コンパクトで使いやすくペダルエフェクターのマッチング最高のヘッドアンプがこのDV MARK。50Wでプリにマイクロチューブを仕込んだDV MICRO 50 CMTでこの夏に野外ライブに挑みましたが余裕の使用感。そうなると基本モデルになるMICRO50を嗜んでみたくなりますが少しアヤを付けて同モデルのハイパワーバージョン「DV LITTLE GH250」を入手。
コンパクトなヘッドアンプはベースアンプ業界が最初でしたがここにきてやっとギターアンプにも。マーシャルやフェンダー等のトラッドなチューブサウンドを追い求めるのがお約束ですが全くの別アプローチでギターのオイシイところを出すDV MARKは外せないブランドになってしまいました。さてDV LITTLE GH250は実にシンプルなコントロール。DV MICRO 50 CMT Ciro Mannaシグネーチャーは一見2チャンネルアンプのようですがシングルチャンネルにチューブプリを経由するかしないかのレイアウト。トーンも2チャンネル同時に調整出来て細かい設定も可能でしたがDV LITTLE GH250は完全なスリッドステート独立2チャンネル仕様。クリーンはPA的なフラットクリーンですがJCとも違う質感。アーチドトップジャズギターのメローなフロントピックアップを再生するのに最高なトーンセッティングになっています。ブースター的なペダルでザラつかせるとフェンダーやVOXのクリーンクランチが可能。オーバードライブチャンネルは可変幅の大きい歪設定で王道の滑らかなディストーションサウンド。ドライブチャンネルでクランチ設定すればペダル無でフェンダーブラックフェイスやツイードも再現できます。リバーブはデジタル臭くなくモダンなスプリングリバーブでお風呂場臭くならないのが程よい感じ。8Ωスピーカーで150Wの出力があり余裕のヘッドルームと音量なのでキャビネットの選択でほとんどの演奏環境に対応します。ソリッドステートギターアンプ特有な線の細いトーンではなく中型以上のチューブアンプの押し出しの強さ。これはマークベースで培ったノウハウが基になっているのを再確認します。
癖が無く個性も無いですが、選ぶスピーカーキャビネットとアンプのコントロール次第でモデリングアンプ並みの再現力がありますが、好みのポイントを探すまでは多少使い込まないとなりません。トラッドな名機のイメージをとことん消している分、ジャンルに偏らない販売戦略が難しくもあり発展的でもあるように感じられます。トラッド信仰の強いギタリストはこのコンパクトヘッドを色物的に見るのは当然の流れですが最近の伝統あるアンプメーカーの新商品はどれも失敗した感のあるものばかりなので面白い立ち位置なのは確かです。また、最近のハイエンドコンボアンプにありがちなイメージと違った時ダメージも最小で回避できるというメリットも。デザイン性重視のイタリアモノにありがちな突飛なご愛敬というところが全くなく、シンプルで合理的な操作性や大きさは実用的に特化しています。
また、ヘッドアンプには避けては通れないのがスピーカーケーブル。今のメインのLAVAケーブルと新たにブリティッシュのヴァンダムの登場です。BLUE 2D5という7.6mm径のシンプルな2芯ケーブル。ジャケットがソフトで取り回しがひじょうに楽です。DV LITTLE GH250はスピコンジャック搭載なので迷わずノイトリックのスピコンプラグを装着。使用してみるとこんなにいいプラグもありません。ハンダ不要でケーブル固定の安定度ははるかに高い。ヘッドとスピーカーがセパレートになっているアンプはスピーカーケーブルの抜き差しは頻繁で耐久性、接続の精度はダントツでしょう。さて、このお初のヴァンダムは外見と違いイギリス臭くしっとりと落ち着いたトーン。フラットでムーディーな質感ですが、ゲインは力強く曇ったトーンではありません。余計なトレブルも調整されてアメリカンのLAVAと比較してもお国柄が音に反映されている感じです。ビンテージを意識し過ぎたピーキーなヘッドやスピーカーに合わせるとバランスが取れそうです。久々にいいスピーカーケーブルに出会いました。しかし、可変幅の大きいDV MARKならどちらのケーブルでもイケてしまうのが良いような悪いような。
チューブ、アルニコスピーカー、ポイントトゥポイントというものが古き良きモノになっていかないとならないんですけどね。
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