よろずよもやまよろずたび

地元の写真と日々の雑感、写真日記です.
最近は陶芸三昧の日々ですが・・・

LIMIT 2・3・4

2012-02-21 | 

1巻目の帯に「3・4巻目を待て」とあったので、2巻目も退屈なんだろうと覚悟していたところ、上海を舞台に大活劇が始まって にわかに面白くなった。

以下ネタばれ含む

舞台は2025年の近未来。化石燃料に代わるエネルギー源として、核融合が実用化される。その燃料となるヘリウム3は月の地表にあって、採掘をアメリカ・中国が競ってやろうとしている。埋蔵量は700年分。ヘリウム3を月から地球へ運ぶ手段として宇宙エレベーターが民間企業によって開発され低コスト化が実現する。その結果、化石燃料は暴落し扱っていた企業や産油国は窮地に追込まれる。

そういう状況下、ネット犯罪専門の探偵であるイギリス人の主人公が、友人の中国人実業家から、そのまた友人の娘であり超美人でパンクバンドの歌手であり、ソフトウェア開発の才能があり、反体制活動家でもある女性が失踪したので捜索して欲しいと依頼される。その超美人は、中国人の殺し屋から付狙われるのだが、主人公の活躍により難を逃れる・・・

というのが2巻目で、月のホテルへ向かう登場人物たちの冗長な会話が続く1巻目とは大違い。謎が大きく膨らんでスリリングで面白い。

3・4巻目は、中国人殺し屋の組織や陰謀について徐々に明らかになっていくが・・・最後の最後になって明らかにされる黒幕は、誰もが予想する通りで、意外性はない。 だから終わり方は淡々としている。

近未来ということで、SF的な部分を期待したけれど、そうしたアイデアは見当たらない。一言でいうなら、既存の科学・技術の延長および現在の世界状況等々を大きな鍋に入れ、かき混ぜて、出来上がった 中国人ウケしそうな サスペンス巨編といったところです。

小説も中国市場を意識して書かれる時代になったようです。

 

コメント
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