【テーマ】
小学生の院生は、〝普通の囲碁ファンの上達に役立つ〟指導碁を打つ事が出来るか?
ヒカルの碁では塔矢アキラが、伍の碁では榎本翠が、当時は小学生ながら、碁会所の女性スタッフに頼まれて指導碁(?)を打つシーンが。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/29/58689afe791a219a230d743850101881.jpg)
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塔矢アキラや榎本翠みたいな〝将来の大名人候補〟ならともかく、例えば院生序列で50位以下の小学生が、普通の囲碁ファンに〝囲碁指導する〟事は、現実的に可能なのか?
これについての回答の1つ。
たしか大矢浩一プロの見解によれば、
「院生は同年代の高段者とばかり打ってるので、囲碁指導の経験は少ないんじゃないかな?
なのでプロよりも院生の指導碁の方が、下手にとってはキツイかも知れません」
この話を知ったのが、たしか2001〜2004年頃。
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それから少し後の2005年、都内の碁会所で会ったのは、小学3年生の現役院生の◎くん。
碁会所でのレベルは〝アマ8段〟で、院生での序列は80位以下。
その◎くんと対局してた碁会所のお客さんは、実は〝60才以上のアマ2〜3段〟
そのお客さん達が揃って口にしてたのは、
「4〜5子局で教えて貰ったんだけど、◎くんの教え方は、分かり易くていい。
◎くんに、また教えて貰いたい」
そこの碁会所師範(坂田栄男先生や梶原武雄先生に互先で勝った実力者)から聞いた話では、
「ネット碁のアマ6〜7段相手に指導碁を打てる様でないと、院生としては見込みがないですよ」
別の囲碁サロンで会ったインストラクター(元院生)数人によれば、
「アマチュアへの指導碁をする時の打ち方とか心がけは、師匠の指導碁を見て勉強しました」
昭和40〜50年頃はそうではなかったらしいけれど、特にヒカ碁ブーム以降の院生は、アマ高段者向けに指導碁を打てるたけの知識や心がけを身につけている人も多いらしい。
後々。
◎くんは院生Aクラスまでは行ったけれど、プロ試験はプロにはなれず院生を辞退。大学囲碁部では主将として全国制覇した……と言う話を、◎くんの師匠から教えて貰いました。
プロにはなれなかったけど、◎くんにはどれだけの才能があったのか? 当時の院生師範、そして◎くんの師匠から聞いた話によれば、
「才能の有無よりも、◎くんの場合は真面目で勉強熱心で人柄も良いからね。
プロにはなれなかったけど、◎くんが院生にいてくれたのは、他の院生同期にとっても本当に良かった」
【補足】
今回改めて、当時の院生リストを見返して気付いた事。
◎くんの同期は、一力遼さんや大関稔さん。
他にも、現在の若手棋士のトップが多数在籍。
それこそ院生の当たり年に、◎くんは院生に在籍してたらしい。