標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

トクサ(砥草)で磨いた木の滑らかな感触

2017-09-01 19:10:16 | 日記

トクサ:竹みたいに節がある


咲いてから大分経ったトクサの花

庭の数か所にトクサ(砥草)が出ている。地下茎なので群生する。妻が道の駅で買ったものを植えた。繁殖力が旺盛なのでどんどん増える。あちらこちらに移植した。私は植物が得意人間でないので、草花の名を覚えるのが苦手だ。2、3回聞いても大抵は覚えられない。したがって通常は定着するのにだいぶ時(年単位かな)を費やす。しかし、トクサは教えてもらわなくても知っていた。

何故かといえば、父にとっては必需品だったからだ。父は木工ロクロを使い木製の人形などを挽いていた。丸や楕円形に成形された物を磨くときに、トクサを使っていた。トクサはいわゆるサンドペーパーのような役割をする。サンドペーパーの最も目の細かいものと同じ効果だ。


これを乾燥させ磨くためのトクサにする

トクサを乾燥させたものを数本束ねて、回転している製品にあてる。微かにトクサと木はだの接触の証として微粉が煙のように摩擦部分から出てくる。父や職人さんが手際よくバイトという先の曲がったノミのような金具で、木を削る。長いカンナクズ(削り節に似ている)のような木クズが回転しながら出てくる。見るみるうちに成形されていく。仕上げにトクサで磨く。できたものを触ってみると、つるつるした肌触りだ。木の香りがする滑らかな肌触りは私の手のひらの記憶として残っている。残念ながら他に形容のしようがない感触だった。

私のブログプロフィールにある人形の顔や胴体部分などはトクサで仕上げていた。でも、色付けしてるので木肌の滑らかさではない。


家の内装窓の鴨居を自作したことがある。トリマーなどの高度な道具がなかったので、鴨居の溝をノミで掘り、仕上げにトクサを使った。父が使っていた姿を思い出し、数十年ぶりにトクサの感触を味わった。
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