

 

 ~ 私の教えを受け継ぐ最初の弟子となった

   親に使えるこころをもって 私に仕えて24年

   家にいる時も山中で修行するときも

   光が影に寄り添うように離れることがなかった

 

 その後、空海は31歳の時に20年という約束で中国に渡る。

 しかし、1年で密教を修得し2年で日本に帰って来てしまったので、

   入京を許されなかった。

 この時、空海は智泉と再会し、この間に修得した密教を智泉に伝授する。

 

 そして、809年。

 密教に興味を持っていた嵯峨天皇が即位したことによって、状況は変わる。

 

 最新の密教を修得している空海。 都に入ることを許された。

 

 そして、智泉は、子どもをなかなか授かれなかった嵯峨天皇から

 祈祷をお願いされる。

 空海から授かった密教の秘法で懸命に護摩を焚き、祈り続ける智泉。

 その祈祷が効き、嵯峨天皇には、男の子が誕生する。

 こうして、智泉は、空海の手足となっていく。

 

 その後、816年。

 空海は高野山に修行道場を建設することになり、弟子たちに任せた。

 

 その中で智泉は空海の代わりとなって、心血を注ぐ。

 800Mの険しく厳しい気候の高野山を切り拓き、

   道場を建設することは、大変なことだった。

 心身ともに限界を越えた智泉はどのような役割を果たしかも記されず、

 825年、高野山で倒れ、帰らぬ人となる。

 智泉37歳。 空海53歳。

 

 空海は駆けつけ、一番愛した弟子、智泉の死を悼む。

 

 ~ 哀しい哉(かな) 哀しい哉(かな)

    哀れが中の哀れなり

    悲しい哉 悲しい哉

    悲しみが中の悲しみなり

    哀しい哉 哀しい哉 復(また)哀しい哉

    悲しい哉 悲しい哉 重ねて悲しい哉

    “亡弟子智泉が為の達嚫(たっしん)の文”

 

  今でいう、追悼文です。

 

  これは、悟りを得た人が感じ、表現する言葉でしょうか。

  感情が高まり、押さえきれず、溢れる。

  溢れて、溢れて・・・・・・。

 

  そして、空海はこう続けます。

 

 ~悟りを開けば この世の悲しみ驚きは

  すべて迷いが生み出す幻にすぎないことはわかっています

  それでも あなたとの別れには 涙を流さずにはいられません

 

  ・・・・・ なんて、人間らしい、素晴らしい方なんでしょう。

  

  この方なら、私達悟りを得ることなど出来ない凡人のこころにも

  きっと寄り添い、励まし、どんな困難に出会っても、

      再び立ち上がってゆく勇気を与え、

  自分自身で前に進んでいくことが出来るようにしてくださる方なのでは

      ないかと思いました。

 

  悟りを得て、高い所から、悟りとはこういうものだ

  と説法をしてくださったとしても、何も救いにはならないように思います。

  

  悟りを得た人でも、悲しみは悲しみであり、

  こころが吐き出したいだけ吐き出していいんだ。

     と、表現してくださったことによって

  後世残された私は、

  悟りとは、悲しいこと苦しいことを封じ込めることではない、

     忘れようとしなくていいんだと。

  逆に、どんなことであっても、その感情に徹っすることによって、

  人は越えて、次へと進んでいけるのだと思わせてもらえました。

 

  そう・・・・・・・これが、空海の贈りもの?! なのかしら?

  弘法大師空海さんは、

     今も私達に勇気を与え、未来を示してくださるんですね  。

 

  

 

  最後にもう一度。

  

  ~ 哀しい哉(かな) 哀しい哉(かな)

    哀れが中の哀れなり

    悲しい哉 悲しい哉

    悲しみが中の悲しみなり

    哀しい哉 哀しい哉 復(また)哀しい哉

    悲しい哉 悲しい哉 重ねて悲しい哉

     “亡弟子智泉が為の達嚫(たっしん)の文”

   

 

 

 

    見に来てくださってありがとうございます 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする