自称米子のプロモデラー

模型、フィギュア、ジオラマを製作するブログ

小さなオルゴールの製作 その一

2023-12-20 11:52:26 | 模型

今年の10月に、ある所からメールが来ました。

そのメールは、以前、神殿のジオラマを製作させて頂いた方からでした。

来年の1月末にご友人の誕生日があるとのことで、そのプレゼント用にこれを作って欲しいとのこと。

この画像なのですが、ゲームのアイテムのようです。

大きさは手のひらに乗る程度の大きさですが、細かい彫刻が随所に有ります。

オルゴールユニット自体は支給していただいたので、箱はホームセンターから木の板を買ってきて、テーブルソーでカット、箱組して、各コーナーには丸材を取り付けました。

フタの開閉のため丁番が必要なのですが、小さすぎてそれに合うものが全く無く、真鍮製の一番小さいものを買ってきて、それを半分にカット、調整して作りました。

手回し式のオルゴールなのでハンドルが正面に出るように調整、固定しました。

足の部分はネジを取り付け、針金とエポキシ樹脂で形状を作りました。

これでほぼ箱が出来ましたが、さて、彫刻をどうするか?

かなり細かい彫刻です。

実際に彫刻刀で彫ってなんてしていたら、到底1月には間に合わない。

さ〜どうするか?

色々悩んだあげく、こんな方法を思いつきました。

これなのですが、下のグレーの物は「ほいく粘土」です。

それを平らに伸ばし、粘土ヘラで彫刻します。

彫刻ができたら、その部分にキャストを流し込み硬化させます。

そうして出来たのが上の白い物です。

そのパーツを、箱のベース部分に取り付けました。

接着には発泡スチロール用の接着剤と瞬間接着剤を使いました。

キャスト製ですが、薄くて柔らかいので湾曲させて有ります。

この方法で、短時間に彫刻がコピーできるので、一番重要な正面と裏面、更に天板の彫刻を作りました。

製作途中の写真が有りませんので、いきなり出来上がった写真です。

これは、粘土に直接キャストを流して彫刻をコピーしたものです。

粘土から剥がした時、粘土がこびりついて剥がれなかったので、洗剤を付けて、歯ブラシでゴシゴシ取りました。

結構いい感じになりました。

なので、これをシリコンで型取りし、後2個同じものを複製しました。

これがシリコン型

左がキャストで複製した物。

シリコンで複製すると、若干シャープさが薄れるようです。

それらのパーツを磨き、箱の各所に貼り付けました。

設定では蓋の表面が見えないのですが、オルゴールのフタといえば、たいてい彫刻が有るようなので、勝手とは思いましたが、それらしいデザインに仕上げました。

四隅の丸い部分の彫刻は、セメダイン社のエポキシパテを塗って、固まるまでにヘラで彫刻しました

これで形状の製作は終わりましたが、ここからが腕の見せどころ。

塗装ですが、彫刻の模様はシルバー、箱本体はハルレッドで仕上げます。

ゲームのが画像を見ると、かなり古びた感じなので、綺麗に仕上げるのではなく、汚しを入れ、塗りムラ等もわざと残し、ビンテージ感を出します。

先ず、彫刻のシルバー部分をラッカーで塗ります。

シルバーの乾燥後、エナメルのハルレッドを余白部分に塗ってゆきます。

シルバーの彫刻の周りにハルレッドを塗ると、彫刻部分に被ってくるので、彫刻の線が細くなって見えます。

しかたがないので、ハルレッドの乾燥後、シルバーを彫刻の線にそって、一本一本塗り直します。

乾燥後、フラットブラックを凹み部分に塗り、汚しをかけます。

小さなものなのでなかなか手ごわい物になっています。

でも、完成まであと少し。

エナメル塗料は乾燥が遅いので、のんびりやります。

続く!