戦いすんで

故郷へ

戻ってもいいよと　

ここにきたのは、いやだった

ここになれるのに苦労している　いまも


故郷にもどってもいいよと

嬉しいけど、
どうしてそんなこと
今更いうの

どうしてそんなこと
今更


終戦の時に
すずさんが
泣きながら

叫んでいたのを思い出した

あの映画をみたアメリカ人が
終戦しても、戦争をしたいといっている日本の婦人
という捉え方をしていたらしい


そういうメンタリティーじゃないんだ

いままで我慢して、耐えてきた

戦争するっていうから

戦争するっていうから耐えてきた

最後のひとりまで戦うっていうから、その覚悟をしてきた

いうとおりにしてきたのに、

いまさら負けたから、やめていいよと


最初っから戦争なんかしたくなかった

それなら、どうして戦争なんてはじめたんだ

という怒りだったんだろう


私たちは、なにか強いもの（と、思い込んでいるモノ）に巻き込まれて

生きている

その抑圧から解放された時に叫ぶ　慟哭


なんのために、なんのために巻き込まれたんだ


経験などしたくなかった

なにも知らなければよかった
なにも乗り越えたくはなかった


明日になれば、また　過ぎ行く時を
淡々と生きていくんだろう私たちは。


飲み込まれる弱さのままでいたくない

自分の、意思でいきたい


勝手に、戦いに巻き込まないでください。

だれかが勝手に引き起こした戦いに
巻き込まれない強さが　ほしい。