女流立葵杯の街から

囲碁の女流棋戦の中継予定を中心に投稿しています。

女流棋戦の優勝者一覧(2022年)

2022年12月18日 | 女流棋戦ふりかえり


【2022(令和04)年/囲碁】


 女流棋戦の優勝者一覧


《藤沢里菜》


 


[カマチ杯・女流名人(5連覇)]

[フマキラー女流ブレーンマッチ()]

[女流本因坊(3連覇)]


 *** *** ***
 *** *** ***


《上野愛咲美》


 


[女流棋聖戦]

[ワールド碁女流最強戦2022(初)]

[女流立葵杯(初獲得)]

[広島アルミ杯・若鯉戦(2連覇)]


 *** *** ***
 *** *** ***


《牛栄子》

[女流扇興杯(初タイトル)]


 


 *** *** ***
 *** *** ***


【参】国際棋戦・団体戦

[湖盤杯……準優勝]

 ◇参加選手◇

①仲邑菫
②鈴木歩
③謝依旻
④藤沢里菜(1勝)
⑤上野愛咲美(3連勝)


[ワールドユース選手権]

◎柳原咲輝(当時は院生)
 ……世界大会2位



2022(令和04)年
#女流棋戦ふりかえり2022


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上野愛咲美さんと牛栄子さんと

2022年12月18日 | 女流棋戦ふりかえり


 センコーロジスティック。関西に拠点がある物流系の会社。
 その会社がスポンサーをしているタイトル戦が、SENKOcup と 女流扇興杯。
 2022年、日本の女流囲碁のヒットワードは、センコーロジスティックがスポンサーのタイトル戦だった様な気がします。


A》Smile ASAMI

 上野愛咲美、SENKO cup優勝。日本の女流囲碁初の世界大会優勝。これが、2022年で特に大きかった記録。





 日本女流初の世界大会優勝を叶えた上野さん本人は、いつもどおりのスマイル。対局後の本人の感想は「全然実感がなかった」
 しかし決勝の現地会場にいた数人の女流棋士は、

「日本代表として世界一になる事は、私たちの長年の悲願」
「もしかしたら、永遠に叶える事が出来ない夢だった」

 そんな想いを巡らせながら、涙ぐんでいたらしい。

※世界一は無い。しかし〝『正官庄杯』での勝ち抜き3連勝〟は数度ある。


B》最年少記録の壁と……

 それから数ヶ月後の、女流扇興杯。
 女流棋戦争奪戦の常連の3人、謝依旻、藤沢里菜、上野愛咲美の3人が、準決勝までに敗退。
 決勝に残ったのは、牛栄子vs仲邑菫。タイトル未獲得の2人。
 この決勝戦(1発勝負)はNHKの昼のニュースでも取り上げられ、翌朝の全国ニュース(ほぼ全てのメディア)でも紹介されました。





 2022年、女流扇興杯。
 事前の優勝予想は、仲邑菫さん。
 2019年、10才0ヶ月でのプロ入り(当時最年少)
 プロ入り1年目からしばらくは負けが多かったものの、半年後から勝ち星を増やす。
 その後はプロの中でも実力ある男性高段者を打ち負かし、様々な最年少記録を更新。年間勝利数2位も達成。
 そして女流名人戦では、史上最年少での〝挑戦手合3番勝負〟に挑む。残念ながら、歴戦の藤沢里菜・女流名人には敵わず、タイトル奪取はならず。
 そんな事を経ての、女流扇興杯。ファンも囲碁ライターも大手メディアも「仲邑菫の初優勝なるか?」に期待。
 その結果は、仲邑菫さんの終盤近くの失着を的確に咎めた、牛栄子さんの勝利。牛栄子さんは、史上最年少のタイトルホルダーの誕生を阻止する壁になった。


C》

「牛栄子、女流扇興杯獲得」

 その速報がツイッターに流れた数分後には、

「牛栄子さん、おめでとう」
「初優勝、待ってたよ」
「プロ入りから7年、諦めずによく頑張ったね」

 そんなツイートが結構流れてきた。祝福ツイートをされた人の多くは、実は囲碁歴3年未満の新規ファン。

 牛栄子さんの場合。
 上野愛咲美さんや仲邑菫さんとは違い、囲碁メディアでも滅多に紹介されていない。
 そんな栄子さんの事を、多くの新規ファンが祝福していた。そんなツイートを見て私が思ったのは、

「プロの碁の内容が分かるレベルに無い新規ファンでさえ、
 メディアでも滅多に取り上げられていない牛栄子さんの事を、これまでの経歴を知った上で応援・祝福されていた。
 と言う事は、好きなプロの事を、ファンが純真に応援する。そんな文化がやっと生まれて来たんだな」


 上野愛咲美。
 日本に世界一に導いた圧倒的な戦闘力と、天性の明るさ。囲碁ファンからは〝囲碁界の渋野日向子〟と注目している。

 牛栄子。
 呉清源、芮乃偉、2人の薫陶を受ける。若手からの人物評は「仲間に対して気遣いが出来すぎる良い人」

 センコーロジスティックがスポンサーをしている2つの女流棋戦。
 2022年のSENKOcupと女流扇興杯。今思い起こせば、
 その全てが陰陽の如く全然違う。そんな2人の個性を、大きく引き立てた。そんな感じがしました。



【朝日新聞のニュースより】
囲碁の女性棋士、世界相手に急上昇 中国の絶対エースに豪快ハンマー
https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ4X6Q8CQ4VUCVL03D.html


【毎日新聞のニュースより】
 第7回扇興杯女流囲碁最強戦 牛四段、悲願の初優勝 支えてくれた人たちへ感謝
https://mainichi.jp/articles/20220828/ddm/012/040/025000c


2022(令和04)年
#女流棋戦ふりかえり2022


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秋田からのメッセージ

2022年12月18日 | 女流棋戦ふりかえり


 2019年以前。
 フェイスブックでもツイッターでも、タイトル戦に関する話題はほとんど有りませんでした。
 日本のプロが世界一になろうと、国内棋戦で新記録が作られても、それらの感想をSNSに投稿していたのは、以前はごく数人のアマ高段者だけ。
 その事についてツイッターの新規ファンの多くは、「囲碁が全然話題にならなくて寂しい」とコメント。

 ところが2020年以前と比べれば、囲碁棋戦に関する囲碁ファンの世論は すっかり変わった。理由の1つは、

「タイトル戦を観て応援し、対局の感想をコメントする人達」

 が、ツイッター上に増え始めた事。しかも、そうしたコメントをされているファンの多くが、プロの碁の内容は全然分からないであろう、新規の人達。
 大きく変化した理由の1つ。それはおそらく、〝タイトル戦の新しい観戦法が定着してきたから〟


A》秋田発のpromotion

 数年前、〝女流本因坊戦5番勝負、秋田県能代(のしろ)市で開催〟と言うニュースあり。
 その時のネットニュースを見ていたら、

「女流本因坊戦の開催を記念して、
 秋田県能代市の洋菓子店が、
 オリジナルのケーキやスイーツを作り、限定販売した」


【写真↓】秋田県能代市での対局記念スイーツ




 秋田県発の、女流本因坊戦を記念したスイーツ。5〜6年前は あまり注目されなかった。
 しかし、他の地方に住んでる女性ファン、あるいは女性囲碁インストラクターからは、

「美味しそうなケーキ、食べてみたい」
「こんな事やってるなんて、秋田県が羨ましい」

 と言った感想が。
 秋田のタイトル戦誘致の事情について数年前に教えて頂いた事。

「毎日新聞社の本因坊戦と、共同通信社の女流本因坊戦。
 能代市は今後、2つのタイトル戦を1年おきに誘致して、〝本因坊のまち〟としてP R・街おこしをして行きます」

 本因坊戦と女流本因坊戦を誘致して、街おこしを行う。それが、秋田県能代市としての市政の1つ。

 それから数年が経った2022年秋。

 能代市での女流本因坊戦開催を記念した、ツイッター連動企画。
 その内容は、秋田県ゆかりの漫画家さんによるイラスト入りの扇子が限定発売。
 それの一部を、ツイッター上の囲碁ファンにもプレゼント。


【写真↓】秋田県能代市での対局記念プレゼント




 これにはツイッター上でも盛り上がり、特に囲碁を始めて間も無いファンからの反響が大きかった。こうした棋戦誘致andツイッター連動企画を数年前から行って来た事から、

「秋田県→→囲碁のタイトル戦やってるトコロ」
「本因坊戦and女流本因坊と言えば、秋田県」
「タイトル戦を観て秋田県を応援しよう」

 と言う事が、ツイッターの新規の囲碁ファンにも広がりつつある。引用リツイートの数が100件を超える事も珍しく無くなった。



B》囲碁棋戦を地元発展のために

◎女流棋聖戦
 スポンサー;NTTドコモ
 開催地;神奈川県平塚市

◎女流立葵杯
 スポンサー;温知会
 開催地;福島県会津若松市

◎女流扇興杯
 スポンサー;センコーロジスティック
 開催地;滋賀県

◎女流本因坊戦
 スポンサー;共同通信
 開催地;岩手県花巻市
 開催地;秋田県能代市

◎女流囲碁プレーンズマッチ
 スポンサー;株式会社フマキラー
 開催地;広島県


 タイトル争奪戦を開催している地域。国内の女流棋戦に限った場合。
 NTTドコモと共同通信社を除けば、すべて〝地方を拠点に活動する〟企業や団体。
 こうした企業や団体が囲碁棋戦への投資を行う理由は、

〝経営者が囲碁好きだから〟
〝日本や世界での囲碁普及のため〟

 それだけでは無い(もちろん、それもありますが)。囲碁ファンの間ではあまり知られてはいませんが、

「自分たちの企業や団体は、活動拠点にしている街の人達に長年お世話になっている。
 その街に囲碁のタイトル戦を誘致・開催し、囲碁で街おこしをする。
 囲碁のタイトル戦開催を通じて、これまでの恩を返していこう」

 (特にSNS上の)多くの囲碁ファンにとっては、〝日本トップや世界トップのプロの碁を見る事〟が重要な楽しみ。これ自体は当然の話。囲碁棋戦に投資をしているスポンサーにとっても、当然の話。
 しかし〈民間企業の社会的使命〉と言う視点からしたら、


⭐️ポイント⭐️
 スポーツ活動や文化活動に投資をする事は、疲弊する地方再生への第一歩。


 を期待されている。これは囲碁でも同じ。
 このポイントをどれだけ実現出来るかが、今後の日本囲碁の存続・発展にも関わっています。(2022/12)


2022(令和04)年
#女流棋戦ふりかえり
#女流棋戦ふりかえり2022


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バックギャモンの矢澤さん

2022年12月18日 | 女流棋戦ふりかえり

 2022年の女流囲碁界。

 日本の囲碁棋士、上野愛咲美さん。
 女流の世界選手権にて優勝、日本の女流棋士の世界大会優勝は初めて。

 韓国の囲碁棋士、崔精さん。
 男女合同の世界大会にて準優勝。

 柳原咲輝さん。
 世界大会のワールドユース選手権にて準優勝(当時は院生)

 囲碁のお隣の将棋の場合、
 女流棋士里見香奈さん。女流初の棋士採用に挑むも、一歩及ばす。


 囲碁・将棋ともに〝女流棋士は年々レベルアップ〟しています。
 ちなみに、囲碁や将棋では無く、バックギャモンの場合には?

 日本人女性のバックギャモンプレーヤー、矢澤亜希子さん。

 10月18日と、11月14日。
 外国で開催されたバックギャモンの大会で、今年だけで計3回優勝されています。
※私が確認出来たかぎり。

① https://mobile.twitter.com/akikoyazawa/status/1581736241254760449

② https://mobile.twitter.com/akikoyazawa/status/1582146587329167360

③ https://mobile.twitter.com/akikoyazawa/status/1591863108900982784








 矢澤さんの事については、前アカの時(2018年)と2021年に取り上げた事がありました。
 新規ファンの方にとっては「矢澤って誰よ?」と全然ご存知ない人もいらっしゃるので、念のためにご紹介。


【矢澤さんのプロフィール】
 女性としてはじめて、2度のバックギャモン世界王者に輝いた矢澤亜希子さん。
 世界で3億人の競技人口を誇るボードゲームにおいて、女性のプロ選手も彼女が初。
 それも、1度目の世界王者戦はステージ3の子宮体がんの療中で、抗がん剤を打ちながらサイコロを振って勝利を手にした「不屈の人」である。

[前編]
https://bunshun.jp/articles/-/53532?page=1

[後編]
https://bunshun.jp/articles/-/53534?page=1

 末期がんを宣告され、抗がん剤治療中の最中、〝バックギャモンの武者修業〟として渡米。マフィア同士の銃弾戦が行われているスラム街で、黒人の強豪相手に夜通し対局していた。


2022(令和04)年
#女流棋戦ふりかえり2022

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⭐️2022年12月04〜05週⭐️ 幽玄の間・中継予定

2022年12月16日 | 囲碁の女流棋戦





 2022年12月04〜05週の対局予定。

 ②の対局[#趙治勲]vs [#上野愛咲美]
 面白くなりそうな組み合わせ👀



①12月22日(木)10時~

 #博多カマチ杯
   #女流名人戦 リーグ

 #牛栄子 #女流扇興杯(写真左)
  vs
 #仲邑菫 三段(写真右)


【写真】







②12月22日(木)10時~

 #天元戦 予選A

 #趙治勲 #名誉名人(写真左)
  vs
 #上野愛咲美 四段(写真右)


【写真】







③12月22日(木)10時~

 #棋聖戦 FT

 #三谷哲也 八段
  vs
 #奥田あや 四段




④12月22日(木)10時~

 #新人王戦 予選

 #加藤千笑 二段
  vs
 #徐文燕 初段




⑤12月22日(木)10時~

 #女流本因坊戦 予選

 #謝依旻 七段
  vs
 #茂呂有紗 二段






⑥12月24日(土)・25日(日)10時~
・ 爛柯杯本戦
  一力遼九段
  芝野虎丸九段
  井山裕太九段
  関航太郎八段
  許家元九段




⑦12月24日(土)13時~

 #テイケイ杯
   #女流レジェンド戦 決勝

 #小西和子八段
  vs
 #桑原陽子六段




【日本棋院ホームページ】
https://www.nihonkiin.or.jp/match_news/match_info/124_8.html

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