いろいろと手を加えてきた91年製エピフォンエンペラーリージェント。これでピックアップ交換は2度目。フルアコの理想とするウエス・モンゴメリーやケニー・バレルのようなどっしりとしたシングルトーンを目指してきたがやはりネックエンドに取り付けるフローティングミニハムバッカーはアコースティック感が強くなかなかイメージに近づけない。というわけでボディトップを座繰りギブソンスタイルで加工することにした。
ピックアップは前に書いたセイモアダンカンのセスラバーモデルSH-55。PUのセレクトも重要だがその取り付け位置が問題。前のバルトリーニ5Jも素晴らしいPUだったがネックエンドの位置がアタックを消してしまう。フロントPUのハーモニクスの一番出るポイントは12フレットとブリッジのちょうど真ん中。大抵のエレクトリックギターがこの付近なのだが、完全なアコースティックサウンドに少しだけPUで音量補正をするのが目的なネックエンドタイプはこの位置になくても構わないというわけである。ネックエンド両脇のフローティングPUを取り付けていた穴を塞ぎ、色は若干違うがラッカーで上塗り。
しかし、このダンカンSH-55は素晴らしい。多分、レスポールでも最高でしょう。クリーンでのトーンが倍音たっぷりでフルアコ用に開発されたかのようである。セスの開発時のほとんどが箱モノギターだからマッチングがいいに決まっているがそこを忠実に作ったセイモアダンカンの技に脱帽である。これならセミアコにも付けたいくらい。今回拘ったのがエスカッションの高さ。PUについてくるエスカッションはレスポール用なので低くこれをフルアコに使用するとPUカバーが飛び出す感じになってかっこ悪い。高すぎるとピックガードが高い位置になるのでこれも問題あり。アール加工されていないエスカッションをギタートップに400番の紙やすりを敷きひたすら削る。これがかなり大変で苦労したが、PUの高さで変わる音質と見栄えを追及した結果いい感じに。エスカッションの高さを調整するネジのバネとエスカッション本体の接着面にラバーをまき振動を極力抑えたのが見えないオシャレ。
基本をギブソンL-5と同じ位置にPUを配置し、エスカッションマウント、コントロールは1vo、1tone。ピックガードにコントロールをやめ、トップに直接マウント。エボニー削り出しブリッジから金属のチューンオーマチックに。イメージと違うが金属ブリッジの方がまろやかなトーンが出る。テールピースだけはエピフォン伝統のオリジナル。
アッセンは単線のクロスワイヤー、ポットはCTS250Kのミニタイプ、コンデンサーは音質ナンバーワンのニッセイAPSポリプロピレンの0.022。ビンテージコンデンサーの容量抜けして周波数の一部分のトーンをスル―しているものを芯があると勘違いしていたことを気付かせてくれるニッセイ。ゲインがそのままで太くトーンがダウンするのでついコモらせたくなってしまう。しかし、フルアコの改造で一番厄介なのがアッセンの仕込み。ひもを使って引きあげるやり方が一般的だが配線材を単線にしたため堅い。事前に段ボールの上でレイアウトし配線を完了してから、Fホールやポット穴から2本の耳かきで引きあげる。CDを聴きながら気長にやらないといけません。
弦はダダリオのフラットワウンド0.11のジャズライト。1弦、2弦とも12Fでの弦高を2mmにセットするのがお気に入り。1、2弦のシングルノートが湧き上がってくる太さになって予想通り。多少堅めのトーンだが低音弦が劣化してくるといい感じになる。アイスティーバーストの70年代の雰囲気が増大したので今日から勝手にエピフォンウエスモデルと命名します。
マーシャルのクラス5でアタックをちょっとだけクランチさせるとケニーバレルトーンになるのがこれまたおいしい。
フローティングpu交換で検索していたらこのブログにたどり着きました。
僕も2001年製ですがエンペラーregent を所有しています。同じようにこのギターのアコースティック感の強さが気になっていて、PUをエスカッションのハムに交換したいなあとずっと思っていました。それをやっている方が居て感激しました!是非参考にさせて頂きます!
それにしてもこのエンペラーカッコいいですね。色もロゴも僕のとは違っていい雰囲気ですね。
ありがとうございます。
おちゅ 様のブログも拝見させていただきました。
素晴らしいL-5を所有されてうらやましい限りです。
やはりエンペラーのネックエンドのPUは非力ですよね。
いろいろとPUを替えたりしてきましたがやっぱり
トップに直接マウントがよろしいかと思います。
このエンペラーはやたらとボディが鳴りすぎて
考え物ですよね。ギブソンはもっとダークでタイトな
感じですね。ブレーシングやトップの厚さが影響している
ような感じですが、単板・合板はさほど違いはないような
気がします。やはり構造なんでしょうか。
手軽なフルアコでギブソンの雰囲気が味わえて
改造しても悔いがのこらないのがエンペラーです。
でもブリッジを金属製に交換したら
テールピースの共鳴が大きくなってクロスを
巻いたら丁度いい感じになりました。
是非L-5との違いを教えてください。
またよろしくお願いいたします。
今日ここを見させて頂いてビックリしました。こんな大変そうな改造をされたとは、相当経験があって慣れていらっしゃるのでしょうね。自分にはとても出来そうにありません。
ところで、ピックアップはフロント一発ですが、Wahwahさんはフルアコのリアピックアップをどう思いますか。カッティングなどに使った場合、効果があるのではないかと思いましたが、、昔の知人が「フルアコのリアは変な音がする」と言っていたのを思い出しました。自分のエピフォンは早々にリアを外してしまったのですが、もしかしたら早まった事をしてしまったかなと。
しかしこのエピフォンは、いつ見てもピカピカに手入れされていて美しいですね!
大変ご無沙汰しております。
相変わらず、いろいろと試行錯誤しております。ここまで来るとギブソンを入手したほうが
速いのですが。
PUを仕込む穴を開ける時がドキドキしましたがソリッドギターの座繰りを入れるより簡単でした。
オリジナルエピフォンのモダンなデザインが無くなり寂しい感じですよね。
搭載したダンカンSH-55も素晴らしいのですが使用してみて低音弦側が何となく薄いんですよ。
テールピースかブリッジ駒のカットが悪いのか不明です。もう少し使って見てですね。
意外と普通のダンカン59やギブソンPUがいいのかもしれません。
フルアコのリヤPUは実は渋い存在だと思います。リヤPU単体での使用はあまりしませんが
フルアコのフロント&リヤのミックストーンはブルージーで中々渋いトーンです。またリヤPUはブリッジ
部分に近いのでPUの重さやエスカッションのビスで余計な鳴りをミュートする役割が
あるような気がします。ソリッドディストーションでは主役のリヤPUですがフルアコでは
隠し味に変貌するというのも渋いですよね。
配線はしないでダミーで載せている人もいました。
そんなことを考えていたらリヤPUも載せたくなってしまいました。
また宜しくお願いいたします。
私もエンペラーを使用しており、バルトリー二5Jに一目惚れしてしまい、最近ようやっと交換することができました。その際、こちらのホームページが大変参考になりました。ありがとうございました。
大変厚かましいのですが、volポットの使い方で質問させて下さい。
普通volポットは3つある端子の外側にPUからインプットし、真ん中の端子をアウトプットに繋ぐとおもうのですが、元の配線ではインプットとアウトプットの端子が逆になっていたのですが、1PUのフルアコではこういう使い方をするのでしょうか?
試しに両パターンで配線してみたのですが、真ん中にインプットし外側からアウトプットした方が、ボリュームを絞った時に適度に高音が削れ、とても柔らかいジャジーな音になるのですが、致命的にノイジーになってしまいます。"ジー"というノイズではなく、ボリュームを絞り始めると"ブー"というハムノイズのような音がし、弦アースしても完全には消えず、ちょっと耳に付く感じなのです。普通に繋ぐとノイズの問題はないのですが、ボリュームを絞っても音量だけが下がり、音質はあまり変わらない感じです。
これはフルアコならではのvolの使い方、注意点があるのでしょうか?よろしければ、どちらの繋ぎ方をされているかお教え頂けませんか?よろしくお願いします。
p.s.
ドンピシャでやりたい改造をなさっているので、とても参考になります。また、写真やページデザインがギターの良い雰囲気を醸し出しており、目の保養にさせていただいています。
ありがとうございます。
エピフォンエンペラーのお仲間が増えてうれしい限りです。
これからも宜しくお願いいたします。
さて配線の件ですね。エレクトリックギターのポット配線は特殊な
結線やコンデンサーをかまさない限りクリーントーンではヴォリューム
を絞れば自然と音量が落ちていきます。変な落ち方やノイズが出れば
配線が違ったり、ポット不良の可能性があります。
http://www.seymourduncan.com/support/wiring-diagrams/schematics.php?schematic=1hum_1vol
セイモアダンカンの配線例を貼りつけましたのでご参考にしてください。
基本はポットの足を下に向けると左にPUからのアウトプット、真ん中がアウトプット、
右がアースとなります。
フルアコもヴォリュームの使い方は同じです。絞ると多少アタックが柔らかくなりますが
私はヴォリュームフルでトーンでアタックを削ります。
この機会に新しいポットで試すのもありかもしれないですね。
バルトリーニ5JはいいPUです。今回ダンカンに交換しましたが5Jはストックしていますが
PU無しのフルアコを入手したら取付予定です。
また宜しくお願いいたします。
エンペラー仲間と言って頂いてこちらこそ、嬉しい限りです。
元はベースを弾いていたのですが、最近エンペラーと共にギターを始めました。
まだまだ全然ギターが弾けない新米ですが、今後ともよろしくお願いします。
やっぱり元の配線は間違いなんですね。
正常な配線に比べて、volを絞った時の音は明らかにおいしい音色になるのですが、ノイズが増えて音量は下がるので、致命的にSNが悪くなるのが如何ともしがたいです。ジャズベースでは真ん中インプットの配線だったりするので、ポットの交換を含めて、ノイズがなんとかならないかちょっと研究して見ます。
エンペラーは安いくせしていい楽器ですね。ピックアップとブリッジを換えるだけで、かなり良い音になりますね。私は5Jに色味を揃える為にエボニーブリッジにしました。金属程ではないですが、元のブリッジよりマイルドで太い音になりました。いじった分だけ応えてくれるので、練習そっちのけで改造に夢中になってしまいます。練習せねば、、、
SH-55か、APH-1か、悩んでいます。
低音が出すぎるので、APH-1かなー、でもSH-55もいいような・・・
ありがとうございます。
Gibson L-4CESいいですね。
ギブソンにはやはり王道系でしょうか。
ダンカンSH-55はプレーン弦は素晴らしいですが
巻弦は多少おとなしい感じです。アコースティック
的な雰囲気を味わえますが、ブリっとウエス風なら
ダンカンで言うとSH-1の59年モデルの方がいいかも
しれません。あまりJAZZやアコースティックを意識した
PUだと綺麗過ぎます。ローもそこそこあったほうが
甘くメローになります。ディストーションを
目的にしたハイパワーPU以外ならどれもいいですよ。
宜しくお願いいたします。