国の特別史跡である吉野ヶ里遺跡は、約50haにわたって残る弥生時代の環濠集落跡である。
いまでは、国営吉野ケ里歴史公園として整備をされ、年間を通じて楽しめるようにイベントなども行われている。
機械も何もない時代に見上げる高さの工作物が、青空ににょきにょきとあちらこちらに突き出ている。
縄文時代は争が少ない分配がいきわたった時代だったと、何かで読んだことがある。
しかし、この遺跡は明らかに争いに備えた造りがなされている。
稲作を覚え定住を始めた人々は、土地や水など紛争の火種が次々に生じてに違いない。
物見櫓で空を見上げていた弥生人も、同じような秋の空を見ていたんだろうが
雲の形がよくなるまで待とうなんて、そんな「ふうたんぬるか」事は誰一人として考えなかったに違いない。