Guitars On Broadway

洋楽とエレクトリックギターの旅路

Guyatone AC102&105

2017-01-02 19:27:11 | PEDALS

バンドのベーシストZ氏のペダルボードが完成しましたが持参のグヤトーンのパワーサプライAC105の電源ケーブルがやたらと長く現在のペダルボードにマッチしないので短くカットし簡易的なプラグを装着しました。しかし、家電でよく見る電源平コードなので気分がわきません。極太電源ケーブルとホスピタルグレードのプラグも大げさで無駄にスペースを取ります。やわらかい2芯の程よいケーブルとパナソニック製タフキャップに交換しました。AC105の電源ケーブルはサイドから出ているので独特のグロメットはそのままに、圧着端子で新しいケーブルと接続して熱収縮チューブでカバーすると見栄えもいい感じに。ペダルボードの進化で小型でたくさんのペダルを使用できるパワーサプライが多数発売されましたが結局電源アダプターが別に必要になります。現行品では入手不可能ですがこのトランス内蔵で電源ケーブルが直接出ているレトロなスタイルのパワーサプライは意外とコンパクトに収まります。

最近ではペダルボードに入れませんが所有している30年以上前のグヤトーンAC102もまだまだ現役。部屋でペダルを使用するときはもっぱらこのAC102です。ついでにAC102のケーブルとプラグも交換しました。調べてみるとAC102は1982年頃に発売になったモデルでグヤトーンのパワーサプライのスタートは70年代後半のAC101からのスタートのようです。最後はAC106で生産終了しましたが、この105は90年代製のようです。そんなメイドインジャパンの楽器・アンプ・エフェクター製造のパイオニア、東京サウンドも2013年に営業終了しそのブランドのグヤトーンも消滅しました。しかし、細部をみるとさすがにしっかりした作りで日本製のパワーがあった時代を物語ります。パワーサプライはこのスタイルというマッドブラックなルックスはマクソンが継承していますがやはり安心感の風貌。しかし、現在のデジタルエフェクターを数台稼働させると持たなくなるくらいの容量が時代を感じますね。

 


ベースペダルボード

2016-12-30 11:05:54 | PEDALS

バンドのベーシストZ氏のペダルボードを製作しました。ギタリストのペダル使用方法と切り口が違うため内容は異なりますが見た目はギターとほとんど同じ。ペダルの数からアルモアの一番小型ケースps-3cで濃密に詰めていきます。スイッチャー、プリアンプ×2、エンベロープフィルター、チューナーといたってシンプルですが何もかけないスルーの状態でプラグ直のようなダイレクト感を維持するという希望があるためケーブルの取り回しあたり等を重点的に。

パッチは最近お得意のLAVAケーブル・タイトロープ。単線のストレートさと専用プラグのコンパクトさで使い勝手は素晴らしいですね。一番ロスになりやすそうなジャンクションボックスは自作。ケーストップだけ鏡面仕上げで内部配線材はシルバーの単線です。高音の充実感は最高ですがストラト等のシングルコイルの内部配線にはギラツキ過ぎるのでベースに使用するとミッドからハイがほとんど劣化しません。ベースからプラグ直と同じ質感を維持できるという恐ろしいシルバー単線。パワーサプライは年代物のグヤトーン。3Mほどのレトロな平コードが付いていたので短くカットしプラグ交換。

ファンクをするならお約束のオートワウと定番サンズアンプクラシック。一時期ベーシストはほとんどこのサンズアンプというくらいでしたが今でも現役です。オーナーはこのクラシックでパッシブトーンを少しブーストするのとベースドライバーDIでコンプ感を出すのとオートワウを際立たせる隠し味的な使用方法。あくまでトラッドなスッピンのパッシブサウンドにこだわるスタイルが根底にあります。しかし、このパッシブ臭さを残しながら太さを出していくのは高度な技でもあります。ベーシストは昔からこのアコースティックの微妙な感じからアグレッシブなトーンまで追及しているためアンプの世界でもギターの20年先を進んでいます。EMGもベースでは大定番ですからね。

サンズアンプの使用法ではDAWを使ってのPC録音がもう一方のスタンダードです。ソフト上のアンプシュミレーターを使ってベースを録音するよりサンズアンプ経由でダイレクトにオーディオトラックへ録音するほうがベースらしくなるような気がします。ただのチューブアンプを飽和させたトーンをモディファイしたギターのオーバードライブとは奥行きが違うのがサンズアンプ。ブラックペイントケースにイエローの印字がボード内をプロフェッショナル風に演出。

スイッチャーの登場でペダルボードを組みたくなる人が増えたのも事実。音の劣化も少なくセッティングや運搬もしやすいとなると避けては通れなくなります。ラックタイプしか実現できなかったハイエンドの空間系やコンプ、プリアンプ等も続々とスモールサイズの高性能ペダルの登場やパッチ関連の小型プラグの新製品も多くこの分野もまだまだ熱い分野ですね。

 


Xotic BB Preamp

2016-12-27 10:01:51 | PEDALS

玄人好みのペダルを多数リリースしているXoticの「BB Preamp」。完全なクリーンブーストのRC、チューブサーチュレーションをイメージしたACと派手ではないですがオイシイ歪を演出しているシリーズの一番オーバードライブよりなのがこのBBです。オーバードライブといってクリーンブーストから古典的な歪までカバーする実践的なモデル。Vemuram Jan Rayと比較すると透明感が少ない分ミッドレンジはBBのほうが濃厚。BOSS BD-2とTSのいいところ取りというとイメージが近いと思います。EQもクランチトーンのいいところに設定されていてチューブからトランジスタアンプまでカバーが可能のところがありがたい。ACとBBは歪のキャラクター違いだけではなくアンプや別なドライブペダルとのマッチングでチョイスするのがベター。突飛な個性は全く無く往年の歪ですがアンサンブルの中で際立つのがハイエンドの証拠です。

Xoticは元々マニアックなベースシスト向けのメーカーというイメージでしたがプレキシマーシャルモディファイのSL Driveを使用し始めてから病みつきになってしまいました。ギタートーンのタッチやボリュームコントロールの細かなところまで十分視野に入っている奥深いチューンナップの匂いが感じられます。歪やコンプレッションがより細分化されているのにハイファイにならないところの塩梅は技術者だけではなくギタリスト自らが開発している雰囲気がありますね。

音質面では既に歪のスタンダードになっているのに限定モノやパッケージ違い、シグネイチャーモデルをよく出すのが難しいところ。現場ミュージシャンに支持されてきたメーカーなので理解もできますが、定番アイテムのプラスアルファというところ。メーカー内で知らないうちに似たようなアイテムが増えては消えていきます。終売になってしまうと欲しくなるギタリスト性にうまくアプローチしているのは流石。

ゲインレベル最小でスルーのクリーンと同じトーン。ゲインレベルをあげてもクリーンの太さを維持しながら自然にサスティーンがかかってスムースなコンプ感がストラト系のシングルコイルに抜群の相性を引き出します。どれかのアンプモディファイペダルと違い幅広いジャンルに対応。歴代の名機といわれるドライブペダルは歪が9時レベルでダイナミクス、レスポンス、サスティーンがいいところに決まる傾向があります。一概には言えませんが歪マックスだとどれも同じ。比較のネタになる動画サイトではほとんどマックスの歪が多いのが残念ですね。ストラトでオーバードライブの9割が最後にレイボーンになってしまうのがお約束ですが逆にレイボーントーンにならないと評価しない傾向にあるのが何とも。それだけレイボーンは偉大なわけでありますが今は一回りしてレイボーンクローンが大活躍。

いろいろありますがペダルボードに入っているととりあえず安心することのできるギタリストにやさしいオーバードライブがBB Preamp。


MAXON  OD-820

2016-12-16 15:58:07 | PEDALS

現在の歪ペダルの大部分がここからスタートしたといってもいいくらいのTS系と呼ばれるモデルの元祖がこのマクソン。80年代のブルースリバイバルにのって海外から吹いてきたアイバニーズ(イバニーズ)チューブスクリーマーはマクソンの株式会社日伸音波製作所が製造していました。海外アーティストはアイバニーズですが日本人はなんたってマクソンという時期が長くありましたが現在では両方入り乱れて、2000年に入ってアイバニーズは独自で製造しているようです。しかし、お約束のグリーンフェイスは変わりません。

このOD-820はオリジナルのOD-808、OD-880、OD-9等を受け継ぐ現行のオリジナルモデル。クリーンブーストからソフトなクランチ、真空管アンプの歪に粘りを加える使い方までハイエンドペダルと同等の使用が可能です。原点回帰とでも言いますか、回りまわって使いやすさ、音の良さを痛感してしまいました。ミッドよりのイメージですが意外とフルレンジでピッキングアタックにオイシイ倍音が乗ってきます。ケンタウルスと比べても同じトーンセッティングが再現出来てケンタウルスの必要のない周波数やレンジ、ザラツキが程よくマスクされていい感じです。このOD-820はブースターとしてもいいですがアンプのプリアンプとして操作するとうまくハマりそうです。ギターのボリュームにも反応がいいですね。しかし、今のペダルボードにミスマッチな大きさと多少感じ取れるチープさはある意味レトロで昭和の雰囲気。

マクソンは現在もオーバードライブやディストーションだけでも無数のアイテムをリリースしています。どれも歪の強さやトーンのピークをずらしバリエーションを作っているだけでそれぞれのカテゴリーでの本質は同じもの。ギタリストのアンプ環境に合わせてチョイスさせるやり方は大きいメーカーの販売スタイルの定番です。日本製のオリジナルを研究しハイエンドに開花させた海外の工房メーカーモノもネタは同じというところが日本の技術力の凄さです。戦後から基本的に変化のない海外のチューブアンプのクオリティが落ちた70年代にその扱いずらいピーキーな音をメイドインジャパンのグリーンやオレンジの箱で見事にまとめ上げて言ったことは真っ先に海外で評価されました。結局、オーバードライブのネタは一つなのでマニアックに追及するとパーツやオペアンプの違いで無理に盛上がらせようとしますが違いは弾き手の気分しかないと言ってしまうと話が終わってしまいます。しかし、ドライブペダル自体がシンプルでユーザーはみんな納得の上の話なので永遠に続くということです。楽しいですね。

ロングセラーの商品はとかく初期モデルに付加価値がついてきて初期モデルを有名ギタリストが使用しているとその価値は倍増します。しかし、ビンテージのTS-808と現行808を試しても個体差にもよりますがほとんど同じ。それだけしっかりした工程で製作しているのと開発当時のチューニングが素晴らしいということなんですね。パーツ変更やモディファイ等の改造もパワフルですが求めるところはみな同じで答えもみんなわかっているという予定調和の摩訶不思議な世界が歪ペダルには存在します。

ケンタウルスのシッポの長さは酒の肴にはならないと思うともうオジサン。


Jan Ray 2

2016-12-08 14:31:56 | PEDALS

今年一番インパクトのあったドライブペダル、ベムラム・ジャンレイがここにきてもう一台。複数台のペダルボードを製作したのであると心強い一品でもあります。今回もいいと思ったら2台所有してしまう悪い病気が出てしまいました。

現在、オーバードライブはメーカーチューンナップ、自作系、世界各国や国内の個人製作家モノ等大変な時代になってきている状況です。それぞれギタリストの環境下で味わいや評価も変貌するので動画サイトだけ参考にしても大失敗する可能性も。結局はピックアップのように試してみないとわからないアイテムということです。原理や構造の基本はみな同じというと開発者に怒られてしまいますがパーツやレイアウトで音色が変化するのも事実。その微妙なさじ加減がオリジナルになっていきます。特にこのジャンレイのようにブースター系のドライブは歪みを浅くかけてチューブアンプのトーンと同調させていけるところに付加価値があります。しかし、これには純粋なチューブアンプクランチが理解できないと全く使い物になりません。ハイエンドになればなるほどトーンの焦点を絞ってきているので好き嫌いもハッキリとしていきますから厄介です。アンプが変わればもちろん質感も変わるので話はリセット。また、部屋や楽器店での小音量では本質が見えてこないことも。バンドでのアンサンブルの中でギターのボリュームを絞ってもどう聞こえてくるかが重要になってきます。これは高音成分を高くして抜けて聞こえるようにしただけのペダルとは根本が違ってくるという奥深いところ。

しかし、このジャンレイのチューニングは絶妙ですね。真空管の飽和していく感じがリアルに再現され、サーチュレーション調整ダイヤルがトレブルの倍音にのってくる感じがフェンダーアンプということなのでしょう。歪を抑えたツインリバーブにコンプレッションを与えるにはベストマッチ。クランチ設定されたトランジスタアンプの前段に使用するとよりチューブ臭くすることも可能。隠し味的に使う方法がベストですがトーンの下地に使ってもクランチアンプのブーストに使ってもどちらにも力を発揮するのがありがたいですね。ミッドレンジが盛上がっていない分、他のドライブとの相性も良くいい感じで混ざり合います。

過去の個性的な名機のドライブペダルの飛び出たところをあえて消した個性の無いフラットなトーンがこのジャンレイ。ギターやアンプ本来のトーンに脚色しないというところではナンバーワンですがそれだけチューブアンプトーンの再現に特化したようなチューンはまさにアンプ。普通だと地味に聞こえてしまうトーンも不思議と前に出てきます。派手さを好むギタリストにはピンと来ないかもしれませんが実践でモノを言うペダルは中々出会えません。