広河原から上流を望む風景は、菊池渓谷のなかでもお気に入りの場所のひとつである。
新緑や光芒のシーズンも、そして紅葉のシーズンもここに三脚を据えて粘って撮る。
古木然とした傾いた木々が、苔むした枝を川面に伸ばしている。
それらの上流にには、奥深い緑が続いている。
人だかりができる光芒スポットで、何枚撮りこの場に三脚を据えて空を見上げる。
雲は切れて上流の木々を照らしてはいるが、こちらまでは光が届かない。
近くで光芒が出始めたと思った途端に空は雲に覆われた。
見上げても木々の間から覗く空は、時間が経過しても白いままだ。
30分程待ったが下流の様子が気になり、三脚を畳むと渓谷を下り始めた。