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2023(令和05)年の女流棋戦を大まかにまとめると……
「仲邑菫さんの女流タイトル初獲得(女流棋聖)に始まり、
仲邑菫さんの韓国移籍へのカウントダウンに終わった」
2023年1月〜2月、女流棋聖戦・タイトル争奪戦。
挑戦者の仲邑菫さんと タイトル保持者の上野愛咲美さんの3番勝負の事が、総合テレビの『クローズアップ現代+』で紹介されました。
【クローズアップ現代】
仲邑菫 対 上野愛咲美 決戦の舞台裏
悠久なる囲碁 若き世代がひかれる魅力とは?
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/p3GNLVVlMq/
(2023年02月06日 公開)
史上最年少でのタイトル初獲得と言う影響もあってか、(私が確認出来た限りでは)3度も再放送されると言う、異例の扱い。
その後。
菫さんが韓国移籍を発表した記者会見の時も、愛咲美さんの新人王初獲得(女流初)の時も、2人の事をテレビや新聞が全国向けに伝えた。
それらについて、私個人の率直な印象と疑問。
「メディアに取り上げられる機会が極端に少なかった以前と比較すれば、囲碁への風向きが随分変わって来たなぁ……」
「それにしても、NHKを含むメディア(の取材クルーや担当デスク)は、愛咲美さんや菫さんを何故ここまで注目しているんだ?」
A》増える外国志望の女の子たち
その事が気になって、いろんな記事を興味本意で調べてみた。
それで分かった事の1つ。
「自分自身の可能性を広げたい。
世の中の人たちの役に立ちたい。
その為には……
日本では無く外国の大学で勉強したり、
NPOなどが行ってる国際交流に参加したい」
と言う人が、愛咲美さんや菫さんと同世代(西暦2000〜2010年前後の生まれ)の人には多いらしい。
中でも特に多いのが、東京近郊生まれの女の子。
海外を志望する女の子は、以前は〝帰国子女を多数受け入れている私立女子校〟に多いと言われていました。
しかし近年では、都立日比谷高の様な進学系の公立校でも、
「(日比谷高で行っている)海外研修では、手を挙げるのは圧倒的に女子です」
※この話は、日比谷高の校長をされていた武内彰先生のコメントより。
自分自身のために、社会に貢献するために、外国に行って勉強したい__東京近郊の女子中高生の願望として増えている。
そうした事を沢山見聞きしているメディアの人達からしたら、
「外国で勉強して成長したい__と、囲碁の若者たちも希望してるんだね。やっぱり」
と言う感じで、囲碁に注目されている可能性もある。
そして、もう1つ……
B》尊さ……互いに高みへ向かって
上野愛咲美さんと仲邑菫さんを密着取材で判明した、〝現在の囲碁の世界の姿〟とは?
これは、クローズアップ現代+(に関わったらしい)チーフ・ディレクターの座間味圭子さんのコメントを引用しますと……
「仲邑さん、上野さん2人への取材から、
〝低年齢化〟と〝ジェンダーレス〟という、
私たちの社会が課題とする2つのキーワードが浮かび上がってきた」
【アドレス】
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/p3GNLVVlMq/
「年令も性別も関係なく、明確なゴールのない世界で、
まだ見ぬ高みへ向かって互いに磨き合い続ける、棋士の方々の営みの〈尊さ〉」
「世代から世代へと受け継がれるバトン。
そのバトンがきっと、これからも途絶えることなくつながっていく」
「今回の取材を通して、囲碁という伝統文化の豊かさに触れた気がして、あたたかい気持ちが沸き上がってくるのを感じた」
愛咲美さんや菫さんを始めとした若すぎるプレーヤー達が、更なる高みに挑み、第二・第三のキャリアアップに目指している。
勿論、男性棋士も含めて。
愛咲美さんと菫さん、若き女子ふたりの背中には、現代の悩めるキャリアパーソンが求めている、あるいは忘れかけていた〝高みを目指す尊さ〟
一般的な囲碁ファンとは全く違うモノが、メディアの取材クルーの人達には見えていたのかも知れない。
[#女流棋戦ふりかえり]
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