学生の頃、東京ディズニーランドでアルバイトをしていた。
ここでは従業員全員をキャスト、お客さんはゲストと呼ぶ。
つまり、guest(来賓)にcast(参画者)がこころからのおもてなしを
するという気持ちに由来する。
学生アルバイトもたくさんいたが、全員がプロ意識のある人で
見習った部分も多かった。
各配属先ではもちろん仕事内容も違うし、ゲストの前には一切でないような
裏方もある。しかし、どの人も楽しそうに仕事をしている(ように見える)。
ゴミが落ちていれば拾っていくし、子供がいれば中腰になって 子供目線に合わせて
話をする。
マジックキングダム(夢の王国)にはハード面ばかり目に行きがちだけど
その実キャストの教育、ホスピタリティが行き届いているところが他にはないところではないかと思う。
いつ行っても相当な人がいるはずなのに 夢の王国 では自分が主役になったかのような気分が味わえる。
30、40分並んでもイライラせず並んでいられるのはひょっとしたら 隠れミッキー探しでも
アトラクションの魅力でもなく、非日常へといざなってくれるキャストなのかもしれない。
さて、こんなに魅力満点なTDR、かれこれ7年近く行っていない。
聞けば面白くて何度も参加していた
キャストのキャラが秀逸のシンデレラ城ミステリーツアーも
過去と未来、昨日と今日を行ったり来たりする
ヴィジョナリアムもない。
ミッキーが指揮をする辺りの動物が楽しく踊るショーもない。
さらにディズニーシーにあったブロードウェイのミュージカルショーも終わっていた。
当時はこれらを目当てに1日に3回観たり、楽しんだものがないのはなぜだろう?
ちなみに最近では観たいなと思っていたUSJのWICKEDもやっていないらしい・・・。
働いていた頃、よく「ミッキーの中身は何?」と訊かれた。
キャストはみな「ミッキーはミッキー。きぐるみなんかではない。」と言っていたし、思っていたようだ。
バックヤードでときどき見かけるミッキーもキャストに手を振ってくれるわけで
頭の部分を取り外して「暑い、暑い!!」なんていうことは断じてなかった。
夢はキャストにも与えるのである。
ただ、このディズニーランド。ウォルト・ディズニーが作ったからディズニーランドということを
考えると、たとえば滝沢さんが作ったのなら タキザワランド である。 こわい!
ウォルト・ディズニー生誕100周年経っても
ディズニーランド、言い方かえれば独裁王国ともいえるではないか?
人間では老けるからアイコンとしてミッキーを創出した。そのミッキーはウォルトの意思を
連綿と受け継いでいる。徳川家康が東照宮を建て、東照大権現として死後も日本の国の長で
あり続けたいと思ったのと同じ発想ではないか。
ミッキーをみるたびにその裏にいるウォルト・ディズニー100歳が背後に
いると思うとこわくなる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます