天城山(万三郎岳(1,406m)) (つづき)
八丁池は、「天城山の火口湖とも言われていましたが、現在では断層のずれによって生じた窪地に水がたまってできた湖であることが明らかとなっています。」とのことです。ずっと続いた樹林帯から池に出ると明るく、池の周りには芝生もあって開放的でした。日曜日だし人が多いかなと思ったら逆に自分1人しかその場にいなく、あまりにも静かでした。そのうえ、芝生でカラスが一羽休んだりしているものだから、余計に静かでした。風が吹くとさっと池の水面が動きました。
ここにあった案内板には、昭和30年代の冬の日に水面が凍り、観光客がスケートを楽しんでいる写真が紹介されていました。伊豆に天然のスケートリンクが存在していたのです。
ここから八丁池口のバス停まで下りました。途中に展望台があったので立ち寄りました。登ったばかりの万三郎岳が、割と真直ぐな稜線できりっとした山容を見せていました。もっとなだらかな形を想像していたので意外でした。
「~ 天城のいいことの一つは、見晴らしである。煙を吐く大島を初め、伊豆七島がそれぞれの個性のある形で浮かんでいる海が眺められるし、いつも真正面に富士山が大きく立っている。 ~」
(深田久弥『日本百名山』新潮社版)
今日の歩きで、天城山の眺望を意識したのはこの展望台だけでした。海が見えるポイントは他にもあったし、ゴルフ場を見下ろす場所もありましたが。富士山は霞んで、見ることができませんでした。
しかし、ブナやヒメシャラの樹は見事で、天城山は自分にとって見晴らしの山ではなく自然の森の山でした。とてもいい山が百名山に選ばれているんだなと思いました。
停留所に着くと、15:42発の修善寺行き最終バスが着くまであと20分少しありました。丘の真上に立派なブナを見つけたので見に行きました。
ここへ至る道路はバス専用で、マイカーは入れません。
八丁池口からバスに乗ったのは自分しかいませんでした。運転手さんは乗客の数を帳簿に記入していました。ほとんど1ケタの数字が並び、0の日も多く心配になりました。
(登頂:2017年4月中旬)