標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

米軍ヘリ炎上「沖縄にとってはこれが国難」 翁長知事の発言

2017-10-13 19:12:26 | 日記
12日、米軍ヘリ炎上事故に係るニュースの中で、現地視察をした翁長知事のコメントが流されていた。

「本当に厳しい状況。今日までの事件事故を思い出しながら、この厳しい環境をどのように国に訴えていくか考えた」
「日常の生活が一転して、こういう恐ろしい状況になるということに大変な違和感があった」との感想。

さらに、事故が起きる度に何度も要請行動や抗議行動を起こしてきたが、頻発する米軍機の事故の状況に「豆腐にくぎ。県にとっての国難とはこういった状況だ」と述べた。

「悲しい」「悔しい」「怒り」という言葉も交えて語っていたとのこと。


私が大学生だったとき、他大学から加入していたサークルに沖縄出身の男性がいた。どちらかというと他大学の学生は、積極的に発言し、サークルに活力を与えていた。しかし、彼は常に静かで控えめな参加であった。

ところが、あるとき彼がしみじみと淡々と、話し始めた。「実は自分は、沖縄の出身だ」という。母校では沖縄出身だということを言い出せなくて、他校のサークルに参加したとのことであった。

彼がサークルに参加したのは、確か返還される前年だった。まさに返還直前で世間が緊張していたころだ。歴史的には最大の戦後処理のひとつだが、彼の心中には表出できない課題として存在していたのだろう。今、彼がどのように感じているのか分からない。しかし、翁長知事と同年代の彼は、きっと、翁長知事の思いを理解できる多くの沖縄県人の一人に違いない。

今回事故が起きた地域は、昨年12月に本土復帰後最大規模の返還ということで話題に上っていた。当初翁長知事は北部訓練場の半分を超える返還について「推進すべき」との立場だった。しかし、条件として返還予定地から移設されたヘリパッド6カ所を、当初予定されていなかったオスプレイが使う点を問題視。「ゆがんだ返還であり、多くの県民の思いが踏みにじられ、政府への強い不信感をもたらす」として返還式典の中止を求めていたという。

今回の事故は、すでに昨年、知事はじめ沖縄県民が予測していた事態が起こってしまった。選挙応援演説で首相は、返還面積が半分に及んだということを実績として述べていた。
それは、まったく沖縄県民の気持ちを無視した、無理解の発言で残念だった。

今回の選挙は、国難に対応するというキャッチフレーズがあったはずだ。翁長知事の言われる「沖縄にとっての国難」こそ現実的な国難だ。ぜひ、この国難にこそ率先して真摯に対応して欲しい。
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