ビンテージモディファイ風のワーモスのテレキャスター。ローラー製ビンテージピックアップが太いトーンを醸し出しますが、ワーモスのサイドからネックアジャスト機構がある特殊なネックの為、モダンな鳴り方のギターです。ネック自体も太く細かく調整しなくてもビクともしないのがその機構があるためか、オーバースペックなのかは謎です。重心が下にあるモダンなトーンのテレキャスターでいいのですがもう少しトゥワングな感じに。
テレキャスターのチューンナップでPUの交換の次に一般的なのがブリッジ回りです。元々はビンテージスタイルの83gと少々重めなプレススチールのニッケルメッキ・ブリッジプレートが搭載されていました。エッジがレリック風で手にやさしくない仕上げなため交換。昔のブームだったシェクターのブラス6wayブリッジプレートも引っ張り出したら驚きの172g。余計な倍音を止めハイパワーでピュアなピックアップのトーンを出す仕様なのですがサドルを装着すると軽く200gオーバーの重量級。時代を感じますね。サイドエッジが無いプレートだと変形を防止するために厚くしていかなくてはなりません。両サイドエッジのほとんどをカットした厚めのスチールプレートも国産であるのですが、今回は初めての素材のチタンをセレクト。重量はこれまた驚きの39g。スチールでこの重量だと変形してしまうスペックです。新素材でのトーンの違いをよく耳にしますがそのほとんどは気持ちの問題です。素材が生み出す音質ではなく重量や形成技術が問題なのです。チタンは医療にも使用される材質なのでフィジカル的にもいいイメージですが、ポイントは重量と強度です。ブリッジプレートを薄くして軽量にするとローエンドは削られトーンはハイミッドにシフトしサスティーンも程よく複雑な倍音がまさにトゥワンギーになっていきます。これはPUを交換したかのようなイメージになるくらい変貌しました。ストラトのフローティングブリッジからハードテイルにしたよりインパクトがあります。今まではパーツ重量を上げてドンシャリなハイゲインにさせるチューンでしたが今回はその真逆。
古くからのサイドのあるプレスブリッジプレートはブリッジカバーを受ける部分とプレートの変形を防止する効果もあるレオフェンダーの傑作デザインですがもう一つの秘密が隠されています。リアPUが吊り下げられた部分がボディにキッチリとビス止めするとブラスのような厚いブリッジプレートと同じ倍音が少ないトーンになってしまいます。サドルの後方のみのビス止めでプレートを支えリアPU部分がボディの上に載っている感覚がトゥワングのポイントです。そこに隙間があると余計な共鳴を生みハウリングを引き起こすので薄くフラットなプレート形状を維持するチタンがテレキャスターにベストマッチしたことに。
ギターパーツとしては新参者のチタンがビンテージサウンドの再現に役立つとは。この先何が起こるかわかりません。
チタンパーツ、驚くほど軽いですよね。
自分も数年前にオールチタンのベースブリッジを試しましたが、
素材が本来持っている適度な柔らかさが音に悪影響として出てしまったため
使用を諦めました。
今年に入ってから世界のゴトーが部分的にカーボン製パーツを使用した
ペグとブリッジを発売しましたね。
テクノロジーの進化は素晴らしいと思いますが、耐久性はどうなんでしょう?
チタンのブリッジプレートは確かに
低音が減少するのでベースのチョイスは難しい
かもしれません。
テレキャスターでいうと重めのアッシュボディ
からライトウエイトなアルダーに変えた雰囲気です。
ミッドの出方が同じ方向でゲインが増す感じですね。
カーボンのような新素材も気になります。
たしかに耐久性は疑問ですがナットにも
使うのでブリッジにもいけそうな気がします。